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posted:2021.6.8 from:奈良県北葛城郡広陵町 genre:買い物・お取り寄せ
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
奈良県広陵町をはじめ、大和高田市、香芝市、御所市……。
江戸時代初頭に大和木綿や大和絣などの織物の生産地として栄えたこの地。
そんな奈良県には、メイドインジャパンの魂を受け継ぐ、
国内随一の靴下産地があります。
同地では、明治40年ごろに靴下編み機が持ち込まれ、
織物に代わって靴下製造の技術が普及しました。
それゆえ、靴下を編むことを「織る」と言うんだとか。
今も多くの靴下工場があり、カジュアル、スポーツ、ビジネスなど
さまざまなバリエーションの高品質な靴下が生産されています。
意外にも、靴下でこのような発展を見せている産地は世界的に見ても稀。
地元の人々が継承してきた「目には見えない技術と経験」の賜物です。
今回ご紹介する〈ROTOTO〉は、そんな現地の上質な靴下ブランド。
「一生愛せる消耗品」をコンセプトに、
産地の人々と各工程話し合いながら丁寧につくられる靴下は
国内はもちろん、海外のお客さんも多いのだとか。
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こちらはブランド立ち上げより展開されている、
〈ROTOTO〉定番のダブルフェイス仕様の人気ソックス。
登山用ソックスがインスピレーションソースになっており、
外側がメリノウール、内側が未染色の太番手のオーガニックコットンで、
スウェットシャツのように肉厚な質感。
オーガニックコットンをループ状に編み、ふっくらとした風合いに仕上がっています。
立体構造に編み立てられているので、
足にピタッとフィットする履き心地の〈R1007 PILE FOOT COVER〉。
糸も高い吸汗性のドイツ製のアクリルファイバー「dralon」と
コットンの混紡糸を使用し、デオドラント加工も付与されており、
夏場は非常に重宝することでしょう。
外側に色糸コットン、内側に未染色のシルクを使った
アイコニックなダブルフェイスのソックス。
シルクがパイル状に編み立てられているので、
吸湿性・保温性・保温性が高く、履き心地もしなやか。
〈R1001〉ほど厚くなく、女性に人気の一足です。
深みのあるカラーリングが魅力の〈R1044 CITY SOCKS〉。
保温性が高く、除湿性や防臭機能を持つメリノウールをパイル編みにし、
より高いクッション性・保温性を担保。肌馴染みがよいと評判です。
摩擦に弱いウールの表面をコットンで覆いながら編み込んでいるため、
耐久性の高い仕上がりに。
「毎年冬はこのCITY SOCKをほぼ毎日履いています」
という声も上がるほどの人気商品。
汗による靴底のベタつきを防ぎ、
サンダルのストラップの擦れから保護してくれる画期的なフットバンド。
コットンより5倍の早さで汗を吸収・蒸散する「クールマックス」を採用しており、
快適な温度をキープしつつ、涼しくドライな履き心地に。
足元のアクセントとしても活躍してくれますよ。
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これらの靴下をつくるうえで、最も優先しているのは「履き心地」だそう。
「制約が多い靴下製造のなかで、協力工場さんと、
どの編み機で編むか、どの糸と糸を組み合わせるかなどを考えます。
次に、工場から上がってきたサンプルに対し、編み機や糸の選定が適切か、
フィット感や伸縮性など、最初にできる限り突き詰めていきます。
これはシンプルな靴下ほど時間をかけます。
今はスムーズにいくことが多いですが、未だにボツになることも」
と広報の成田さん。
そのような工程を重ねるうえで、やはり一番大切にしているのは、
生産現場(工場)とのコミュニケーションだといいます。
〈ROTOTO〉の本社となる株式会社germinationは、
2020年2月に大和高田市へ移転し、
現場でのコミュニケーションをより密に取れる環境を整えました。
「デザイナーの石井は工場によく出向き、
職人さんと話し合って新しい靴下をつくっています。
直接現場の方々とやりとりすることで、イメージを具現化するまでがとてもスピーディで、
早ければその日の内に生地サンプルが上がってくることも。
ひらめきをすぐに形にしてもらえる今の環境には本当に感謝しています」(成田さん)
また、その品質の高さやサイズ展開から、国内外問わず反応があるとか。
「〈ROTOTO〉は県内のさまざまな協力工場さんのもとで靴下をつくっており、
それぞれが持っている機械は異なります。
多品種にわたる靴下をつくっていますが、それを可能にするのが奈良県の靴下産地です。
多種のラインナップと職人さんとつくり上げた素材や履き心地の良さにリピーターが付き、
国内外問わず受け入れられていると考えております。
また、海外用としてLサイズ(27-29cm)を設け、
S(23-25cm)、M(25-27cm)、L(27-29cm)の3サイズ展開をしています」
(成田さん)
今後は、「一生愛せる消耗品」のコンセプトのもと、年配の方用や、
キッズ、ベビーソックスなどのバリエーションを増やし、
国内外、性別、年齢問わず愛される靴下ブランドに成長させたいそう。
〈ROTOTO〉から、これからどんな一足が誕生するのか、楽しみですね。
奈良県の靴下産業の歴史を受け継ぐ〈ROTOTO〉。
そのポテンシャル、ぜひ履いて確かめてみてください。
information
ROTOTO
Web:公式サイト
*価格はすべて税込です。
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