colocal コロカル マガジンハウス Local Network Magazine

連載の一覧 記事の検索・都道府県ごとの一覧
記事のカテゴリー

news

高知の無農薬ぶどう農家
〈ミシマファーム〉がワイナリーを
設立! もっと夢のある農業を。

コロカルニュース

posted:2018.5.15   from:高知県土佐郡  genre:食・グルメ

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

「たとえ一粒もぶどうが実らなくても農薬を使うのはやめよう」
そんな信念をもって無農薬ぶどうの栽培に取り組んできた
〈ミシマファーム〉さんが、ワインの醸造を始めます。

そして「私たちのこだわりを理解していただける方々とともにこのワインを育て、楽しんでいきたい」と
クラウドファンディング〈CAMPFIRE〉にて会員を募集するそう。
リターン(返礼品)にはファーストヴィンテージやぶどう、
ワークショップの無料参加権が提供されます。

ミシマファーム代表の山中こずえさん。

ミシマファーム代表の山中こずえさん。

発起人はミシマファーム代表の山中こずえさん。
山中さんは2011年にお父さんから農園を受け継いで以来、
ご夫婦で農園を営まれています。

環境と人に優しいぶどうづくり

ミシマファームでのぶどう栽培の様子

ミシマファーム

ミシマファームは山中さんのお父さんが静岡の葡萄研究所から苗を持ち帰り、
土佐町三島地区の裏山に根を張らせたところから始まったのだそう。

子どもの頃からご両親がぶどうの農薬を散布する姿を見てきたという山中さんですが、
ご自身が農薬を使うことには抵抗があったといいます。
その思いの背景には、消費者やつくり手、後継者、近隣住民などといった農業に関わるすべての人に優しい農業を目指したいという思いがありました。

そこで約束したのが「たとえ一粒もぶどうが実らなくても
化学農薬を使うのはやめよう」ということ。
幸いミシマファームでは12年前頃から農薬を使用していなかったため、
農場には良性の土着微生物が定着していました。

ミシマファームの土壌。農場には良性の土着微生物が定着していました

ミシマファームの土壌

そして2011年より、それらの微生物を含むバイオサイクルを
利用したぶどう栽培をスタート。
高知県嶺北地域の昼夜の寒暖差も手伝い、
糖度18〜23度(Brix値)という甘くておいしいぶどうがつくれるようになりました。

無農薬栽培のぶどう

無農薬栽培のぶどう

次のページ
ついにワイナリーを設立!ただ苦しいだけではない、夢のある農業を

Page 2

高知県土佐町産のワインを造ってみたい!

2018年5月9日、ミシマファームではクラウドファンディングで会員募集をスタート

2018年5月9日、クラウドファンディングで会員募集をスタート

三島さんご夫妻は、2017年に高知初となるワイナリーを設立しました。
一体なぜワイナリーだったのでしょうか?

そこには、農業の未来を憂う気持ちがありました。
このまま無農薬栽培を続けているだけでは、農業の魅力は広がらない。
もっと魅力ある農業を考え、自分たちが変えていかない限り、
次の世代にもただ苦しいだけで、夢のない農業を押しつけることに
なってしまう——山中さんの心にはそんな思いがあったのです。

そこで6次産業をやってみたらどうかと考え、ワインについて調べていたときのこと。
ふと「テロワール」という言葉に目がとまりました。
「テロノワール(Terroir)」とはフランス語の「土地(terre)」から派生した言葉。
栽培地の地域特性などと訳されますが、日本語にはぴったりくる訳語がないのだとか。
ゆえにこの言葉と出会ったつくり手は、それぞれに解釈しているようです。

「興味をそそられていろいろな文献を読み漁った結果、
テロワールの言葉の意味がおぼろげながらに理解できました。
“ワインの味は、その土地特有の環境(土質・天候・標高・日照など
さまざまな要素)で決定づけられる”といったところでしょうか。
うちのぶどうを使ってワインを造ったらどんな味になるんだろう……。
そんな思いが膨らんできました。そしてさらに文献を調べていくうちに、
ワイン業界においても世界的にぶどう栽培でボルドー液(硫酸銅溶液)という
農薬だけはほとんどの農家さんが使っていることを知りました。
そこで、私たちが今取り組んでいるバイオサイクルを利用した栽培方法で、
ボルドー液を使わずにワインぶどうの栽培に挑戦してみたい!
そして水と空気の清らかな私たちの故郷、
高知県土佐町産のワインを造ってみたい!と強く思うようになりました」
(山中こずえさん)

それから山中さんは、土佐町長や土佐町役場、土佐地区商工会、
高知県庁など多方面に働きかけ、「ワイン特区」の認定を取得。
さらに2017年6月には果実酒製造免許を取得し、
2018年秋からワインを醸造していくことになりました。

※ワイン醸造に関しては酸化防止剤、粉末酵母を添加します。補糖・補酸は行いません。「自然派ワイン」と混同されないようご注意ください。

ファーストヴィンテージを楽しもう!

ファーストヴィンテージは白ワイン。12月頃お届け予定です。

ファーストヴィンテージは白ワイン。12月頃お届け予定です。

このたび募集する会員は、限定300名。
年会費は1万円で、ぶどう(約500グラム相当)と
ファーストヴィンテージワインを1本、
ワークショップ無料参加権(ご希望の方のみ)が提供されます。

まだ始まったばかりの小さなワイナリーなので、
醸造できる量は限られています。
プロジェクトを応援したい方は、ぜひチェックを。プロジェクトページはこちら

information

map

クラウドファンディングプロジェクト 
〈無農薬ぶどう農家が始めるワイナリーで、ファーストビンテージを造ります!〉

募集期限:2018年6月19日 23:59

所在地:高知県土佐郡土佐田井446-2

アクセス:「道の駅 土佐さめうら」隣

TEL:0887-82-2391

主宰:ミシマファーム

Web:プロジェクトページ(CAMPFIRE) Facebook

Feature  特集記事&おすすめ記事

Tags  この記事のタグ