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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
いまも大きく残る、東日本大震災の爪あとの復興。
宮城県石巻市は、津波による4000人の犠牲者と、
最大の浸水被害面積という甚大な被害を受けた土地。
かつて人口16万人だったまちは、震災以降人口が1万人が減り、
2万人がいまも仮設住宅に暮らすという課題を抱えているんです。
先週、2014年5月10日(土)、11 日(日) の二日間にわたり、
宮城県石巻市にて、これまでになかった復興支援イベント
「Ingress Meetup in Ishinomaki」が開催されました。
これは、IT企業のGoogleと旅行会社のJTB、
地元石巻の復興プロジェクト「ISHINOMAKI2.0」、「イトナブ石巻」の
協力のもと実現したプロジェクト。
Google本社のラボ「Niantic Labs(ナイアンティックラボ)」が開発した
ゲーム「Ingress」(イングレス)を使って、石巻のまちを歩いたり、
地元の人と触れ合ってもらいたいというこころみです。
■位置情報を使ったゲームでまちを散策
「イングレス」は、スマートフォン向けの位置情報ゲーム。
ゲームを立ち上げると、まちの地図がレーダー風の画面になり、
実際の建物をつかった「ポータル」と呼ばれるチェックポイントが表示されます。
プレイヤーは緑(エンライテンド)・青(レジスタンス)のどちらかを
選んで、敵よりも多く自分たちの陣地を増やすのが目的。
GPSなどで取得した位置情報を利用してチェックインするので、
屋内のパソコンで遊んでいた従来のオンラインゲームとは違って、
実際の現実世界がゲームの舞台になるんです。
ゲームのヒントを仲間と一緒に探しに行くのは、まるで
RPGゲームをリアルに体験しているみたい。
全世界で約300万人のユーザーがいる人気のゲームなんです。
このツアーにおいては、「イノベーション東北」を組織し、
大震災の発生時から復興支援をしてきたGoogleと、
ボランティアツアーなどを行ってきたJTB、そして石巻を拠点として
地元から復興する「ISHINOMAKI2.0」、「イトナブ石巻」の協力のもと
プログラムが組まれました。
このイベントのために地域住民の方からヒアリングして作られた、
石巻ならではのチェックポイントは120箇所!
震災で流されてしまった場所などもチェックポイントのひとつになり、
スマホを向けると、震災以前の風景が浮かび上がるような仕掛けも。
チェックポイントを探して石巻のまちをあるくことで、震災前後の様子を
知ることができます。
さて一泊二日のこのツアー、
料金は東京駅発着で交通費、宿泊費も込みで34,000円。
当日集まった参加者は、日本国内からオーストラリアや香港まで
世界じゅうからなんと80名もの方々!
初めて会う方でも、同じゲームのプレーヤーなので話も弾みます。
終始和やかな雰囲気でツアーが進行しました。
それでは当日の模様をお届けします!
これまではお家にこもってプレイするものだったオンラインゲームが
外で仲間と一緒に遊べるものになり、それが震災復興やまちおこしのために
使われていることに、すごく可能性を感じました。
2014年7月に開催される「石巻STAND UP WEEK 2014」でもまた
イングレスのプロジェクトが行われる予定なのだとか。
テクノロジーを使った新しい試み、
気になる方はぜひ石巻へ!
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