連載
posted:2013.6.10 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer's profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/
梅雨入りしたにもかかわらず、ほとんど雨降らず。
今年は本当に雨が少ないらしく、断水になるかもという噂さえも。
農家は毎日水やりに追われる日々です。
そんな5月の下旬に、いつもお世話になっている
「小豆島の宿 コスモイン有機園」さんで行われた料理教室へ。
実は人生初の料理教室(笑)。
有機園さんは、いろいろな種類の野菜を農薬や化成肥料を使わずに栽培されており、
農業体験できる宿も営まれています。
小豆島に移住したい人たちが島での暮らし体験や移住相談をしに来たり、
WWOOF(ウーフ)のホストでもあるので、
海外からも農業に興味のある人たちが来たりしています。
実は私たちも移住前に有機園さんに宿泊し、
移住後の暮らしについていろいろお話を聞かせてもらいました。
そしてこちらに来てからも、野菜作りについて教えてもらったり、
一緒に遊びに行ったり、週に1回はお会いしているような感じです。
そして今回も女将の今川早苗さんに誘われて、料理教室に参加させてもらいました。
料理教室のテーマは「野菜の重ね煮」。
重ね煮とは、切った野菜を鍋の中に決められた順番に重ねていき、
底と上に塩を振って蒸し煮する料理方法。
ナスやトマトなどの上に伸びる性質の野菜は鍋の下へ、
ニンジンやゴボウなど下に伸びる性質の野菜は鍋の上のほうへ、
そうすることでじわっと出てくる野菜の水分が水蒸気となってうまく対流し、
それぞれの野菜の力を引き出して旨みが出るそう。
有機園さんのロッジにある大きなテーブルを15人ほどで囲んで。
上は70代(たぶん)、下は20代と幅広い年齢層。
ちなみに最年少は我が娘5歳。
またドイツからWWOOFで来ていた子、
東京から1か月前に移住してきた子など出身もばらばら。
これだけさまざまな女性が参加する料理教室は珍しいんじゃないかな。
話す内容も幅広くとても面白い。
そして料理の素材である野菜たちは、すぐ横の畑で採れたもの。
タマネギはちょうど収穫の時期、トマトやナスはもうちょっと収穫が先だねと、
野菜は年中収穫できるものじゃなくて、旬の時期があることを学びながら。
お塩やオリーブオイルなどの調味料も小豆島産のもの。
お塩は、小豆島の海水を使って作られた波花堂さんの「御塩(ごえん)」。
なんとその波花堂の方も料理教室に参加されていて、
こうやってどんどん人やものが繋がっていくのも小豆島ならではだと思います。
できあがった野菜の重ね煮はとても甘く美味しく、いろはもぱくぱく食べていました。
重ね煮を使ったスープやオムレツ、チジミなどのアレンジメニューもいただきながら、
感想を話したり、自己紹介しあったり。
有機園さんは、畑と料理する場所、食べる場所がとても近い。
これが「食」の理想の姿なんじゃないかなと思う。
そしてそこにいろんな人が集まってきて、
農や食を介して新たな関係が日々生まれている。
information
小豆島 コスモイン有機園
住所 香川県小豆郡土庄町長浜甲1446-1 TEL 0879-62-4221
宿泊料金:1500(納屋素泊まりプラン)〜6000円(1泊2食付プラン、ハイシーズン500円増し)
http://ww82.tiki.ne.jp/~cosmo-yuki/
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