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連載

黄門様と薬草の関係って?
親子で触れる、初めての薬草
水戸 養命酒薬用ハーブ園 vol.1

Local Action
vol.094|Page 1

posted:2016.10.5  from:茨城県水戸市  genre:活性化と創生

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〈 この連載・企画は… 〉  ひとつのまちの、ささやかな動きかもしれないけれど、創造性や楽しさに富んだ、
注目したい試みがあります。コロカルが見つけた、新しいローカルアクションのかたち。

writer profile

Chizuru Asahina

朝比奈千鶴

あさひな・ちづる●トラベルライター/編集者。富山県出身。エココミュニティや宗教施設、過疎地域などで国籍・文化を超えて人びとが集まって暮らすことに興味を持ち、人の住む標高で営まれる暮らしや心の在り方などに着目した旅行記事を書くことが多い。現在は、エコツーリズムや里山などの取材を中心に国内外のフィールドで活動中。

photographer profile

Yayoi Arimoto

在本彌生

ありもと・やよい●フォトグラファー。東京生まれ。知らない土地で、その土地特有の文化に触れるのがとても好きです。衣食住、工芸には特に興味津々で、撮影の度に刺激を受けています。近著は写真集『わたしの獣たち』(2015年、青幻舎)。

http://yayoiarimoto.jp

credit

supported by 養命酒製造株式会社

茨城県水戸市と薬用養命酒でおなじみの養命酒製造株式会社が
薬草を活用するプロジェクトをこの夏から開始しました。
まずは、植物公園敷地内に〈水戸 養命酒薬用ハーブ園〉を2017年4月にオープンします。
水戸藩に古くから残る薬草・生薬文化と、
400年以上も前に創製された薬酒を継ぐ養命酒製造株式会社によって
新たな薬草文化の価値を今に伝えていく、官民協働の新しい取り組みのかたち。
コロカルでは、プロジェクトの重要な部分を担う
市民向けのワークショップやイベントをレポートしていきます。

薬草ってなに? 体験して実感してみよう

夏から秋に変わる9月中旬の休日。
水戸市植物公園を訪れると、たくさんの子どもたちが
マイク越しに話す女性の話を熱心に聞いていました。
今日は、「水戸 養命酒薬用ハーブ園プロジェクト」の第1回ワークショップ
「薬草を愉しむオリジナル水府提灯を作ろう!」の開催日。
植物公園の中の薬草園で、気に入った植物を採取することができる特別な日です。

園長の西川綾子さんの指導のもと、子どもたちは薬草・ハーブを好きなように採取し、
その後の水府提灯(すいふちょうちん)づくりに使います。
「みんな、南天って知ってる?
“難”を“転”じるから“南天”っていうの。
お赤飯を腐らせないように南天の葉を敷いたそうだよ」
西川園長のガイドで薬草の名前のいわれや
日頃どうやって使ったらいいかを教わりながら
子どもたちは薬草に触れていきます。
薬草といっても、普段なんとなく目にしているようなものもあり、みんな、興味津々。

ふだん通い慣れた植物公園の薬草園に、何かしらエピソードがあることを知って真剣に話を聞く子どもたち。ちなみに、西川園長はNHK『趣味の園芸』の講師をしており、テレビでもおなじみ。親しみやすい語り口で親子を魅了します。

現在、水戸市植物公園の中にある薬草園には
水戸藩ゆかりの薬草が植栽されています。
水戸徳川家第2代藩主である水戸黄門、水戸光圀公は
当時、病気になっても貧しくて医者にかかれないような人たちに
入手しやすい薬を、と身近な植物での処方について
藩医の鈴木宗与に編纂させました。
それが、日本最古の家庭療法の本ともいわれる『救民妙薬』です。
その『救民妙薬(きゅうみんみょうやく)』に出てくる薬草が
この薬草園の主役なのです。

2代藩主光圀公、9代藩主斉昭(なりあき)公が医学に関心を寄せ、自らも学んだこと
が水戸藩の医学の基礎につながりました。そんな経緯もあり、薬草園の入り口には、斉昭公のつくった藩校(今でいう総合大学)、弘道館の瓦がこのように敷き詰められています。弘道館は水戸の日本遺産にも指定されています。

藍染でおなじみのアイは、“河豚に酔いたるによし(フグ毒にあたったときの処方によい)”と『救民妙薬』に記された薬草のひとつ。解毒や解熱、虫刺されなどに効能があるとされています。

西川園長に後ろについて薬草園からハーブ園へと移動すると
ミントやローズマリー、オレガノ、タイムなど、
なじみのある食用ハーブが、こんもりと茂っていました。
どのハーブも色が濃く、葉先までピンと張って元気いっぱい。
西川園長は、その1枚を触らせました。
「持って帰りたいくらいフワフワ〜」と
子どもたちが頬につけてうっとりするのは
葉の周りを白い毛に包まれたラムズイヤー。
「薬草って見かけが地味でしょう?
でも、こうやって触ったり、香りを嗅いだりすると興味を持ってくれるのよね」
西川園長は子どもたちを植物に親しむ入り口へとガイドします。

自分で好きなだけ採ってみよう! と促され、きれいなかたちの葉を探す子どもたち。こうやって、自然観察をする力をつけていきます。

バジルなどの葉をちぎって香りをかいで香りを嗅いでみます。「スパゲッティバジリコのにおいだ!」

参加したお母さんに「植物公園には、よく来ていますか?」と声をかけると、
ふだんから子どもと一緒に遊びに来ているけど、
大きな植物や温室の中の熱帯植物に目がいって
薬草園には足を運んだことはなかったといいます。
だから、植物公園で実際に植物に触れるのは初めて、という人もいました。

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