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posted:2021.9.28 from:岡山県真庭市 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
SDGs未来都市でもある、岡山県真庭市。
製材端材や林地残材を発電燃料として活用するなど、
ゴミを資源に変え、資源とお金の地域循環をつくる
「回る経済」の実現に取り組んできました。
そんな同市内・蒜山高原(ひるぜんこうげん)に、
今夏、隈研吾建築のサステナブルな新ランドマーク
〈GREENable HIRUZEN(グリーナブル ヒルゼン)〉がオープン。
「回る経済」をさらに発展させるために、阪急阪神百貨店とともに設立された、
自然共生に関する行為やものを紹介するコミュニティブランド
〈GREENable(グリーナブル)〉のビジョン発信の拠点です。
象徴的建造物、CLTパビリオンの〈風の葉〉、
隈氏の建築資料と現代アートを展示する〈蒜山ミュージアム〉、
観光情報とサステナブルな暮らしを提案する〈ビジターセンター・ショップ〉、
自転車文化の発信や蒜山高原の自然や文化に触れられる〈サイクリングセンター〉
で構成された館内。
〈風の葉〉は、真庭市産の木材、CLT(直交集成板)を使用し
2019年11月に東京・晴海に建てられた
隈氏設計監修〈CLT PARK HARUMI〉が役目を終え、
新たなシンボルとして生まれ変わったもの。
CLTは、断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性に優れているのはもちろん、
活用することで、林業・木材産業の活性化、CO2排出削減や森林保全にも貢献。
まさに、地方創生と環境の両面からサステナブルな社会の実現に貢献する資材です。
真庭市産のCLTの活用建築が「里帰り」するというストーリーは、
都市と農山村を結びつける、地方創生を象徴するものでもあります。
また、解体しても再生できる木造建築の特性を活かした
移築可能な素材・構造システムを実現したことで、
木材の新たな活用方法、さらに建築物のアップサイクル例として、
“持続可能性”を体現する建物ともいえるでしょう。
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一方、〈蒜山ミュージアム〉は、現在開催中の隈研吾展をはじめ、
現代アートを通じてサステナブルな学びを体感できる展覧会とイベントを計画。
〈ビジターセンター・ショップ〉には、岡山のデニムメーカー〈JOHNBULL〉や、
ヨーロッパ発のサステナブルブランド〈ECOALF(エコアルフ)〉をはじめ、
真庭のクラフトビール醸造所〈Mimasaka Beer Works〉のビールなど、
地元事業者の製品もラインナップ。
世界中の企業と連携し、サステナブルな価値を届けていきます。
サイクリングツアーをはじめ、ハイキングや環境保全・保護活動に
楽しく取り組めるアクティビティメニューが登場した
〈サイクリングセンター〉も見逃せません。
「このパビリオンでは、コンクリートで箱をつくるという、
20世紀の建築とは真逆を目指しました。
自然との一体化、自然との共生をテーマに、
“どうやったら自然の中に人が戻ることができるか”を考えました。
このような建築のコンセプトは、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で今後、本格化するでしょう」と隈氏。
SDGs未来都市らしい、これからの時代を体現する蒜山の新ランドマーク。
中四国を訪れた際は、自然との共生、そして未来あるくらしを学びに
〈GREENable HIRUZEN〉にも足を運んでみましょう。
information
GREENable HIRUZEN
住所:岡山県真庭市蒜山上福田1205-220 岡山県真庭市蒜山高原内
交通アクセス:
車 米子自動車道蒜山ICから約3分
※駐車場は「ヒルゼン高原センター」駐車場をご利用ください
公共(バス) 岡山駅から中鉄バス 勝山~岡山線「勝山」(JR中国勝山駅前)で真庭市コミュニティバスに乗り換え、「蒜山高原センター前」下車
隈研吾展『ハコからの解放 ― たし算、ひき算、かけ算、わり算 ―』
会期:開催中~10月12日(火)
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:45まで)
休館日:水曜日
入館料:高校生以上ひとり300円 中学生以下無料
※詳細はサイトをご確認ください
*価格はすべて税込です。
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