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ミツバチとヤギによる
「循環型農園」とは?
地域が幸せになる耕作放棄地再生計画|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.061

Page 4

楽園への道のりは長い……

実は、当初ヤギを飼う時期の目標はこの初夏としていたのですが、
農地を広くお借りできたことと、借り始めて実際に作業を始めると
想定以上に手間がかかり、いまは先延ばしにしている状況です。

農機具や小屋が放置されたままの耕作放棄地

農機具や小屋が放置されたまま耕作放棄地となっていた農地もあり、
まずは片づけから始めました。
これだけでもなかなか手強かったのですが、
もうひとつ大きな問題が勃発したのです。

2、3日雨が降り続いたあと、農園で作業をしようと足を運ぶと……
奥の山に近いあたりの様子がおかしいのです。
あれ? 池? というほどのな大きな水たまりが……。

大きな水たまり

池の中には無数のカエルの卵が……。このままではヤギ牧場でもミツバチの楽園でもなく、カエルの楽園になってしまいそう……。

この水たまり、数日たってもほとんど小さくなりません。
もともとはちゃんと水路があって水を流していたようなのですが、
水路が埋まってしまい、すごく水はけが悪くなっていたようです。

これでは梅雨時や台風の時期にヤギ牧場が水没してしまう。
池を前に鉄兵さんと僕はしばし呆然としてしまいました。
しかし呆然としていても何も解決しません。

気を取り直して重機を借りて、掘って、
川につながる水路を復活させました。

耕作放棄地を再生させると獣のすみかを減らすことになり、近隣の農地の獣害被害にも影響があるそうです。

水路がつながるとしっかり水が流れてくれて水はけは改善されました。
大雨のときもしっかり排水されていてひと安心。
これならヤギ牧場が水没することはなさそうです。

水路

これから、掘ったままの水路の一部は集水パイプを入れて埋め戻して、
鹿や猪が入ってこないようにする柵で農地を囲み、
すっかり固くなってしまっている土地を耕運して、
ヤギ小屋をつくって、あれしてこれして……と
まだまだヤギを迎え入れるまでにやることが山盛りです。

ヤギ小屋のイメージ図

ヤギ小屋は建築屋でもある僕の担当です。ヤギエリアと作物エリアを移動可能な「モバイルヤギ小屋」を考えています。

ゴミを集めて捨てたり、石を運んだり、土を掘ったり。
ひとつひとつの作業は地味で、辛いことも多い。
でも、ミツバチとヤギ、そしてヒトと地域が
お互いに良い関係でい続けることができるための「養蜂場」、
そして「ヤギ牧場」はどんなところだろうか? 
と考えながら作業をするのはとても楽しいです。

こつこつこつこつ。泥んこになりながら。
焦らずにしっかり準備してヤギを迎え入れたいです。

高橋養蜂

今回はヤギ牧場計画のことばかり書きましたが、いまは本業の養蜂も最も忙しい時期です。満開のみかんの花の蜜をミツバチたちが日々集めて、熟成したものから採蜜しています。蜂蜜ができるまでについては、こちらをどうぞ。

information

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高橋養蜂

住所:静岡県下田市箕作787-1

TEL:0558-28-0225

Web:http://takahashihoney.net/

文 津留崎鎮生