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北海道・旭岳のふもとの
セレクトショップ〈SALT〉。
大自然を遊びつくす厳選アイテム

my weekend@HOKKAIDO
大雪山と、北の暮らしを旅する
vol.010

posted:2017.9.10   from:北海道上川郡東川町  genre:旅行

PR 北海道観光振興機構

〈 この連載・企画は… 〉  “北海道の屋根”と言われ、日本最大の〈大雪山国立公園〉を有する大雪山。
深く美しい大自然のなかで、コテージや温泉宿に滞在しながら、北の暮らしを旅します。

photographer profile

Asako Yoshikawa

吉川麻子

フォトグラファー。北海道苫小牧市生まれ。札幌市在住。2006年からのスタジオ勤務を経て2011年より独立し、フリーランスとなる。主にポートレイト、衣食住、それらに関わる風景など幅広く撮影。おいしいものといい音楽があると笑顔になります。
気のいい犬1匹と現在二人暮らし。

writer profile

Akiko Yamamoto

山本曜子

ライター、北海道小樽生まれ、札幌在住。北海道発、日々を旅するように楽しむことをテーマにした小冊子『旅粒』発行人のひとり。旅先で見かける、その土地の何気ない暮らしの風景が好き。
旅粒
http://www.tabitsubu.com/

山の暮らしを体現する、セレクトショップ

「このまちで着たい服」。

それは、永く大切に使える良質なもの。
大雪山をはじめ、大自然がすぐそばにある東川で、
厳選された国内のアウトドアブランドを軸に、
つくり手やメーカーの思いの込められたアイテムを提案する〈SALT〉は、
このまちでのライフスタイルを体現するショップです。

〈ランドスケーププロダクツ〉が設計を手がけたショップ。背の高い立派な木々に包まれるよう。

〈道の駅ひがしかわ 道草館〉から旭岳や天人峡へと伸びる道道1160号線沿いを進むこと5分。
田園風景の先にある洗練されたショップには明るい日差しが差し込み、
東川というまちのもつ、自然に寄り添ったアクティブな雰囲気に馴染む
ウェアや雑貨が並びます。

メンズは〈MOUNTAIN RESEARCH〉を主軸に〈and wander〉や〈SASSAFRAS〉など、
すぐに着たくなる、使いたくなる商品が並びます。
ウィメンズでは〈ORCIVAL〉〈NO CONTROL AIR〉など、
タウンユースもできるユニセックスなムードのブランドを取り扱っています。

and wanderのサコッシュなど、アウトドアだけでなく手にした人それぞれの使い方ができるアイテムがたくさん。

共通したコンセプトは、
“山に行くときも山を降りてからも着られる、永く使える上質なもの”

「すぐ外がアウトドアのフィールドという東川のまちで、
SALTが扱っているものの物語や背景を、
お客さんがリアルな魅力として感じてくれたら一番うれしいですね」

そう語るのは、東川のまちで生まれ育ったオーナーの米山勝範さん。取り扱うものを通して、
自身が培ってきたこのまちでの遊び方や暮らし方を訪れる人に伝えています。

自然体で東川の暮らしを楽しむ米山勝範さん。「戻ったときはまだ周りにお店もなかったけど、北の住まい設計社の渡邉さん夫妻の暮らしを見て、東川に可能性を感じました」

ウィメンズのセレクトは奥さまの知美さんが手がける。自身も愛用する長く飽きのこない日常着を提案。SALTはカジュアル寄り、週末オープンの〈due SALT〉では女性らしいブランドをセレクト。

ショップ奥の木陰で、カフェタイムも

店内にはドリンクのテイクアウトができるカフェスタンドを併設。
注文すると、店の奥にある広々としたウッドデッキのカフェスペースに出られます。
チェアに腰かけて風に吹かれるひとときは格別。その奥に佇むテントは、
取引先の〈MOUNTAIN RESEARCH〉代表の小林節正さんから譲り受けたものだそう。

木々の緑に包まれたウッドデッキはカフェ利用者専用。MOUNTAIN RESEARCH〈HOLIDAYS in The MOUNTAIN〉のCpt.S社のベンチとカーミットチェア用のカスタムキットがおしゃれ。

とろりとした飲み心地のクランベリージュース(350円)、美瑛の〈Gosh〉によるオリジナルブレンドのコーヒー(350円)。

ベッドが入るテントはいっとき小林さんの山生活に使われていたもの。ブランドのディスプレイに、友人用ゲストハウスにと活用。

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地元、東川で店を構える理由

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若い頃は「田舎から出たい」という思いで高校卒業と同時に札幌へ移り住んだという米山さん。
もともと服が好きで、通っていたセレクトショップ〈GARAGE69〉へ転職。
7年間勤務し店長を務め、
MOUNTAIN RESEARCHなどのアウトドアブランドを担当していました。

