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posted:2020.9.30 from:熊本県阿蘇郡南小国町 genre:ものづくり
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Mayo Hayashi
林 真世
はやし・まよ●福岡県出身。木工デザインや保育職、飲食関係などさまざまな職種を経験し、現在はフリーランスのライターとして活動中。東京から福岡へ帰郷し九州の魅力を発信したいとおもしろい人やモノを探しては、気づくとコーヒーブレイクばかりしている好奇心旺盛な1984年生まれ。実家で暮らす祖母との会話がなによりの栄養源。
熊本県阿蘇郡南小国町を拠点にする〈株式会社Foreque〉が
企画・運営するインテリア・ライフスタイルブランド〈FIL〉。
その家具ライン「MASSシリーズ」に、
今年新たに〈SUMI LIMITED〉が誕生しました。
SUMI LIMITEDは、阿蘇の風物詩 “野焼き”によって生まれる
「黒墨色」の景観にインスパイアされた炭化した杉材と、スチールフレームによる
異素材のコントラストをテーマにしたコレクションです。
FILが拠点を置く南小国でも、毎年野焼きが行われ
スタッフの方も参加されているのだそう。
阿蘇の野焼きは雄大な自然を維持するために
千年に渡って続く独自の文化であり、
その慣習から生まれた人々の深いつながりや
自然の営みと人々の生業が共にあることで、
命豊かな景観が維持されているといいます。
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SUMI LIMITEDはその名の通り、黒墨色が特徴。
古来より木材の耐久性を増すための手法として伝わってきた
焼杉(やきすぎ)の技術を家具に応用しているため、
無垢材の小国杉に施した焼杉加工の表面に表れる陰翳(いんえい)が
独特の風合いを実現しています。
また、ダイニングチェア・ラウンジチェアともに、
ファブリックは老舗テキスタイルメーカー〈Maharam〉社の生地を採用。
生地、フレーム、木材がバランスよくデザインされ、
焼杉加工された木部は更にオイルステインとウレタンクリア塗装で
表情を残し落ち着いた仕上がりとなっています。
ラインナップは、チェア2種に、ローテーブルと
スツール2種、そしてコートハンガー。
ダークトーンの落ち着いた色合いと美しい佇まいが空間に馴染み、
使うたびにさまざまな表情を見せてくれそうです。
野焼きの「黒墨色」の世界。
そこから始まる生命の芽吹きと、厳かな力強さ。
ときに過酷な環境をも引き起こす火山地域である阿蘇の、
自然と人とが共存共生し続け未来を築いている、そんな景色を
SUMI LIMITEDを通して感じられるのではないでしょうか。
FILの存在意義は、このブランドにつながる人々の
「在り方」を問うことにあるといいます。
ミニマム=少ないことを単に追い求めるのではなく、
消費主義・資本主義の現代において、本当の意味での豊かさを考えること。
「満ち溢れた人生とは何か」を社会へ思索することを問いかけ、
自然と共存する里山での暮らしの重要性を世界に広めていきたいーー。
そんな想いが、FILのインテリアやプロダクトに込められています。
SUMI LIMITEDは各25台の限定受注生産となり、
こちらにて、随時オーダーを受付中です。
ご紹介したFILの製品以外にも、
雑貨やハーブティーなど、そのほかのアイテムは
こちらからご覧いただけます。
秋へと季節が移ろう頃。
雄大な阿蘇の自然を背景につくられた家具と、
そこに生まれる空間をぜひじっくりと堪能してみてはいかがでしょうか。
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