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連載

生産者が主体の食のイベント
〈せたな海フィール 2015〉

Local Action
vol.064|Page 1

posted:2015.11.1  from:北海道久遠郡せたな町  genre:食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  ひとつのまちの、ささやかな動きかもしれないけれど、創造性や楽しさに富んだ、
注目したい試みがあります。コロカルが見つけた、新しいローカルアクションのかたち。

writer profile

Michiko Kurushima

來嶋路子

くるしま・みちこ●東京都出身。1994年に美術出版社で働き始め、2001年『みづゑ』の新装刊立ち上げに携わり、編集長となる。2008年『美術手帖』副編集長。2011年に暮らしの拠点を北海道に移す。以後、書籍の編集長として美術出版社に籍をおきつつ在宅勤務というかたちで仕事を続ける。2015年にフリーランスとなり、アートやデザインの本づくりを行う〈ミチクル編集工房〉をつくる。現在、東京と北海道を行き来しながら編集の仕事をしつつ、エコビレッジをつくるという目標に向かって奔走中。ときどき畑仕事も。
http://michikuru.com/

credit

取材協力:すずきもも(スローフード・フレンズ北海道)、アリス・カニングハム(秀明インターナショナル)

おいしい食材がつくる、幸せのかたちとは?

「私たちがすばらしい食材をつくれば、私たち自身も幸せになれる。
せたな町で、ハッピーな農家と酪農家のみなさんに会い、
おいしい料理をつくるシェフと、それを享受する人々がいることを知って、
私もとてもハッピーな気持ちになりました」
インドの環境活動家であり、哲学者でもあるヴァンダナ・シヴァさんは
そう語り笑顔を見せた。

この夏、北海道の南西部にあるせたな町で行われた
〈海フィール2015〉に集まったゲストは、
まさに夢の共演というべき豪華な顔ぶれだった。
インドからはるばるやってきたシヴァさん、
山形のレストラン〈アル・ケッチァーノ〉のオーナシェフ奥田政行さん、
スローフードという言葉を日本に広めた
ノンフィクション作家の島村菜津さんらがトークを行い、
野外コンサートでは八神純子さんをはじめとするミュージシャンたちが参加した。
このほか有機農業に関するドキュメンタリー映画の上映や、
こだわりの生産者をめぐるツアー、マルシェや屋台なども並び、
イベントは3日間にわたり開催された。
さらに、奥田シェフをはじめとする料理人たちが、
朝昼晩とせたなの食材を使った料理に腕をふるった。

メイン会場は瀬棚ふれあいセンター。コンサートやマルシェも開催された。

日本海に面し、南北を山々に囲まれたせたなは、眺めのいい場所が多い。車を走らせ丘の上に登ると大パノラマが!

朝昼晩とシェフたちが腕をふるった。写真は、朝食で、奥田シェフがプロデュースする〈地パンgood〉のパンや、新鮮なせたなの野菜がバイキング形式で並んだ。

せたな町は、人口約8000人という小規模なまちではあるが、
町の調査によると、食料自給率はなんと940パーセント。
森と里と海の生態系がコンパクトにまとまった食材の豊富な場所で、
ここでほぼ毎年開催される海フィールは、
漁師、農家、酪農家など生産者が中心となり企画されている。
スタートから8回目の開催となる今年は、
2005年に3町が合併してできたせたな町の10周年にあたることから、
記念事業としても注目されることとなった。

なかでもここでご紹介したいのは、2日目に行われた講演会の模様だ。
「せたなの豊かな自然から未来と大地をつなぐ“種”」と題し、
最初に登壇したのは奥田シェフと島村さん、続いてシヴァさんによるトークが行われた。
何より印象的だったのは、この記事の冒頭で挙げたシヴァさんの言葉に象徴される
“幸せ”について、3人に共通する眼差しが感じられたことだ。

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