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posted:2018.9.7 from:愛知県碧南市 genre:食・グルメ
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
2018年夏、三河みりんの発祥の地、愛知県碧南市に
日本最古の本みりん専業メーカー〈九重味淋〉が
カフェ&レストラン〈K庵〉と
物販店〈石川八郎治商店〉をオープンさせました。
カフェ&レストランでは、本社敷地内にある築200年を越える
創業家の邸宅を改装した店内で、
「本みりんの可能性を広げる料理」が楽しめるそう。
上の写真は「みりん粕クリームときなこのかき氷」。
かき氷にみりん粕を使ったエスプーマ風みりん粕クリームと
きなこ、自家製あんこをトッピングしています。
みりん粕クリームは、なめらかな舌触りと、
ほのかな甘さと香りが特徴なのだとか。
さらに、ふわふわの氷の中には、みりんを火にかけて
アルコールを飛ばすことでできる、
甘さと香りが引き立った「煮切りみりん」と呼ばれる
特製のシロップを幾層にもかけています。
これはおいしそう!
このほかK庵では、本みりん「九重櫻」を使い、
じっくりと煮込んだ「みりん角煮御膳」や、
地元碧南の製粉会社で製粉された小麦粉を使った
シェフ手づくりの生パスタ、
チーズケーキやプリン、みりんソフトなども楽しめます。
近年本みりんは、甘みを加える調味料として、
メープルシロップやアガベシロップなどに次いで、
注目を集めているのだそう。
みりんを使った料理やスイーツは、砂糖の甘さとは違った、
みりんの自然の甘さやまろやかさを感じられます。
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九重味淋は、1772年に創業した、現存する
日本最古の「本みりん」専業メーカー。
九重味淋の大蔵は国の登録有形文化財とされています。
同社では、和食の伝統と文化を守り、新たな魅力を発信していこうと、
みりんを使った食品やスイーツ、お酒などの開発に力を入れてきました。
そんな同社がカフェ&レストランをオープンさせた背景には、
港町として栄えた三河みりん発祥の地、碧南大浜に
再び活気とにぎわいを取り戻したいという思いがありました。
碧南市大浜地区は、南北朝・室町時代から
江戸時代にかけて港町として繁栄したまち。
ところがいまでは、明治以降の産業構造の変化にともない、
人口減少や高齢化といった課題を抱えています。
その一方で、まちには寺院やみりん、味噌、醤油を醸造する蔵など、
歴史的建造物が点在しています。
そこで九重味淋では、碧南市に以前のような活気を取り戻し、
日本の伝統産業であるみりんを次世代へ伝え続けていこうと、
みりんの魅力を体験できるレストランと物販店を
オープンすることにしたのだそう。
K庵の料理メニューにも愛知県産の農産物を積極的に使い、
地域活性化への寄与を目指しています。
物販店「石川八郎治商店」の名前は
19世紀から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパやアメリカに
みりんの輸出や万国博覧会への出品など
積極的な活動を行っていた当時の社名からとったのだとか。
ぜひ一度いってみたいですね!
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