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『没後40年 濱田庄司展
大阪市立東洋陶磁美術館
堀尾幹雄コレクションを中心に』
濱田庄司の企画展を開催

コロカルニュース
vol.2417

posted:2018.5.24  from:東京都世田谷区  genre:ものづくり / アート・デザイン・建築

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

2018年6月30日(土)〜8月26日(日)、東京の世田谷美術館にて、
『没後40年 濱田庄司展 大阪市立東洋陶磁美術館
堀尾幹雄コレクションを中心に』が開催されます。

「仕事が生活で、生活が仕事です」とは、生活のなかに美を見出し
数々の名作を手がけてきた陶芸家・濱田庄司さん(1894〜1978)の言葉。
そこには、どんな思いがあったのでしょうか?

濱田さんは東京高等工業学校の窯芸科を卒業し、
京都で陶芸の先端技術を学んだ後、
1920年にイギリス人の陶芸家、バーナード・リーチさんに誘われて
イギリスへ渡り、彼とともに西南端のセント・アイヴスで作陶を始めます。

濱田庄司『塩釉櫛目色差 茶碗』1961年頃 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

濱田庄司『塩釉櫛目色差 茶碗』1961年頃 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

濱田さんはその滞在中にロンドン南方の芸術家村「ディッチリング」を訪れ、
染織家のエセル・メーレさんと詩人で彫刻家のエリック・ギルさんが
都会から離れた地で、生活と結びついた創作を行っていることに
大きな影響を受けたといいます。

「仕事が生活で、生活が仕事です」という言葉は、
1924年に帰国した濱田さんが『大日本窯業協会雑誌』に寄せたものでした。

「彼等は美しい田舎の村に住んで居ますけど、
又楽しんで仕事していますけど、
卑法に資本と機械とから逃げているのでもなく、
徒に田舎へ還るのでもありません、勿論ジレッタント(※1)ではありません、
ペザントアート(※2)が一度死ぬべき事も承知しています。
そこに生み出す新しい道を知っています。
仕事が生活で、生活が仕事です、アーチストではないと表明しています。
此の訪問のお蔭で、趣味と仕事と生活の長い間の板挟みから救われた気がします」
(「英國より」『大日本窯業協会雑誌』365号、大日本窯業協会、1923年)

益子で作陶する濱田庄司さん。写真提供:(公財)濱田庄司記念益子参考館

益子で作陶する濱田庄司さん。写真提供:(公財)濱田庄司記念益子参考館

いまから100年近く前に書かれたとは信じられないほど、心に響く言葉です。
イギリスから戻った濱田さんは沖縄の陶工さんから仕事を学ぶ一方で、
拠点を栃木県益子に移し、陶芸の世界に新たな境地を切りひらきました。

※1 ジレッタント:学問や芸能などを趣味として愛好する人。

※2 ペザントアート:農民芸術。ヨーロッパの農民が自分たちのためにつくった木製の家具や小物。ペザントとは農民や農夫を意味する言葉。

『ダイニングテーブル、イス』(デザイン:濱田庄司)1940年頃(公財)濱田庄司記念益子参考館蔵 撮影:秋山晋一

『ダイニングテーブル、イス』(デザイン:濱田庄司)1940年頃(公財)濱田庄司記念益子参考館蔵 撮影:秋山晋一

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実験ノートや家具も公開! 濱田さんのインスピレーションにふれる

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濱田庄司『白釉黒流描 大鉢』制作年不詳 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

濱田庄司『白釉黒流描 大鉢』制作年不詳 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

本展では、三つの章立てで濱田さんの世界を紹介します。
第1章では、京都市陶磁器試験場時代からイギリス時代にフォーカスし、
当時の実験ノートや世界各地の民芸品のスケッチ、
創作の糧となった蒐集品などを展示します。

