〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
credit
撮影:小豆島カメラ
暑すぎた2017夏が終わり、ようやく秋らしくなってきました。
まだ日中は畑で作業していると汗をかく暑さですが、
それでも朝夕は肌寒さを感じるくらい。
あー、私の大好きな秋が来たなと、それだけで毎日うれしくなります(笑)。
個人的には、瀬戸内の島をめぐるなら絶対秋がいいなと思ってます。
島をぶらぶらと歩くには、やっぱり夏は暑すぎで、暑さだけで疲れちゃいます。
冬も好きですが、やっぱり景色が少し寂しいかもしれません。
春はなんとなく空気がもわっとしている感じがして(すごく個人的感覚ですが)……。
ま、でも四季それぞれいいところがあるんですけどね!
カメラを持ってぶらぶら島を歩くなら、秋がいいのかなと。
私たちがまだ小豆島に引っ越す前、引っ越すなんて全然考えてなかったのですが、
第1回目の瀬戸内国際芸術祭があり、そのタイミングにあわせて、
小豆島のおじいちゃんちを訪れました。
その時に初めて行ったのが、小豆島のお隣の島、豊島(てしま)。
2010年秋のこと。あのときの豊島の空気感、いまでも覚えています。
とにかくいいところだった。
小豆島に引っ越してからは、当たり前のように暮らしの中に
「秋の瀬戸内」があるわけで、なんと贅沢だろうと時々思います。
ただ日々の暮らしがあるので、毎日旅人のようにぶらぶらすることもできず。
すぐ隣りにある豊島にもなかなか遊びに行けず。
行きたいなら計画をたてよう!
というわけで、9月上旬、島で一緒に活動している〈小豆島カメラ〉のみんなで
〈生産者と暮らしに出会う旅 vol.6〉を企画し、OLYMPUSカメラを持って、
約20人で豊島をまわるツアーを開催しました。
〈生産者と暮らしに出会う旅〉は、2014年秋から開催している企画。
ただ観光スポットをまわるだけで終わってしまうのではなく、
もう一歩深く、島の暮らし、島で働く人、現場に触れることで、
もっと小豆島のことを知ってもらおうというもの。
その案内、つなぎ役を私たち小豆島カメラがしています。
今回は私たちだけで豊島を案内するのは少し心もとないということで、
豊島でガイド、さまざまなコーディネートをしている
〈テシマサイト〉の森島丈洋さんに力をお借りしました。
まだ少し夏の暑さが残る9月上旬の日曜日。
小豆島からは片道480円の船に乗って
30分で着きます(こんなに気軽に行けるならもっと行こうっ!)。
船の中でさっそくカメラの貸し出し&説明。
今回のツアーでは、参加者全員にOLYMPUS PEN-Fを貸し出し!
いつも最新のカメラを貸してくださるオリンパスさんに本当に感謝です。
豊島に到着後、まずは〈豊島ウサギニンゲン劇場〉へ。
1年半前から豊島で暮らしている〈usaginingen(ウサギニンゲン)〉
こと平井伸一さん、絵美さんご夫妻が出迎えてくれました。
自分たちの手でデザインし改修した劇場、
その中で繰り広げられる映像と音楽のライブパフォーマンス。
豊島を訪れたらぜひ行ってみてほしい場所です。
豊島ウサギニンゲン劇場は、唐櫃岡(からとおか)地区にあり、
近くには〈島キッチン〉や〈檸檬ホテル〉、
少し歩けば〈豊島美術館〉などこれまた行ってみたいところばかり。
また次回のお楽しみに。
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今回は、カメラを持ちながら唐櫃岡地区を歩きました。
この地区独特の石積み、玄関先に収穫したゴマの茎が干してある風景、
道端の季節の花々。
どこにでもあるようで、でもここでしか出会えないかもしれないものたち。
ゆっくり歩きながらだからこそ感じられる島の空気。
7年前に感じたあの空気と同じ、秋の豊島。
唐櫃岡を離れ、次に訪れたのは、家浦地区。
車で15分ほど移動します。
家浦地区にある〈かめだや〉で、島のお母さんたちのごはんをいただきました。
かめだやは、かつて亀田商店という小さな商店だった建物。
近所の人たちが集まるサロンのような場所だったのに、閉店してしまい空き家に。
自分たちの憩いの場を取り戻したいと、島のお母さんたちと森島さんの手によって
再生されたのが、いまのかめだや。
定期的に集まっておしゃべりをしたり、郷土食の黒豆ご飯のおにぎりや、
島のフルーツを使ったジャムをつくって販売したりしているそうです。
お母さんたちのつくってくれたごはんをお腹いっぱい食べて、また島歩き。
シャッターをきりながら、おしゃべりしながら、豊島時間を楽しみました。
瀬戸内にはたくさんの島があります。
それぞれ個性的で、同じ瀬戸内の島なのに全然雰囲気が違います。
私もまだ訪れたことのない島ばかり。
秋の瀬戸内の島めぐり、おすすめです!
小豆島でも心地よい秋の空気が流れてますよ。
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