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posted:2020.9.11 from:富山県 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
木工家・建築家の安川慶一。
日本民藝館常任理事、松本民芸家具の製作指導・相談役、
日本陶芸展審査員などを務め、民藝界に大きく貢献、
富山という地に、民藝運動の意識を根付かせた人物でもあります。
民藝運動の父、柳宗悦の集大成『美の法門』を書き上げた場所でもある、
富山県南砺市の城端別院善徳寺。
ここには空間そのものが民藝を体現する「研修道場」があり、
もともと詰所だった建物を安川氏が改修設計を担当。
シンプルで質朴な空間は、今も静謐な空気に満ちています。
現在、〈D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY〉では、
そんな氏をテーマにした企画展『安川慶一の仕事展』が開催。
多くの功績を残してきたにも関わらず、作家作品や記録資料などが乏しく、
今まであまり知られていなかった氏について、
この企画展では、三方向からクローズアップします。
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第1部『つくる』では、つくり手としての仕事ぶりに注目。
木工作品、製作指導を行った松本民芸家具、城端別院善徳寺内の研修道場など、
設計や改修を手がけた建築物を紹介しています。
また、木工家・建築家として高い審美眼を持っていた安川氏。
それは、民藝運動の父、柳宗悦をも高い信頼を寄せるほどでした。
第2部『みる』では、そんな氏の国内外の蒐集品の一部を展示。
第3部『つなぐ』は、国内外で民藝品の買い付け、作家への制作依頼、
販売会を独自で行っていた氏が集めた民藝品を特別に販売。
人間国宝である濱田庄司や島岡達三、小鹿田焼、苗代川焼など約70年前の貴重な品が並びます。
売り上げの一部は城端別院善徳寺 研修道場の改修費用に充てられます。
そのほか、会期中に3回の関連イベントも実施。
9月12日(土)には、ナガオカケンメイ氏も同行し、
城端別院善徳寺をはじめ、安川氏ゆかりの建築物をめぐるツアー+トークが開催されます。
生涯を民藝運動に捧げた安川氏が、富山という地で成し遂げたかったもの、
育んだ美意識とは、一体どのようなものだったのでしょうか。
それをぜひ、会場で見て、聞いて、確かめてみてください。
information
安川慶一の仕事展
開催期間:開催中~2020年10月25日(日) ※定休日は毎週月・火曜日
会場:D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY
住所:富山県富山市新総曲輪4-18 富山県民会館1F
営業時間:11:00~19:00
主催:D&DEPARTMENT TOYAMA、一般社団法人 富山県西部観光社 水と匠
キュレーション:有限会社エピファニーワークス
特別協力:城端別院善徳寺、となみ民藝協会、富山民藝協会、北陸銀行、富山市民芸館、安川家、中田佳男、尾久拓二、尾久彰三、みずはし工芸館
協力:STRIDE、ハマ企画株式会社、株式会社山田写真製版所
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