祖先を敬い未来を想う、チムグクル。

滞在中、ハワイから帰って来た金城初子さんに
話を聞くために、玉城を訪ねた。
初子さんはハワイで、自分が渡米した経緯や経験、
人生について書き記しているのだと教えてくれた。
100年後、自分の子孫がルーツを知りたくなった時のために。
複雑な今も続く歴史のためだろうか。
それだけではない。沖縄という土地に生まれ、
あるいは関わって生きてきた人々は、
その物語をとても大切に守ろうとしているように感じた。
そうでなくては、なぜ5000人もの人々が、
ふるさとを訪ねて集まるだろうか。
あるいは、祖先の霊を送迎するための踊りであるエイサーを
これほど盛大に舞うであろうか。
日本の中で、今も特別な場所であり続ける沖縄。
肝心と書いて、"チムグクル"。
ウチナーンチュたちの、大切な心のこと。
チムグクルは、那覇がどんなに都会になろうとも、
住む場所が変わろうとも、代々受け継がれていくものだ。
100年後のハワイでも、きっと受け継がれているに違いない。