連載
posted:2019.3.22 from:東京都大島町 genre:旅行
sponsored by 東京都
〈 この連載・企画は… 〉
東京には人々が暮らす11の島があり、独自の風土・文化で磨かれた個性を持っている。
今回は、神津島、八丈島、三宅島、大島の魅力を フィーチャー。
島歩きに役立つ、5つに厳選したオススメスポットをご紹介。
writer profile
Rumi Tanaka
田中瑠子
たなか・るみ●神奈川県横浜市出身、東京を拠点に活動するフリーランスのライター・編集者。広告会社、出版社勤務を経て独立。「働く」をテーマに、人物インタビューを多く手掛ける。執筆業の傍ら、週末はチアダンスインストラクター。
photographer profile
Atsushi Yamahira
山平敦史
やまひら・あつし●鹿児島県鹿児島市出身、東京を拠点に活動するフォトグラファー。製薬会社に数年勤めた後、麻布スタジオに入社し写真を始める。麻布スタジオを退社後フリーランスとして雑誌の撮影を中心に活動中。最近はドローン撮影にも鋭意、挑戦中。Atsushi Yamahira’s Portfolio
東京から高速ジェット船で1時間45分、飛行機なら調布飛行場からわずか
25分に位置する伊豆諸島最大の島「大島」。
夕陽を見ながら走ることができる「サンセットパームライン」など、
サイクリストをはじめ訪れる人を魅了し続けるこの島には、
豊かな自然と食材に魅せられた“職人”たちがたくさんいる。
1周約50キロの大島を巡る旅で見つけた、5つの食・体験スポットを紹介したい。
元町港から車を5分ほど走らせ、大島高校の脇の細道を下る。
緑あふれる庭の中にたたずむログハウスが、伊豆大島のカフェ〈きらく小屋〉。
木のぬくもりあふれるお店は、なんとすべてオーナーの手づくり。
都内でエンジニアをしていたオーナーが、
50代前半に早期退職し2000年に大島に移住。
大島出身の奥さんと共にうっそうと茂る森を切り拓き、
約半年間でお店をオープンさせたというから驚きだ。
メニューには、庭で採れる明日葉を使った「あしたばチャーハン」や、
オーナーいち押しの「岩のりめんたい(パスタ)」、
パリパリの自家製生地を使った「岩のりピザ」など、
どれも食べたくなる一品が並ぶ。素材の味を生かしたやさしい塩味は、
小屋のあたたかさとも似た、心休まるおいしさ。
また、ハズしたくないのは、庭で摘んだ鮮度100%のブルーベリージュース。
ほとんど砂糖を使わず、ブルーベリーの甘みだけが
ぎゅっと凝縮された、ほかでは味わえない濃密さ!
自然が生んだ旨みを体が喜んでいるのか、ごくごくと一気に飲んでしまう。
お土産には、庭で採れたフルーツの自家製ジャムも。
桑、プラム、ブルーベリー、ビワ、イチジク、
季節の柑橘を使ったマーマレードのジャムなどが販売されている。
店内のテーブル席、庭を眺めながらのテラス席どちらに座っても、
いつまででもいたくなる居心地のよさ。
ほっとひと息つきたい旅の道中に、ぜひ立ち寄りたい隠れ家スポットだ。
information
きらく小屋
住所:東京都大島町元町字八重の水244-1
TEL:04992-2-0003
営業時間:3~10月 11:00~17:00L.O. 11月~2月 11:00~16:00L.O.
定休日:月~木曜 ※金・土・日曜のみの営業
子どもたちが足しげく通うアイスクリーム屋が、
元町港近くにある〈島のアイスクリーム屋 トリトン〉。
東日本大震災を機にUターンで帰島した店主の浅沼務さんが、2014年12月にオープンした。
当初は大島の牧場に隣接する〈ぶらっとハウス〉で
アイスクリームの開発・販売スタッフとして働いていた
浅沼さんがお店を始めたきっかけは、
「おじさんのアイスは世界一おいしい。絶対続けてね」という島の子どものひと言。
大島の食材を使ったオリジナルレシピで、
子どもたちの「おいしい!」という笑顔が見たい――。
その一心で独立し、これまでにおよそ60種類のレシピを開発してきた。
ベースはすべて、大島牛乳でつくったバニラアイスクリーム。
そこに、島の子どもやお客さんの声からインスピレーションを得て、
大島産の食材をはじめとした厳選素材を加え、
ここでしか味わえないオリジナルアイスの数々が生まれている。
例えば「島のり」は、大島を訪れたとある女優が
「島のりを使ったアイスが食べたい」という声をもとに、約8か月かけて開発。
バニラアイス自体の甘みを極力抑えることで、島のりの香ばしさを引きたてる、
世界でここにしかない味が完成した。
ほかにも、焼き栗のアイスは島の子どもに
「本物の焼き栗を入れてつくってほしいと言われてつくった」など、
お客さんとのエピソードが次々と飛び出してくる。
たったひとりのお客さんのために、
食材の良さを引き出してつくられたアイスの数々。
こだわり抜いた大島の味を堪能したいなら、ぜひ訪れたいお店だ。
information
島のアイスクリーム屋 トリトン
住所:東京都大島町元町1-10-9
TEL:04992-7-5425
営業時間:月〜金曜 11:00~18:00 土・日曜・祝日10:00~18:00
定休日:不定休
Page 2
ヨーロッパではよく知られた動物介在療法のひとつ「ホースセラピー」。
馬とのふれあいを通じて、相手の個性や感情を尊重し、
リーダーシップを発揮して信頼関係を育む――。
そんな体験ができる場所が三原山の牧場〈ブルーヘイズ農場〉だ。
オーナーの平山秀茂さんがホースセラピーを始めたきっかけは、
不登校や引きこもり児童のニュースを目にしたこと。
「子どもたちの心を元気にしたい」と療法の考え方を学び、
大島の知的障がい者施設の子どもたちや、学校に行けなくなった子どもたちに、
馬とのふれあいの時間を提供してきた。
平山さんが大切にしているのは、馬とのコミュニケーション。
ただ乗馬体験をするのではなく、馬の目線に合わせたエサのあげ方、
ブラッシングをしながらの触り方、話しかけ方を学ぶことで、
相手の気持ちを考えて行動する力を養っていくという。
そして、いよいよ乗馬へ。
手綱をどう動かせば馬に指示が伝わりやすいのか、
平山さんに教えてもらいながら試行錯誤を繰り返す。
「人が馬をリードする、という関係性をきちんと伝えることが大事」と平山さん。
こうして体験の最後には、ひとりで馬に乗れるように!
