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posted:2018.1.20 from:新潟県新潟市 genre:食・グルメ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Sakurako Ueda
うえださくらこ
●岐阜県出身。1994年生まれ。大学時代行った手紙の研究をきっかけに、誰かの物語を紡ぐことに魅力を感じ、フリーライターを目指す。
「シェフの役目は、生産者と食べる人を、“おいしさ”でつなぐことだと思います。」
そう語るのは、新潟県で〈SUZU GROUP〉のオーナーシェフを務める鈴木将シェフ。
今回は、鈴木シェフの新たな挑戦について発信します。
関東と関西で料理修業後、故郷の新潟に戻り、居酒屋とレストラン5店鋪を営んで10年。
そのなかで鈴木シェフは、「その地域ならではの食材と食文化が失われつつある」
ということに課題を感じていました。
新潟には、「のっぺい」や「煮菜」といった郷土食があります。
「長岡なす」や「なますかぼちゃ」などの地域食材は、
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
これまで鈴木シェフは、新潟の伝統野菜を使用して、
郷土色にアレンジを加えた料理を開発してきました。
また、新潟の食文化を継承すべく、豪雪地帯ならではの「雪食文化」を
取り入れたディナーコースの提供も行うなど、
新潟の食をより多くの人に届ける活動をしています。
「地域の方に伝統食材の魅力を再発見してほしい。」
「お客さま一人一人においしい伝統食材や郷土料理を継承する一員になってほしい。」
そんな思いで活動してきましたが、まだまだ人々のくらしに馴染んでいないというのが現状です。
そんななか、野菜留学と題して訪れたイタリアとスペインで、
鈴木シェフはある光景に出会います。
観光客も、地域の人達も、当たり前のようにその地域の食材を選んで、
老若男女がその地の食を楽しんでいるのでした。
イタリアは現在では、スローフードの発祥の地として注目されており、
またスペインはかつての工業都市から「美食の町」として注目をあつめています。
市民が食を愛し、そして楽しむ場があってこそ、
その地の食が活きてくるのだと気づいた鈴木シェフ。
暮らしに溶けこんだ、地域価値の継承を、新潟でもきっと実現できると考えました。
現状として、「地域の価値のある物は値段が高い」というものがあります。
地域の価値のあるものには付加価値をつけようと、値段を上げるという手段に出てしまうのです。
でもそれでは、多くの人に地域の食を届ける事はできません。
鈴木シェフは、もっと当たり前に、暮らしている
その地域の食材を食べるという環境が必要だと考えました。
そんな当たり前をつくることこそが、地域を育て、
暮らしていく人々が食文化を守り受け継いでいくことにつながるのではないかと。
そんな場所ときっかけを、鈴木シェフはつくろうとしています。
まず、鈴木シェフが目を向けたのはファストフード。
いまやどこでも誰でも気軽に口にすることのできる食べ物です。
鈴木シェフは、そんな日常生活で当たり前に消費をするファストフードに、
地域野菜や郷土料理を取り入れていくということを思いつきました。
新潟の地域食材である、長岡ナスや、神楽南蛮、車麩といった
新潟料理をファストフードという形で提供します。
写真は、車麩をカツにしたサンドです。もちろんお持ち帰りもOK。
外で新潟の地域食材を味わうなんて、新しい発想でワクワクしますね。
そして新潟といえばお米、もちろん美味しいお米も食べられますし、
米粉を使った食品も開発中だそうで、それは開店後のお楽しみ……。
ちょっと変わったファストフード店〈SUZUVEL〉。
郷土料理や地域食材を、気軽に美味しく楽しむチャンスです。
これをきっかけに、より多くの人が新潟の食材に興味を持ち、
受け継いでいってくれるかもしれません!
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「お店で食べて、終わり」というだけではないのが、鈴木シェフの挑戦のポイント。
消費するだけでなくて、そこから地域食材や郷土料理と親しみ、受け継いでいってほしい、
というのが、生産者さんたちの願いです。
そこで、鈴木シェフは「地域を感じるレシピ本」を生み出します!
もともと、料理教室などをこれまでに100回以上開催し、
多くの人に郷土食を発信してきた鈴木シェフ。
この度、ここでつくった料理のレシピを大公開します!
・のっぺいグラタン
・里芋のチョコレートトリュフ
・郷土料理「煮菜」のクラムチャウダー
などなど、20種類以上を掲載予定。多くの家庭で再現し、
楽しんでもらえる新潟の郷土料理のアレンジレシピを紹介します。
また、その食材や産地についてもお届けします。
この他、新潟の食に親しむツアーなども企画中。
新潟といえば、「長岡花火」なども有名ですね。
新潟の食の魅力にも触れ、夏の風物詩も楽しめるツアーなんて素敵。
シェフの役目は、生産者と食べる人を、“おいしさ”でつなぐこと。
消費者と、その食材の生産者は直接顔を合わせる事はほとんどありません。
食材たちは、シェフによっておいしく調理されて消費者のもとへ届き、
その「おいしい!」の声は、食材への興味や関心、
「もっと食べたい。」という行動に姿を変え、シェフから生産者へ届いていくのです。
鈴木シェフの取り組みは、新潟だけにとどまった挑戦ではありません。
「もっと多くの地域野菜を、食を愛して楽しんでもらいたい。」と思っている、
地域食材の生産者や料理人の背中を押し、この活動が日本中に広まって、
「日本の人が、日本の食を愛する。」ということにつながるのです。
地元の人もまだまだ知らない土地の魅力を伝えたい。
シェフとして生産者さんの、産地で体験したおいしい感動をもっと多くの人に伝えたい。
地域の食材を使ったその地の家庭の味を広げたい。そんな思いが詰まっています。
鈴木シェフは、LOCAL FAST FOOD〈SUZUVEL〉のオープンと、
地域を感じるレシピ本の作成を応援してくれる人を募集しています。
CAMPFIREでは、目標金額の1000,000円に無事到達することができましたが、
よりクオリティの高いレシピ本と、お客さんに喜んでもらえるお店づくりのため、
目標金額を引き上げています!
応援は1月いっぱいまで。お礼の品も、新潟ならではの食材ばかり。
ぜひチェックしてみてください。CAMPFIRE応援ページはこちら!
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