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posted:2022.3.24 from:秋田県 genre:ものづくり
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writer profile
Haruna Sato
佐藤春菜
さとう・はるな●北海道出身。国内外の旅行ガイドブックを編集する都内出版社での勤務を経て、2017年より夫の仕事で拠点を東北に移し、フリーランスに。編集・執筆・アテンドなどを行なう。暮らしを豊かにしてくれる、旅やものづくりについて勉強の日々です。
国の伝統的工芸品に指定されている唯一の曲物「大館曲げわっぱ」の製造元、
1959年創業の〈大館工芸社〉より、新ブランド〈Blanc Pa(ブランパ)〉が登場しました。
原料となる秋田杉本来の色のグラデーションを生かした器は、
〈Cup〉、〈Dish〉、〈Bowl〉の3種類。サイズはそれぞれS、M、Lが揃います。
「原料の秋田杉を大切に使いたい」
そんな思いから、Blanc Paは誕生しました。
北東北の厳しい自然環境の中、
老齢になってもゆっくりと成長する特性を持つ秋田杉は、年輪幅が細かく、
木目が詰まっているため、美しく強度にすぐれていると言われています。
なかでも、大館曲げわっぱに使用されるのは、
木の中心部分である「赤身」と呼ばれる晩材。
木を輪切りにした際、内側に位置する、密で濃い年齢を重ねた部分です。
「シラタ」と呼ばれる木の外側の若い部分は、縮み率が大きく、
木目にもばらつきが出るため、「同品質同規格」の製品を推奨される
大館曲げわっぱでは、これまで利用されることはありませんでした。
秋田杉は、今では数が限られた貴重な材。
大館曲げわっぱにも、かつては樹齢200~250年の天然秋田杉が使用されていましたが、
自然保護を目的に2013年に伐採が禁止となり、
新たに材として調達することはできなくなってしまいました。
現在は植林した樹齢100年以上の秋田杉を使用していますが、
2020年度秋田県林業統計によれば、
秋田県にある木材の中での割合はわずか1%と限りがあることは明らか。
この貴重な秋田杉の「シラタ」も有効活用できないかと試行錯誤し、
生まれたのがBlanc Paでした。
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新ブランドだからこそ許された、木による個性や違いを生かした製品。
品質は保ちながらも、素材本来の色や木目が、美しい特長になっています。
「シラタ」と「赤身」による独特の風合いを楽しめるのはBlanc Paのみ。
製造は限定数を年に数度と不定期で、
すべての製品に製造年月とエディションナンバーが刻印される、
どれも世界にひとつだけの器です。
オンラインショップで購入できます。
*価格はすべて税込です。
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