連載
posted:2018.10.8 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
今年は9月になっても蒸し暑い日が多くて、なかなか秋がやってこないな~
と思ってましたが、ようやく肌寒さを感じる季節になりました。
ほっとしている10月です。
私たち〈HOMEMAKERS〉は、年間通していろいろな種類の野菜を育てています。
にんじん、じゃがいも、キャベツ、白菜など、品目でいうと30品目くらい。
細かな品種でいうと80品種くらい。
同じ品目(例えばさつまいも)でも
品種(安納芋、紅はるか、紫芋など)が違えば、
見た目はもちろん違うし、味も食感も料理の仕方も変わります。
そうやっていろんな種類の野菜を育てることは大変だけどとても楽しいです。
いまの時期だと、ピーマン、なす、オクラ、ツルムラサキ、さつまいも、
かぼちゃ、バターナッツ、コリンキー、ズッキーニ、ワケギ、レタス、
ルッコラ、赤リアスからし菜、金時草、生姜などが収穫できます。
もう夏野菜は終わりの時期なので収穫量は少なく、
冬野菜が収穫できるようになるのはだいたい10月後半くらいからなので、
いまは野菜の種類も量も少なく、ちょっと厳しい時期です。
よく言われる「端境期(はざかいき)」ですね。
それでもかき集めれば、10品目以上の野菜があります。
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少量多品目栽培というこのスタイルで生計をたてていくのは
正直とても難しいと感じています。
私たちは、野菜を育て、その野菜を個人や飲食店さんに販売していますが、
加工していないフレッシュな野菜の売り上げは全体の2割くらいです。
育てた生姜や柑橘を加工したシロップやドレッシングなどの
調味料の売り上げが少しずつ増えてきていて、それが全体の半分くらい、
残りの3割が週2日営業しているカフェの売り上げ+その他もろもろという感じです。
商売的にみたら、いまのスタイルの野菜の栽培と販売って
やめたほうがいいのかなと思うことがしばしばあります。
一年中何かしら育てているので、常に畑作業に追われていてなかなか休めないし。
どう考えても見合わないな~と。
いろんな野菜を育てることは続けるとしても、それを組み合わせて
「旬野菜セット」として販売するのはやめたほうがいいのかなとか、
あー、でもやっぱりなー、と行ったり来たりしてます(笑)。
でもやっぱりいろんな野菜を育てることが好きだし、楽しいし、
いまのやり方でちゃんと稼げて生きていけたら最高だなと思っています。
今年で農業を始めて5年経ち、スタートした頃から受けていた
青年就農給付金という補助金が終わりました。
野菜の売り上げだけでは難しいですが、いまの私たちは間違いなく、
野菜を育てていることが土台になっていて、
そのうえで展開している加工品の製造販売やカフェの売り上げで生計をたてています。
補助金がなくてもなんとかやっていけるかなというところです。
ぎりぎりですけどね。
まだまだ野菜の育て方も働き方も試行錯誤中で、きっとこの先も
少しずつかたちを変えながらやっていくのかなと思います。
とにかくじっとしてても何も始まらないので、
今日も種をまき、苗を植え、野菜を育てています。
秋の畑も大忙し!
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