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posted:2021.11.25 from:栃木県那須塩原市 genre:食・グルメ
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
この秋、栃木県は那須にある小さなチーズ工房の新たな挑戦が始まりました。
本州一の生乳生産量を誇る那須。
牛乳やチーズなど、バラエティ豊かな乳製品が数多く作られています。
そんな那須にある〈チーズ工房那須の森(以下、那須の森〉は、
従業員8名で8割が女性という小さな工房。
6種類のチーズを製造し、
それらのチーズは比較的クセが少なく、食べやすいと評判です。
国内のチーズコンテストで何度も入賞しており、
チーズの世界大会「ワールドチーズアワード(WCA)」で
看板商品〈森のチーズ〉がトップ10に入る快挙も。
その那須の森が、チーズづくりで大量に排出される「ホエイ」を、
余すことなく活用するためのプロジェクトをスタート。
現在クラウドファンディングで、支援者を募っています。
チーズづくりで大量に余るホエイ。
生乳からチーズとなるのは10%ほどで、
残りの90%はホエイとなり、そのほとんどが廃棄されるといいます。
大手企業はホエイを化粧品やプロテイン用のパウダーに加工していますが、
大規模な設備投資を要するため、小さな工房ではなかなか手を出すことはできません。
多くのチーズ工房はホエイを活用し切ることができず廃棄し、
その際にも、経済的な負担や環境的負荷がかかっているのが現状です。
那須の森は、このプロジェクトを通して
チーズ作りにおけるホエイの課題の認知を増やすことで、
ホエイの活用法をより多くの人と見出し、
持続可能で豊かなチーズ文化をつくっていきたいといいます。
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那須の森はこれまで、パン屋さんやピザ屋さんにホエイを原料にしてもらったり、
養豚場で豚の食料として活用してもらったりと、
独自にホエイを活用する仕組みづくりに取り組んできました。
今回のクラウドファンディングの資金は、
那須の新銘菓でスキムミルクを有効活用した〈バターのいとこ〉と共同で新たに取り組む
ブラウンチーズづくり用のホエイ保存用冷却タンク購入設置費と試作開発費に回されます。
ブラウンチーズは、ノルウェー発祥のホエイを煮詰めてつくるチーズ。
キャラメルより少ししょっぱく、砂糖不使用なのにしっかり甘い独特な味で、
ペースト状から擦りおろしできるほどの硬さまで形状変化ができ、長期保存も可能です。
那須の森は今回のクラウドファンディングを通して、
ブラウンチーズをお菓子の原料として使い、
より食べやすく馴染み深いものにしていきたいといいます。
クラウドファンディングの返礼品は、
チーズセットや工場見学ツアーなど、那須の森ならではのラインナップ。
支援者募集の締め切りもあと1か月を切りました。
那須の小さなチーズ工房が挑戦する、
日本のチーズ業界全体に関わる大きな問題。
チーズ好き、そして酪農に関わる人はぜひ検討を。
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