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3万4000人のキャンドルナイト in 小豆島

小豆島日記
vol.124

posted:2015.9.21   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/

島のみんなでつくりあげるイベント

数千個のキャンドルが並べられた幻想的な景色。
今年は、小豆島ふるさと村で
〈3万4000人のキャンドルナイト in 小豆島〉が開催されました。

このキャンドルナイトは、2008年から行われています。
地元商工会青年部や青年会議所、その他婦人会や老人会、各地区の自治会など
ほんとに多くの人たちが関わっていて、まさに島のみんなでつくりあげているイベント。
今年で8年目。1年で2回開催したこともあり、今回で10回目の開催だそうです。

今年で10回目の開催となる〈3万4000人のキャンドルナイト in 小豆島〉。

今年は小豆島ふるさと村のファミリープールで開催。

毎年いろんな場所で開催していて、普段なかなか行かない場所も
こういうイベントが足を運ぶいいきっかけになります。
ちなみに今年は小豆島ふるさと村内にあるファミリープール、
去年は富丘八幡神社でした。

去年(2014年)は富丘八幡神社で。桟敷がキャンドルの灯りでとても美しかった。

なかなか夕暮れ時に行くことはない場所。キャンドルの灯りをたよりに歩きます。

キャンドルナイトで使われているキャンドルは、一度使われたロウソクを再生したもの。
小豆島には八十八ヶ所霊場があり、それぞれのお寺でたくさんのロウソクが使用されます。
その使用済みのロウソクを集めて、溶かして、また新しいロウソクをつくるのは、
ひとつならそんなに難しくもないかもしれませんが、
何千個にもなるととても大変だと思います。
自治会や婦人会などの皆さんの手も借りて、毎年再生しているそうです。

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そしてキャンドルを入れる器には、子どもたちが学校や幼稚園で絵を描きます。
キャンドルナイト当日、真っ暗な中で自分の器を探すのはとても大変(笑)。
それでもそんな風に探すのも楽しみのひとつだったり。

子どもたちが絵を描いたキャンドルの器。自分のを見つけるのはほぼ無理(笑)。

偶然見つかったいろはのキャンドル。

イベントのタイトルにもある”3万4000人”というのは、
このキャンドルナイトが始まった2008年の小豆島の人口だそうです。
今年8月の島の人口は3万人をきり、約2万9000人。
この7年で5000人も減少したことになります。
ちなみに小豆島の人口ピークは昭和22年で、約6万2000人が暮らしていたそうです。
島の人口は結構な勢いで減っているんだなとあらためて驚きました。

プールのスライダーに登って見ると、クリスマスのイルミネーションみたいでした。

プールで流れるキャンドル。

みんなで一緒に流れていくキャンドルを眺める。

これからも島の人口は減少し続けていくと思うけど、
それでも島にまだまだたくさんの人が暮らしていて、
新しいお店がオープンしたり、いろんなイベントがあったり、
寂しさを感じることはほとんどありません。
そして来年のキャンドルナイトは、瀬戸内国際芸術祭2016の
参加アーティストとコラボして開催する予定だそうです。
来年も再来年もこの幻想的な景色を、島のみんなと一緒に見られるのが楽しみです。

information


map

HOMEMAKERS 

住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1

営業時間:金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)

http://homemakers.jp/

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