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posted:2015.2.9 from:和歌山県田辺市 genre:食・グルメ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
和歌山が生んだ世界的な博物学者、南方熊楠さん。
菌類や民俗学などのすばらしい研究の成果や
ユニークなキャラクターで
今もなお私たちを魅了してやまない学者です。
そんな熊楠さんは、あんぱんが大好きだったそうで
あんぱんを買う時は6個買っていたとか、
好きな女性に30個プレゼントしたことがあるとか、
かわいらしいエピソードが残っています。
和歌山県田辺市のパン工房/カフェ「ララ・ロカレ」では
そんな熊楠さんにちなんだあんぱんをつくっています。
その名も「くまぐすあんぱん」。
こちらが、ふっくら・しっとりと
焼き上がっていて、とってもおいしい!
いちおしは「酒種あんぱん」。
ブリオッシュをベースにした生地であんを包んだ、
風味ゆたかなあんぱんです。
海から生まれた海洋酵母を使用しており、
焼き上がりはソフトで口溶け抜群。
酒種が入っていることによって風味が増し、
しっとりとした高級感のある仕上がりになるそうです。
じつは熊楠さんの実家は「世界一統」という酒蔵だそうで、
そちらの酒粕を使った限定「くまぐすあんぱん」をつくったこともあるそう。
「世界一統」は明治17年に創業し、
現在も伝統を生かした日本酒づくりを行っています。
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下の写真はココアを練り込んだ生地で
コーヒーあんを包んだ「ショコラカフェあんぱん」。
ちょっとほろ苦いあんは、甘いものが苦手な方にもおすすめです。
南高梅が入った甘酸っぱい「紀州梅あんぱん」や、
ほっくりと焼き上がっている「栗あんぱん」もおいしい。
国産の材料を使い、保存料やイーストフードを
使用していないというのもうれしいです。
このぱんはデザイン事務所「NAP」が、
「あんぱんで田辺市の地域資源を生かしたい」と企画し、
パン工房/カフェ「ララ・ロカレ」の協力を得て実現したもの。
「ララ・ロカレ」は、障がい者やひきこもりとよばれる人たちの
就労支援を行っている「NPO法人かたつむりの会」が運営しています。
また、あんぱんの収益の一部は、
「南方熊楠まちづくり基金」へ寄付されるそう。
この基金は、南方熊楠に由来のある地域における、
教育・環境・まちづくりに関する活動を応援しています。
あんぱんをつくることが、
さまざまな人の雇用や支援につながっていくんですね。
「くまぐすあんぱん」は、
「ララ・ロカレ」の店内で販売しています。
建物は、昭和24年に建築された歴史ある館。
明るく、クラシックなカフェがすてきです。
今後はイベントなどでも販売を行っていくとのこと。
もっともっと「くまぐすあんぱん」の輪が広がってほしいですね!
※季節によりメニューが変わる場合があります。
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