連載
posted:2014.9.8 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer's profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
青々としていた田んぼが黄色になり、8月末から稲刈りが始まっています。
私たちが暮らしている小豆島・肥土山(ひとやま)地区では
毎年この時期が米の収穫シーズン。
そして、畑でも秋冬野菜の準備が始まっています。
ブロッコリーやキャベツ、レタスなどの秋冬野菜の苗作り。
人参や大根の種まき、そしてジャガイモの植付けも。
長年、田んぼや畑をしているおっちゃんおばちゃんたちは、
当たり前のように毎年こうして同じ時期に同じ作業をしています。
一方、私たちは小豆島に来てから2回目の秋冬野菜準備。
日々の作業に追われつつ、
「人参の種まかなきゃ」
「うね立てしなきゃ」
と、バタバタと準備(笑)。
秋冬野菜の準備をする一方で、畑ではまだまだ夏野菜が元気です。
今年はピーマンが豊作。
そして、ナスも長雨のおかげなのか暑さが落ち着いたせいなのか、
葉っぱがいきいきとしています。
キュウリやオクラ、トマト、ズッキーニももうしばらく収穫できそうな感じです。
私たちは、育てた野菜数種類を「HOMEMAKERSの旬野菜セット」として
ダンボールにつめあわせて販売しています。
その際に、お野菜説明書を一緒に入れていて、
そのお野菜の特徴やどうやったらおいしく食べられるのかを紹介しています。
まだまだ野菜に関しての知識が乏しいので、本やインターネットで調べたり、
実際に調理してみたり、とにかく日々勉強と試行錯誤。
最近知ったびっくりなこと。
それは、緑色のピーマンと赤色のピーマンのこと。
ピーマンは、木にそのままつけておくと、赤くなったりオレンジ色になったりします。
それってもう赤くなっちゃったから食べられないなー、じゃなくて、
実はピーマンが完熟したもの。
スーパーなどによく売っている緑色のピーマンは、実は成長途中で収穫したもの。
そして驚きなのは、完熟するとビタミンA、C、Eなどの栄養価が
緑のピーマンの3~4倍になるそう。
糖度も高くなり(甘みが増す)、ピーマン独特の臭いも薄くなります。
完熟させてから収穫すると、木に負担がかかり、収穫できる量が減ってしまう。
流通の過程で傷みやすかったり、お店に並んでからの日持ちが悪かったり。
そんな理由もあり、一般的には緑色のピーマンが多く出回るそう。
どうお野菜を売るかは、農家さんのやり方次第だし、
どうお野菜を選んで食べるかは、好みもあるしそれぞれだと思う。
ただピーマンひとつにしても、そんなことを知ってるのと知らないのでは、
売り方も食べ方も変わるなあと。
うちみたいな小さな農家では、量は少なくても完熟ピーマンの価値を伝えて、
普通より少し高い値段で販売するという方法もあるのかもしれない。
まだまだ知らない野菜のこと。
日々新しい発見であふれています。
information
HOMEMAKERS
住所 香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間 金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)
http://homemakers.jp/
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