〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
新型コロナウイルスの影響で、観光業や飲食業など、
場を開き、人が訪れることで成り立っていた商売は大きな打撃を受けています。
その観光施設や飲食店に食材やお土産品などを卸していた問屋、
さらにその商品をつくっていた生産者まで影響はつながっていて、
どこも本当に大変な状況になっていると思います。
いままでどおりの仕事と収入がある人って
いったいどれくらいの割合なんだろうと考えてしまいます。
私たち〈HOMEMAKERS〉もまったく他人事ではありません。
4月の収入は昨年の同じ月と比べると半分以下になりそうです。
最近ニュースで報道されている「持続化給付金」のまさに対象……。
うちの収入は大きく分けると、
・野菜の売り上げ
・ジンジャーシロップなどの加工品の売り上げ
・カフェ(金・土のみ営業)の売り上げ
の3つで成り立っています。
比率としてはざっくりですが、野菜:加工品:カフェ=1:2:1。
このカフェの売り上げが4月はゼロ。
野菜と加工品は、個人のお客さんとお店(飲食店や小売店など)向けに
販売していますが、お店からの注文は4月は9割減くらいの感じです。
では何が残っているかというと、オンラインストアでの個人のお客さんからの注文です。
幸いなことにこのオンラインストアからの注文がいつもより増えていて、
それでなんとか売り上げゼロにならずに済んでいるという状況です。
いま、私の周りでは、小さな商売をしている知り合いの多くが、通販に注力しています。
新しくオンラインストアを立ち上げたり、普段販売していないものを売り始めたり。
いますぐに収入を得られる手段はネット販売しかないというのが事実で、
オンラインで収入を得ながら、1年先、2年先どうするかを
考えていかないといけないのですが。
最近は簡単に、しかも無料でオンラインストアをつくることができます。
商品写真もまずは伝えること重視であればスマホですぐに撮れます。
すでに売りたい商品さえあれば、ネット上にお店を開き、
商品の写真を並べることはそんなに難しくないかもしれません。
ただ難しいのは、立ち上げたオンラインストアの存在を広く知ってもらうこと。
普段からSNSで情報を発信していて、発信パワーが強く、
つながっている人たちがたくさんいればいいですが、
それこそごまんとあるネット通販ショップの中から
見つけてもらう、選んでもらうというのはとても難しいことです。
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たくさんの注文をいただいたとして、次は発送までの作業。
梱包はどうする? 箱は? 梱包材は?
宛名は手書き? パソコン?
送料はいくら? 送料って意外と高い!!
商品を梱包して発送するという作業は思ったよりもずっと手間(人件費)がかかり、
梱包材など経費もかかり、売っても売っても利益がでないなんてことがありえます。
私たちが実際に経験してきたことです。
私たちは2013年にオンラインストアを立ち上げ、まだまだ小さく未熟ですが、
それでも7年続けてきました。それなりのノウハウとインフラはあります。
実は昨年末から、今後はもっと個人のお客さんと
直接強くつながっていきたいという思いから、
HOMEMAKERSのWebサイトとオンラインストアの
リニューアル作業に粛々と取り組み、ようやくリニューアルしました。
自分たちの商品だけでなく、同じ地域で活動する仲間がつくるものも
一緒に届けられるオンラインの場になればと思っています。
「ネットで注文した小豆島の素麺おいしかったなぁ」が、
1年後、2年後、小豆島でのリアルな出会い
「あのとき買ったお素麺屋さんに行ってみよう!」につながるように。
今年のゴールデンウィークは小豆島に遊びに来てもらえないけど、
その代わりに小豆島から野菜やおいしいものをお届けします。
近い将来、小豆島で会える日を楽しみに。
私たちはそれまで島でがんばります!
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