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みんなで野草を食べてみよう!
自然豊かな伊豆、
身近な山で野草を学ぶ|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.060

Page 2

“暮らしの知恵”を学びたい

10日間の長いゴールデンウィーク。
わが家には東京から姉家族が遊びにきてくれたので、
娘もいとこたちと大はしゃぎ。
にぎやかな休日を過ごしました。
そして最終日には、友人たちとちょっとおもしろい会を開いたのです。
それは、「みんなで野草を食べてみよう」という会。

野草摘み

収穫した野草は籠へ

そもそもの発端は、「野草について勉強してみたい」と
私が友人に持ちかけたことでした。

私が野草について興味を持ったのは、
3年前にある女性と出会ったことがきっかけでした。
その女性は、徳島県の祖谷(いや)という山間部に住んでいます。
「山奥での暮らしに不便さや不安を感じることはないですか?」
という私の問いに、彼女は「?」といった感じで首をかしげました。

天ぷらが食べたくなったら裏山で野草を摘めばいいし、
体調が悪くなったら薬として山の野草を使うし、
不便も不安もないといった具合なのです。
当時東京に住んでいた私は、自然とともに暮らす彼女の姿に
強く惹きつけられました。
自分もそうした暮らしの知恵を少しずつ学んでいきたいと思ったのです。

徳島県の祖谷に住む都築麗子さん

詳しくは「美味しいアルバム」で紹介しています。

東京に住んでいた頃は、
「さあ野草について学ぶぞ!」といっても、
どこにどう行けばよいのか皆目見当がつきませんでした。
さらに、野草に詳しい人にも心当たりがなかったのです。

けれど、下田というまちは山々に囲まれています。
春になると植物が芽吹き始め、まぶしいほどの新緑に包まれていくのです。
教えてくれる人さえ探せば、身近な山で野草を学べるのではないか。
そして、この環境なら詳しい人が必ずいる、そう思えたのです。

黄色い花はキンポウゲの仲間

このかわいらしい黄色い花はキンポウゲの仲間で、毒性があるので食べられません。危険な野草もあるので、初心者の方は詳しいガイドの方との同行をおすすめします。

下田の隣町の南伊豆は、下田よりもさらに山の深い地域です。
そのまちに住む友人、赤池彩さんに、
野草に詳しい方を知らないか聞いてみました。
すると、心当たりがあるということで紹介してくれたのが
塚本春菜さんです。

春菜さんは現在は修善寺在住ですが、以前は南伊豆に住んでいて
野草料理を提供するカフェを営業されていました。
さらに、伊豆半島ジオガイド協会に所属し、
伊豆半島の各所で野草を紹介するワークショップなどを開催されています。
彩さんから春菜さんにオファーをしてもらうと、
快く引き受けてくれました。

赤池完介さん彩さんご夫妻、塚本春菜さんとわが家

右から赤池完介さん彩さんご夫妻、塚本春菜さんとわが家。

春菜さんが南伊豆に来てくれることが決まり、
その後メールで打ち合わせを始めました。

まずは、どこの場所で野草を摘むかということが最大の課題です。
下田や南伊豆には山がたくさんありますが、
無断で入っていいかというとおそらくまずい。
彩さんがいろいろとリサーチしてくれたのち、
友人宅の裏山をお借りできることになりました。

その友人というのは、わが家に米づくりを指南してくれている
中村大軌くん

彩さんは大軌くんとご近所さんでとても親しく、
わが家も何かとお世話になっている友人です。

下田で暮らし始めて感じるのは、
こうしておおよその友だちがつながっているということ。
小さいコミュニティの特徴だと思うのですが、
友人との距離が近いので何かと相談しやすいと感じます。

東京から移住してきた身からすると、
友人に山を借りるというのは不思議な感覚です。
友人との距離感も、そして自然とも密接なこの環境ならでは。
本当に恵まれています。

もうひとつの懸念材料。
その時期に、はたして友人の裏山に野草が生えているかどうか。
それを確認すべく、彩さんと春菜さんが事前に下見に行ってくれました。
その後のメールでは、想像以上にたくさんの野草が見つかったとのこと。
ふたりのテンションが上がっているのが伝わってくるような内容で、
こちらもいよいよ当日が楽しみになったのです。

小さい小さい蛙

小さい小さい蛙。娘が捕獲してかわいがっていました。