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神田錦町〈テラススクエア〉屋上で
栽培したブドウを使った、
ファーストビンテージワインがリリース

コロカルニュース

posted:2021.3.18  from:東京都千代田区  genre:食・グルメ

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
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Chihiro Kurimoto

栗本千尋

くりもと・ちひろ●青森県八戸市出身。旅行会社勤務→編集プロダクション→映像会社のOLを経て2011年よりフリーライターに。主な執筆媒体はマガジンハウス『BRUTUS』『CasaBRUTUS』『Hanako』など。2020年にUターンしました。Twitter

ビル屋上で栽培したブドウでワインづくり

東京・神田錦町にあるビルの屋上で栽培されたブドウを使い、
ワインづくりを行う〈URBAN VINEYARDプロジェクト〉。
その記念すべき、ファーストビンテージワインが完成しました!

東京、神保町駅近くにある複合ビル〈テラススクエア〉の外観

舞台となったのはオフィスやレストラン、ショップなどが入居する、
神保町駅近くの複合ビル〈テラススクエア〉。
同ビルでは2017年から、屋上農園でブドウ栽培をスタート。
赤ワイン用のブドウ品種であるピノ・ノワールの苗木を30本植え、育ててきました。

ここで収穫したブドウと、
富山県氷見市産のブドウを合わせたワイン
〈URBAN VINEYARD KANDA-NISHIKICHO 2019〉が、
先日ついにお目見えしたのです。

北陸のワイナリー〈SAYS FARM〉が栽培から監修

このプロジェクトがスタートしたきっかけについて、
ワインプロジェクトを担当する住友商事の藤生康太さんは
次のように話します。

富山県氷見市のワイナリー〈SAYS FARM〉。

富山県氷見市のワイナリー〈SAYS FARM〉。

「神田小川町にあるワインビストロ〈関山米穀店〉で、
富山県氷見市の〈SAYS FARM〉の方と偶然出会ったことから、
神田錦町のビルの屋上でブドウを栽培し、
氷見でワインをつくるアイデアが生まれました。

ワインを通してまちの人々や入居企業との交流を深めていきたい……
そんな思いからスタートしたプロジェクトです」

こうして始まったプロジェクトですが、
東京の、しかもビルの屋上でブドウを栽培することもあり、多くの苦労があったといいます。

複合ビル「テラススクエア」の屋上にあるピノ・ノワール農園

「ピノ・ノワールは非常に繊細で、風土を映しだす品種です。
ビルの屋上での栽培は未知数で、本当に樹が育つのか? ブドウが実るのか? 
と、手探りの状態でのスタートでした。

また、ピノ・ノワールは果皮が薄いため、
傷みやすく病害に弱い特徴もあります。
ビル間に吹き抜ける強風、梅雨時期の雨、気温の高さなど、
乗り越えなくてはいいけない課題が多くありました」

課題と向き合い、真摯に取り組んだことで
スクスクと育ったピノ・ノワールは、氷見市産のブドウと掛け合わせられ、
〈SAYS FARM〉で醸造されました。

〈SAYS FARM〉は、自社栽培のブドウと自社醸造にこだわって
ワインを生産するワイナリー。
除草剤無使用、最低限の農薬のみで、人の暮らしと共生しながら栽培しています。

本プロジェクトでは、富山県氷見市から定期的に出向き、
栽培監修をしながらブドウを栽培してきました。
オフィスビルに囲まれた環境でのブドウ栽培は初めてのことだったといいます。

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ミナペルホネンの皆川明氏によるロゴにも注目を

赤ワイン用ブドウ品種、ピノ・ノワール

発酵前処理では、果粒を潰さないように手で除梗(じょこう)して
ステンレスタンクに移動しますが、
ブドウが潰れ過ぎないようにポンプは使用していないそう。
手間も時間もかけてつくられていきます。

「発酵前に15度以下の状態を5日間保ち、細胞発酵を進めていきます。
アルコール発酵がはじまれば、1日に1~2回攪拌し、
果皮成分の抽出を促すように発酵管理。
アルコール発酵は14日間で果帽が沈み始めたタイミングで圧搾します。

圧搾したワインは、228リットルの小樽に移し12か月管理し、
翌年春に滓引き(おりびき)、さらにステンレスタンクにて4か月の育成。
上品な果実香を大切にするために、
ろ過は行わずにそのままボトリングしています」(SAYS FARM)

ワインボトル裏面のロゴデザインはミナ・ペルホネンの皆川明氏が神田錦町をイメージしたもの

ワインボトルの裏面には、
〈URBAN VINEYARDプロジェクト〉と神田錦町をイメージしたロゴが描かれています。
ロゴデザインはミナ・ペルホネンの皆川明氏が手がけました。

〈URBAN VINEYARD KANDA-NISHIKICHO 2019〉は300本のみで非売品のため、
一般流通はしませんが、
今後、屋上農園の見学会イベントを通して、ワインが楽しめる場を予定しています。

東京の地で育ち、氷見で丁寧に醸造されたワインを味わえるときが、
もうすぐそこまできています。

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