2時間の体験を終えると、馬への感謝の思いで心がおだやかに。
広大な大島の大地を馬と回る贅沢な時間が過ごせるスポットだ。
information
ブルーヘイズ農場
住所:東京都大島町元町字上山662-1(大島温泉ホテルと三原山頂口のあいだ)
TEL:090-3043-7817(10:00~19:00)※1週間前までの予約推奨
開始時間:午前の部 10:00~ 午後の部 13:00~
地元の食通や観光客で連日にぎわう〈港鮨〉は、
銀座の鮨屋で修業を積んだ2代目店主、西川竜也さんが握る寿司店。
お店の目の前には波浮港(はぶみなと)が広がり、
その日にあがった新鮮な魚を食べられる。
今回いただいたのは、目鯛の「べっこうにぎり」。
べっこうにぎりとは伊豆諸島の郷土料理のひとつで、
大島の特産・青唐辛子と醤油でつけた魚の切り身が、
つややかなべっ甲色であることから名づけられたとか。
港鮨では目鯛のほか、イサキ、かんぱちなど、その時々の旬な素材を使っているという。
ひと口でいただくと、目鯛の甘みが口いっぱいに広がり、
肉厚ながらやわらかな食感がシャリとよく絡み合い、すぐに溶けていくよう。
最後に青唐辛子のピリッとした辛みが残るのも、
べっこうにぎりならではのおいしさだ。
旬の味を思う存分楽しみたいなら「地魚にぎり」もおすすめ。
この日に握ってもらったのは、かんぱち、イサキ、キンメイダイ、鰹、
アカイカ、アジ、イワシ、ホウボウ、サザエ。
季節によって異なる9つの味を楽しめる。
豪快に伊勢海老が乗った「伊勢海老天丼」も人気の一品。
伊勢海老は身がぎゅっとつまっていながらほくほくとやわらかな食感。
その甘みは、また何度でも食べたくなるおいしさだ。
明日葉の天ぷらなど、新鮮な大島野菜がたっぷり入っているのもうれしい。
島に来たなら、新鮮な魚を味わいたい。
そんな思いに120%応えてくれること必至の名店だ。
information
港鮨
住所:東京都大島町波浮港1
TEL:04992-4-0002
営業時間:11:30~14:00、17:00~21:00
定休日:火曜
Page 3
大島巡りの旅を締めくくる絶好のスポットが、
元町港から徒歩4分の〈元町浜の湯〉。
天気の良い日には、広大に広がる太平洋の彼方に
伊豆半島や富士山を望むことができる、眺望抜群の露天風呂だ。
地元の方にも愛され、憩いの場になっている浜の湯。
塩化物温泉の源泉100%かけ流しでまろやかなお湯が心地よく、
いつまででも入っていたくなる。旅の疲れも一気にほぐれ、
体の中心から温まっていくのを感じられる。
天気がよければ海に沈む夕日を臨むことができ、
その美しさはしばし言葉を失ってしまうほどだ。
浜の湯の場所がサイクリングロード
「サンセットパームライン」の起点になっているので、
往復約10キロのサイクリングで大島の海の風を体いっぱいに感じた後に、
汗を流しに訪れてみてはどうだろう。
大島の雄大な自然を感じられる浜の湯。
身も心もゆったりあたたまるなか、旅の思い出を振り返りたい。
information
元町浜の湯
住所:東京都大島町元町字トンチ畑882
TEL:04992-2-2870
営業時間:13:00〜19:00 ※7月、8月については11:00から営業
定休日:年中無休 ※天候等により休業・営業時間短縮があるためあらかじめご確認ください。
店主やオーナーとの会話、そこで出会う地元の方とのふれあいも楽しい大島散策。
「こんなお店もあるよ」「あの場所は行ってみた?」と、
地元の方ならではの情報をいただけることも。
何度でも通いたい、お気に入りのスポットを見つけてほしい。
information
東京宝島
東京都では、東京の島々が持つすばらしい景観や特産品、文化などの地域資源を磨き上げ、高付加価値化を図ることで、東京の島しょ地域のブランド化を目指す東京宝島事業に取り組んでいます。東京宝島の詳細は、公式ホームページにて。
Feature 特集記事&おすすめ記事