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posted:2019.4.24 from:福井県鯖江市 genre:ものづくり
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
2019年5月1日(水)〜4日(土)、
石川県・輪島と福井県・鯖江の木地師たちが
産地を越えて展覧会を開催します。
会場は、鯖江の丸物木地工房〈ろくろ舎〉。
出向くのは輪島にある老舗木地屋〈輪島キリモト〉。
どちらも漆器の代表的な産地で、新しいことに挑戦し続けているつくり手です。
今回展示をする作品は、「木地」。
漆塗りを施していない、白木の椀や盆などのことです。
今回は輪島キリモトの朴(ほお)木地をメインに、
同じく輪島キリモトの角物木地、
ろくろ舎の丸物木地、オリジナルアイテムなどを展示します。
その場で木地を購入したり、漆塗りをオーダーしたりすることもできるそう。
ろくろ舎を主宰する酒井義夫さんと輪島キリモトの桐本さんが
出会ったきっかけは、酒井さんが主宰する〈オンリー椀〉というイベントでした。
オンリー椀は、酒井さんが「減少の一途を辿る手づくりの漆器の
良さを伝えたい」という思いから始めた、
お客さんと木地師が直接会い、漆塗りのお椀をオーダーできる受注会です。
酒井さんは当時を振り返り、次のように語ります。
「あるとき8代目の桐本滉平さんがオンリー椀のことを聞きつけて、
わざわざ足を運んで下さったんです。
そのとき僕は不在にしていたんですけれど、
改めて鯖江で開催している〈RENEW〉という
体験型マーケットに来てくださり、
オンリー椀の取り組みを褒めて頂きました。
その後しばらく経って“ぜひ、ろくろ舎で
展示をさせてよ”と声をかけていただいたのですが、
最初は木地屋が他産地から木地屋を呼ぶという
かなり攻めた企画ですので、迷いました。
でも、産地や諸々のしがらみは越えていくべき時代だと
感じていましたし、だからこそやる意味があるのでは、と決断したんです」
「今回の展示は、漆器をよく知らない層はもちろん、
可能であれば産地の職人さんや問屋さんにも来ていただけたら、
うれしいなと思っています。
すぐに何かが変わるわけではないでしょうが
この先、振り返ったときに意味のある展示だったなと
思えるような数日にできればと考えています」
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2019年5月1日(水)は、鯖江に輪島キリモトの7代目桐本泰一さんと
8代目桐本滉平さんを招き、トークセッションを開催します。
「キリモトの木地は素晴らしいですし、
展示も多くの方に見ていただきたいですが、
トークでは、挑戦し続けてきたキリモトの姿勢や世代交代など、
どの産地にも当てはまる重要な課題について
お話頂こうと思っています」と、酒井さん。
真摯に語り合う時間となりそうですね!
トークの会場は〈一般社団法人PARK〉(鯖江市河和田町19-1-7)。
詳細はこちらから。
当日は懇親会も予定しているとのこと。
気になった方はぜひお出かけになってみてください。
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