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posted:2018.5.7 from:新潟県佐渡市 genre:旅行
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
2018年4月、新潟県・佐渡島に〈梅の木のある小さな宿 市十郎〉がオープンしました。
こちらは、空き家を改修した宿泊施設の運営やまちづくりデザインを行っている
〈奄美イノベーション〉が運営する〈伝泊(でんぱく)〉と呼ばれる宿泊施設。
佐渡の伝統構法で建てられた民家を改修した施設を丸ごと1棟貸り、
暮らすように泊まれるんです。
佐渡金山や国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている
民家集落「宿根木(しゅくねぎ)」など、数々の文化遺産や雄大な自然を有する佐渡島。
梅の木のある小さな宿 市十郎は、そんな佐渡島の
昔ながらのまち並みが保存されている集落、松ヶ崎地区にあります。
そこは「屋号の里」として知られ、いまでも
それぞれの家がもつ昔ながらの屋号で呼び合っているのだそう。
家ごとに屋号の看板をつくったり、漁具や古民具などを各玄関口に飾ったりと、
地域の皆さんが一体となり、さまざまな取り組みが行われています。
こちらが宿のなか。
玄関を入ると、天井の高い御前(オマエ)と呼ばれる空間が広がっています。
天井や壁は黒い煤でおおわれており、かつて囲炉裏が使われていたことがうかがえます。
修繕は趣のある部分を生かし必要最低限にとどめられていますが、
水まわりはしっかり改修されています。
さらに佐渡の伝泊では、集落に暮らす女性コンシェルジュが
お客さんを迎え、地域の伝統文化や習慣などを教えてくれるというおもてなしも。
地域に根ざしたコンシュルジュを通して、
暮らすように時間を過ごせることも、伝泊の魅力なのだそうです。
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奄美イノベーションの代表・山下保博さんは建築家でもあり、
東京・渋谷で建築設計事務所アトリエ〈天工人〉を主宰されています。
2016年より、空き家増加や地域コミュニティの衰退といった問題に取り組むべく、伝泊の設計と運営を始めました。
伝泊は空き家を再生させ、「伝統的・伝説的な建築と集落と文化を次の時代につなげるための宿泊施設」なのだとか。
地域の人との出会いの場を提供することにも、積極的に取り組まれています。
現在は、鹿児島県・奄美群島にある映画『男はつらいよ』に登場した「リリーの家」、
伝統的な茅葺の高倉が残る「高倉のある宿」、新潟県・佐渡島の宿、合わせて8軒を運営。
2018年中には、奄美群島と佐渡島を中心に10棟以上の宿泊施設が加わる予定だといいます。
ぜひ一度泊まってみたいですね!
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