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移住のきっかけは、瀬戸内国際芸術祭

小豆島日記
vol.025

posted:2013.9.30   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer's profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/

今年もやってきた、気持ちのいい季節。

季節はすっかり秋。
田んぼのあぜ道では、彼岸花がにょきにょきと芽を出し、
キレイな赤い花を咲かせています。

まだここに移住する前、3年前のこの季節にも小豆島に遊びに来ました。
もともと祖父の家があったので、たくちゃん(夫)は小さい頃から何度も来ていたし、
私も結婚してから何度か遊びに来ていた小豆島。
その年は、瀬戸内国際芸術祭(以下、瀬戸芸)が行われているのを知って、
タイミングを合わせて初めて秋に来島。

秋の小豆島は、空気が本当にすがすがしく、空が青く、風が気持ちいい。
ちょうどいまがその季節ですが、当時の感覚をよく思い出します。

3年前の秋、彼岸花とコスモスなど畑のお花を集めて、おじいちゃんのお墓参りへ。

あちこちでコスモスが咲いています。

柿も緑から美味しそうな橙色に。

いつもは祖父の家に行って帰るだけだったけど、
その時は瀬戸芸の作品を見てまわろうと、家の近くとお隣の島、豊島(てしま)へ。
何もきっかけがなければ行かない場所へ、瀬戸芸の作品は足を運ばせてくれる。

小豆島のお隣の島、豊島(てしま)へ。穏やかな秋の海。

風景の中にある瀬戸芸作品。作品だけじゃなくて、その場所自体を楽しめる。

収穫の終わった稲わらを素材につくられた「わらアート」を見に近所の田んぼへ。
すぐ近くなのに行ったことがなかったその場所は、本当に気持ちのいい場所だった。
秋のやわらかい陽射しと、心地良い風。
肥土山っていいところなんだなと素直に感じました。

そして、たくさんの人がいた。
普段は誰もいない田んぼのあぜ道を、楽しそうに歩いている人たち。
船にも人がいっぱい。
賑やかなその雰囲気は、とてもワクワクするものでした。

田んぼのど真ん中にある「わらアート」。

普段は誰もいない田んぼのあぜ道が、この日はとても賑やかだった。

小豆島から豊島に渡るフェリー。人が通路にもいっぱい。

当時は小豆島で暮らすなんて考えてもいませんでしたが、
この時感じた「ここいいなー」という思いが、
結果としては移住するきっかけのひとつになりました。
その1年後の秋に移住を決めて、さらにその1年後の秋に移住。
そして、いまが3年後の秋。
3年経って2回目の瀬戸芸がやってきたというわけです。

いよいよ今週末10月5日(土)から、瀬戸内国際芸術祭2013の秋会期が始まります。
肥土山では「わらアート」の準備が進んでいます。
個人的には秋の瀬戸芸が一番オススメ。
心地良い秋の空気の中で、作品とあわせて島自体も楽しみに来ていただければ!

そしてまた、瀬戸芸が誰かの人生を変えるきっかけになったりして。

地元のおっちゃんたちがアーティストと一緒に「わらアート」を制作。

「わらアート」を通して風景を楽しむ。

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