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当日の早朝はかなり強い雨。
大丈夫なのか? と心配でしたが、次第に空が明るくなり
集合時間にはすっかり雨もやんでくれました。
この日集まったのは春菜さんと彩さん、彩さんのご主人の完介さんと
息子さんふたり、そしてわが家の総勢8人。
雨露にぬれた地面を踏みしめながら、
水分たっぷりの気持ちのよい山の空気を吸いながら散策開始です。
散策を開始したものの、素人目にはどの草も
食べられそうに見えないし、ただの草に見える。
そうした中から、春菜さんは次から次へと
食べられる野草を見つけ出してくれます。
「これはオニノゲシね、これはギシギシ」
初めて耳にする名前ばかり……。
「あ、ここにミョウガがあるね」
聞き覚えのある名前に一同反応。
「ミョウガって、あのミョウガですか?」
「そうそう、あのミョウガ。
もう少し大きくなってから収穫したほうがいいね」
この日はおよそ20種類の野草を春菜さんに案内してもらいました。
不思議なことに、みんな次第に目が慣れていき、少しずつではありますが、
野草を自分たちで見つけられるようになってくるのです。
さらに、いつも素通りしていた地面を
こうしてじっくり見つめるという行為が何だか妙に心が落ち着く。
しかも、自然が生み出したそれぞれの造形美に
あらためて感心してしまいます。