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posted:2022.4.8 from:徳島県 genre:食・グルメ
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
温暖な気候でさまざまな農作物が採れる徳島県。
その魅力に引き込まれ、大阪にあるチョコレートの輸出入や企画販売を行う
〈トモエサヴール〉が、2022年1月に徳島で希少価値の高い食材を使った
ユニークなチョコレート〈徳島コレクション〉を発売しました。
食材として使用されたのは、阿波晩茶、すじ青のり、柚香(ゆこう)、食用藍。
なんだかあまり馴染みのない名前ばかりで、中には藍まで入っており、
思わず「食べれるのかな……?」と疑問に思ったり。
これらは、徳島の風土だからこそ生まれた魅力あふれる食材ながら、
認知度が低いため安価で流通され、商売として成⽴しにくく
産業が発展しないといった大きな課題があるといいます。
トモエサヴールの代表で、日本人で唯一〈International Chocolate Awards〉の
審査員を務めるチョコレートソムリエ・さつたにかなこさんは、
たびたび徳島を訪問していたことをきっかけに、これらの食材の魅力を伝えたいと、
シンガポールのビーントゥーバーブランド〈フォッサチョコレート〉と協業し、
徳島コレクションを開発。
同社では“顔の見えるカカオ”を使用したチョコレートの販売を行い、
海外のカカオ農家の課題解決に尽力していましたが、
今回開発された徳島コレクションも、チョコレートを通して
徳島の食材の魅力を発信し、その価値を高めていきたいといいます。
それではそれぞれの味を詳しくご紹介していきましょう。
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2020年にお茶の製法が重要無形民俗文化財に指定された、
徳島県の山間部で作られている阿波晩茶(あわばんちゃ)。
このお茶の製法はカカオの発酵とも似た、乳酸発酵させる世界的に見ても独特なつくりで、
徳島では限られた地域のみで受け継がれてきました。
徳島コレクションでは、徳島県上勝町・高木農園の阿波晩茶を
ウガンダ産のカカオとミックス。
食べるとふわっとお茶の香りが鼻に抜け、阿波晩茶の優しい味がします。
柚子と橙(だいだい)が自然交雑して生まれた徳島独自の柑橘・柚香(ゆこう)と、
日本における生産量1位のすだちのピールを使用したミルクチョコレート。
フォッサチョコレートのショコラティエが注目していた日本の柑橘の中でも、
特に稀少で風味の良い柚香とすだちをブレンドし、より複雑な味わいに。
噛むたびに柑橘のさわやかな香りが楽しめます。
食用となる青のり類の中でもっとも美味で香りが良いとされているすじ青のり。
徳島県はそんなすじ青のりの生産量の日本一で、全国の生産量の7、8割を占めています。
この1枚は、ハラナダークミルク64%を使ったなめらかなチョコレートが、
驚くほどに青のりの香りを引き立て、意外にも両者の風味がぴったりマッチ。
口に入れた瞬間に豊かな青のりの風味が広がります。
藍って口に入られるの? と思う人も多いはず。
染めものとして知られている藍ですが、
近年は栄養価の高いスーパーフードとして食用藍が注目を集めているそう。
徳島県つるぎ町家賀(けか)地区では、
化学肥料や農薬を使わず栽培された藍が世界農業遺産に認定され、
地域おこしの事業としてもひと役買っています。
この藍をフォッサチョコレート自家製のホワイトチョコレートにブレンドすることで、
翡翠(ひすい)のような美しい色調のチョコレートに仕上がりました。
いったいどんな味だろうと好奇心をくすぐられる珍しいものばかり。
この徳島コレクションから、徳島の4つの食材の魅力に触れてみてはいかがでしょう。
information
株式会社トモエサヴール
Web:オンラインショップ
*価格はすべて税込です。
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