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北海道虻田郡ニセコ町

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1 About “15 baa” 月に2回は、みんなで勉強会。

みんなで集まり、母の味を再現するため、
研究中です。

ゃがいもの収穫が佳境をむかえた、ある秋の一日。ニセコのお母さんたちが集まり
ゆでたじゃがいもをつぶして、いもだんごを作っていた。
「今日のいもは、新じゃがだから粘りが少ないね。
だんご汁にしたらとけちゃいそう。でもうまくやるよ。
焼いてから汁に入れれば大丈夫なんだ」
1ヶ月に2度ほど、地元の食材を使って
こうしてわいわい料理をする。
彼女たちのグループ名は「じゅうごばぁ」。
ニセコの農産物に付加価値をつけたい、あるいは、
おばあちゃんの代から伝わるレシピを継承したい──
そんな思いから、定期的に地元の食材を持ち寄り、
勉強会という名のお料理会を開く。
「お母さんやおばあちゃんの
作っていた味を出したいのに、
どうしても出ないから研究したの。電話で聞いても、
“大丈夫だから適当にやりなさい”
って言われちゃう(笑)」
そう話すのは、初代代表の久保貞子さん。
「小さいころはお母さんが、
いもの塩煮を作ってくれていたの。
学校から帰ってきて食べるんだけど、
ちょっと余るのね。
それをお母さんがつぶしてだんごにしてくれてた。
親と暮らしてるときは作ってもらえるけど、
離れちゃうとそうもいかない。
でも自分で作っても、なかなか同じ味が出ないのよ」
それを受けて、メンバーの松田裕子さんは
「研究してようやく『母の味』が出せるようになったの」
と、笑顔を見せる。
現代表の菊地昌子さん曰く「手で覚えるよりほかないよ」
だんごひとつとっても、じゃがいもの状態、
こね具合、冷め具合、
でんぷんを加える頃合いなどによって
まったくできあがりが違うからだ。
「だからね、今日のいもは良いよ〜とか、
今日のだんごは変だとか、あるのよね」(菊地さん)
中学校の先生をしていた菊地さんは、
今やじゅうごばぁの司令塔だ。
「あなたはこれをやって」「あなたはあっち」。
新しく増えたメンバーも、
持ち場をしっかり把握して自分の役割を果たす。
「おかげさまで、一丸となって活動できています」
と松田さん。
みんなで一緒に作るからこそ、楽しい。
湯気のむこうに見える笑顔、そして
包丁の音とセッションするようなおしゃべりの間には
そんな空気がただよっていた。