連載
posted:2017.10.9 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
credit
撮影:小豆島カメラ
気持ちのいい秋の週末、今年で4回目の開催となる
「OLYMPUSのカメラで撮る小豆島撮影ツアー2017」!
リピーターの方も何人かいる人気の企画です。
カメラを持って1泊2日で小豆島をまわりました。
私たちは〈小豆島カメラ〉として、ツアーの行程を考えるところから
関わらせてもらっていて、当日もカメラを持って参加しました。
どこに行ったら楽しいか、いい写真が撮れるか。
ごはんはどうしようか。
何時にどこで夕陽を見たらきれいか。
島で暮らし、写真を撮っている私たちだからこそ企画できるツアーにしようと、
時には地元の生産者さんや、おっちゃん、おばちゃんに協力してもらったりして、
いわゆる観光スポットめぐりの旅にならないようにしています。
小豆島には観光スポットとして有名な場所がいくつかあります。
観光スポットってやっぱりきれいなんです。
景色が抜群によかったり、いわゆる小豆島らしいもの、
オリーブやそうめん、醤油が用意されていたり。
だから、そういう場所を訪れるのももちろん楽しいと思います。
今回のツアーでもオリーブ公園などいわゆる観光スポットにも行きました。
それに加えて、観光スポットじゃない場所。
島の人たちが暮らしている集落の中だったり、働く現場だったり。
観光スポットとして用意されているんじゃなくて、いつもの小豆島を感じられる場所。
普段の暮らしや仕事の中に入っていくことになるので、
迷惑にならないように、逆に新しい出会いをお互いに楽しめたらいいなと。
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例えば今回のツアーでは、小豆島の小江(おえ)とう集落の中を歩きました。
細い路地、坂道、その先のほうにいる手押し車を押すおばあちゃんを発見し、
「この道入っていってみようか」とドキドキしながら歩き始めました。
おばあちゃんのところまで行き、話しかけると、なんと98歳!
「この先のぼっていくとお大師さんがあるから行ってごらん」と教えてくれました。
さらに進んでいくと、塀の上で真っ白な猫が気持ちよさそうに眠っていました。
またその風景がいい。
おばあちゃんが教えてくれた「瑠璃堂(るりどう)」に着き、
そのすぐそばで畑をされているお父さん、お母さんに遭遇。
なんと人数分のイチジクを分けてくださいました。
あー、これが小豆島!
こういう想定できない出会いや出来事がいい。
それから今回とてもよかったのが、島のお母さんたちにつくってもらったお弁当。
小江集落がある四海(しかい)地区には漁港があるのですが、
その漁協のお母さんたちのごはんは本当においしい!
これはぜひみんなにも食べてもらいたいとお弁当をお願いしました。
小豆島近海でたくさんとれる「小豆島島鱧」と名付けられた高級魚のハモ。
その島鱧でつくってもらったお弁当。
島鱧の湯引き、フライ、餃子、そぼろ〜。
野菜とお米以外はほぼすべて島鱧! ぺろっと完食です。
観光スポットじゃない場所を訪れるのは、下調べが必要だったり、
ぶらぶらとさまよう時間が必要だったり、誰かに話しかける勇気が必要だったり、
やっぱりちょっと大変です。
でもそういうことを通して感じられる小豆島こそ、私たちが普段暮らしている小豆島。
一歩踏み込んで、暮らす土地としての小豆島も体感してもらえたら、
また訪れたくなる場所になるんじゃないかなと思います。
私たちはそのお手伝いをできたらいいなと!
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