熊谷〈みかんビル〉
女性の起業をサポートするシェアサロン

ハクワークス vol.6

埼玉県熊谷市にて、空き家を使った設計、事業の立ち上げや場の運営も行うなど、
“空き家建築士”として活動する、〈ハクワークス〉の白田和裕さんの連載です。

今回のテーマは、熊谷市中心市街地の目抜き通りにある築40年のビル。
外壁工事の依頼からビルの運営にまで発展し、
女性が集うシェアサロンとなった経緯を振り返っていきます。

熊谷のシャンゼリゼ通りにあるレトロビル

とある日、1本の連絡がきました。
「市役所通りにあるビルで、タイルの改修の見積もりが欲しいんですけど」

そこでお会いしたのがオーナーの荒井広美さん。
相続したビルのタイルが劣化し、剥落する可能性があるので改修したいとのこと。
熊谷の目抜き通りである市役所通り(僕は“シャンゼリゼ通り”と呼んでいる)にある、
築40年の3階建てのレトロビル。タイルの具合も見ながら、
ビル内も見学させてもらいました。ワクワク!

緑のタイルがクラシックな雰囲気のレトロビル。

緑のタイルがクラシックな雰囲気のレトロビル。

既存の部屋(和室)。

既存の部屋(和室)。

木目と柄のクロス。クセが強い。

木目と柄のクロス。クセが強い。

レトロなクロス、アンティークな家具に時代を感じさせる照明。
窓の向こうからは、市役所通りのケヤキの新緑が飛び込んできます。
このビルの魅力をビシビシと感じました。

先代は1階で薬局を経営し、2階は住居、
3階は倉庫と趣味のカラオケ教室だったそうです。
それが現在では1階にフレンチのお店が入居するのみで、
2~3階は当時のまま空き家となっていました。

窓を開けると街路樹の緑が広がる。

窓を開けると街路樹の緑が広がる。

困ったなー! 相続空き家問題

タイルの改修の見積もりは200万円となりました。
オーナーさんは別の場所に居住し、子育てをしています。
このビルを所有しているだけで固定資産税がかかり、
今回は改修費用も重なるしんどい事態。
またこの先どのタイミングで解体するのか、
どう引き継いでいくのかといった不安も出てくるはず。

僕自身、空き家建築士の名にかけて、この萌ゆるビルの行末に伴走したいと、
2~3階を借りて運営させてもらえないかと願い出ることにしました。

タイルはちゃんと改修しました。

タイルはちゃんと改修しました。

profile

白田和裕 Kazuhiro Hakuta
はくた・かずひろ●1981年埼玉県草加市出身。熊谷にて〈設計事務所ハクワークス〉〈まちづくり団体A.A.O〉、草加にて〈キッチンスタジオアオイエ〉で活動中。大学卒業後、ドイツ・ケルンの設計事務所にて研修し、古いものを生かしたリノベーションの虜に。2016年よりハクワークスとして独立。「空き家にチャンスを。空き家でチャンスを」をテーマに活動中。空き家をシェアキッチン〈デンクマル〉に、空きビルをシェアカフェ〈シェアカフェ★エイエイオー〉に、空きビルの区画をシェアサロン〈みかんビル〉にするなど、“空き家を開き屋“に。建築士が空き家を妄想する不動産サイト『空き家妄想バンク』も展開。まちの旗振り役として地域を巻き込み、“ おもしろい妄想”を繰り広げる。
https://www.denkmal.work/hakuworks

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