『山水土瓶』(益子) 江戸時代後期(公財)濱田庄司記念益子参考館蔵 撮影:秋山晋一

『益子焼 山水土瓶』(益子) 江戸時代後期(公財)濱田庄司記念益子参考館蔵 撮影:秋山晋一

 『スリップウェア 皿』(イギリス)17世紀(公財)濱田庄司記念益子参考館蔵 撮影:秋山晋一

『スリップウェア 皿』(イギリス)17世紀(公財)濱田庄司記念益子参考館蔵 撮影:秋山晋一

第2章では、本格的に作陶を始めた益子での日々を紹介。

濱田庄司『青釉白黒流描 大鉢』1951 年頃 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

濱田庄司『青釉白黒流描 大鉢』1951 年頃 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

 濱田庄司『掛分指描 土瓶』1949年 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

濱田庄司『掛分指描 土瓶』1949年 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

濱田さんが得意とした、柄杓などを使って釉を大胆に掛ける「流描・流掛」や、
白釉と黒釉を掛け分け、黒釉の部分を指で拭い取って文様を描き出す「掛分指描」などのほか、
イギリスから持ち込んだウィンザー・チェアや、
濱田さんがデザインしたダイニングテーブルも並びます。

第3章では、柳宗悦さんも高く評価した茶碗を紹介。
早い時期のものから、晩年に始めた楽焼の茶碗まで幅広い茶碗が並びます。

濱田庄司『象嵌 茶碗』1944年秋 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

濱田庄司『象嵌 茶碗』1944年秋 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 堀尾幹雄コレクション

濱田窯の三代目当主・濱田友緒さんがこども美術大学の特別講師に!

7月1日(日)、31日(火)、8月5日(日) は
こども美術大学〈ツチ・ノ・チカラ〉を開催。
1、2日目は陶芸家の荒井将光さんと一緒にうつわをつくり、
3日目は益子へ濱田窯を見学にいきます。
濱田窯では、濱田さんの孫であり、濱田窯の三代目当主・濱田友緒さんが特別講師を務めるそう。
なお、制作した器は8月末まで世田谷美術館に展示されるとのこと。
どんな作品ができるのか楽しみですね。
お申し込みは、公式サイトの申込フォームにて5月25日(金)から
受付開始です。詳細はこちらから。
(全3日間、対象年齢は小学4年生〜中学生まで)

また、7月7日(土)14:00 〜15:30は、
日本民藝館学芸部長である杉山享司さんによる
講演会「濱田庄司の茶碗-民芸と茶をめぐって」を開催。
こちらは、当日12時からエントランスホールにて整理券を配布します。 ※入場無料

世田谷美術館は砧公園のなかにあり、お散歩するのも気持ちいい場所です。
ぜひお出かけになってみてください。

世田谷美術館

世田谷美術館

information

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HAMADA SHOJI : Works from the Museum of Oriental Ceramics, Osaka’ s Horio Mikio Collection 
没後40年 濱田庄司展 大阪市立東洋陶磁美術館 堀尾幹雄コレクションを中心に

開催日:2018年6月30日(土)〜8月 26日(日)

時間:10:00〜18:00 ※入場は 17:30 まで

会場:世田谷美術館 1 階展示室

住所:東京都世田谷区砧公園1-2

アクセス:徒歩:東急田園都市線「用賀」駅下車、北口から徒歩17分/バス:東急田園都市線「用賀」駅から美術館行バス「美術館」下車徒歩3分、小田急線「成城学園前」駅下車、南口から渋谷駅行バス「砧町」下車徒歩10分、小田急線「千歳船橋」駅下車、田園調布駅行バス「美術館入口」下車徒歩5分

休館日:毎週月曜日 ※ただし7月16日(月・祝)は開館。翌17日(火)は休館。

TEL:03-3415-6011(代表)03-5777-8600(ハローダイヤル)

観覧料:一般 1000(800)円、65 歳以上・大高生 800(600)円、中小生 500(300)円

※( )内は20名以上の団体料金。

※障害者の方は500円(介助の方 1 名まで無料)。大高中小生の障害者の方は無料

※リピーター割引:会期中に本展有料チケットの半券をご提示いただくと2回目以降は団体料金でご覧いただけます。

主催:世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)、読売新聞社、美術館連絡協議会

Web:濱田庄司展

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