「セレクトされているもののひとつひとつに理由があって、
自分たちが本当にいいと思うものを提案されているオーナーご夫妻の姿勢に
とても影響を受けました。彼らがいなかったら、僕はここでお店をやっていないと思います」

旭川の小さな工房でひとつひとつハンドメイドでつくられている鹿角のホイッスル。アウトドアでのお守りに、まちでのアクセサリーに。deer whistle 5200円

香りも心地よいナチュラルな虫除けスプレーは夏の屋外での頼れる味方。アウトドアボディスプレーEX 50ml 650円/125ml 1400円。スティックタイプの日焼け止めも。OUTDOOR UV 2700円

「札幌で培った経験を東川に持ってきたらおもしろいんじゃないだろうか? 
と思ったことと、自分にはこっちのフィールドが合っていたということが、東川に戻ってきた理由ですね」

もともとスポーツマンで小・中学生の頃はアルペンスキーで
毎日雪山に通い詰めていた米山さんは、
札幌でスノーボードを再開して、東川という土地の魅力にあらためて気づいたと語ります。

「SALTで取り扱う、尊敬するスノーボードブランド〈GENTEMSTICK〉の玉井太朗さんは、
世界中を旅してきた人なのに北海道を拠点に板をつくっている。
やはり北海道のフィールドはすごくいいし、
生活をするのもこちらのほうがいいと感じたんです」

patagonia スノーボード アンバサダー玉井太朗さんが手がける、ニセコ発のブランドGENTEMSTICKのスノーボード。

取引先がおもしろがってくれる東川というまち

2009年、東川の、現在はアウトドア用靴下のショップ〈YAMAtune〉が入っている建物で
SALTを、2010年にはレディースブランドを扱う姉妹店の〈due SALT〉をオープン。

「この土地で独立できたのは、取引先や周りの人たちが
東川という場所をおもしろがってくれたことが大きかった」と語る米山さん。
ものの向こうにいるつくり手たちとの深いつながりが感じられます。

やがて縁あって2014年、現在の土地にショップを移転し新たなスタートを切ります。

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新しいショップに込めたものは

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現在のSALTは木々に囲まれ、より山に近くなった。旭岳への動線になる道沿いでお店も暮らしもできそうと目をつけていた土地を町より購入。

一から始めたショップづくりは、念願だった
〈ランドスケーププロダクツ〉の中原慎一郎さんに設計を依頼。
「木をたくさん使ったショップを」という米山さんの希望を汲み、
北欧の片屋根の家と山小屋の魅力を併せもつ、風景に溶け込むシンプルな建物が完成します。
店内は移動できる什器も多く、訪れるたびに変化があり、発見のある店づくりがされています。

ショップの隣はウッドデッキでつながったご自宅で、こちらもランドスケーププロダクツの設計。窓辺でモデルのように佇むのはカメラ目線が得意な愛猫の小雨ちゃん。

「東川に住んでいると、インドアとアウトドアの境目があまりない。
冬はドアを開けたら雪で全部がつながっていて、すべてがフィールドって感覚なんです」

そんな風景を知っている米山さんが体験してきたこのまちの良さそのものが、
SALTというショップから伝わってくるようです。

米山さんの後ろに並んでいるのは愛用のWATERMANのSUP(スタンドアップパドル)。ラフティングボードと同じで岩に当たっても大丈夫な、川でも遊べるタイプだから近郊の川で遊ぶのだそう。

これからの目標は、商品を幅広くしていくのでなく、もっと狭めて
本当にいいものだけをぎゅっと集めた店づくりをすることだと語ってくれた米山さん。

「自分の生活もSALTで提案するものも、もっとシンプルにしていきたい。
そこが一番難しいですね。でも、日々、自分たちのことを信頼して
ここへ来てくれるお客さんが増えれば、きっとできると思っています」

東川のもつ雰囲気や自然にしっくりと馴染み、本当にいいものだけを発信していくSALTは、
今やまちになくてはならない存在。
ここの空気そのものが思い出になる、そんな魅力的なものとの出会いがここにあります。

information

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SALT 

住所:北海道上川郡東川町東4号南1番地

TEL:0166−82−6660

営業時間:11:00〜18:00

定休日:水曜日、第1・第3火曜日

駐車場:あり

Web:http://www.salt-life.com/index.html

information

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due SALT 

住所:北海道上川郡東川町東町2丁目3−18

TEL:0166-82-2420

営業時間:土日12:00〜17:00

定休日:月曜日〜金曜日

駐車場:なし

http://due-salt.blogspot.jp

my weekend@HOKKAIDO 大雪山と、北の暮らしを旅する

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