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そして移住先探しの旅は続く。
心機一転、新たな旅へ|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.011

Page 3

美杉で経験したこと、感じたこと、考えたことは僕にとって、わが家にとってかけがえのない宝物です。そう、こうしてあたって砕けてしかわからないこともあるのです。人生に無駄はない!

新たな移住先探しの旅へ

まずは、あらためてどこに移住先探しの旅をするかを考え始めました。

いままでに考えていた移住先の条件(詳しくはvol.3を)

1 自給的生活のできる土地

2 井戸水・沢の水が飲める、または日常的に汲みに行ける距離に湧水がある

3 東京へのアクセスのよさ(車で6時間以内くらいを目安)

4 小学校・中学校が近くにあり、徒歩圏内に駅やバス停がある

5 温暖な気候

6 なるべくお金をかけずに生活できる物件価格・賃料

(売買なら400万、賃貸なら月3万を目安)

を少なからず考え直す必要があるのかと思います。

毎週末帰れる距離というと具体的にどれくらいか? 
感覚的な話になってきますが、目安として車で片道3時間とします。
そして車の運転があまり好きではない妻が
娘を東京に連れて行く際には電車で帰りたいとのことなので、
電車でも東京へのアクセスがいい立地がよいのでしょう。
妻は移住後も東京の仕事を受けることを考えています。
その際にも渋滞で時間が読めない車移動より
電車移動のほうがよいのかもしれません。

ただしその立地条件となると、当初考えていた売買なら400万、
賃貸なら3万という予算では厳しそうです。
そもそも娘が移住に対して抵抗感を抱いてしまっている
いまの状況を考えると、いきなりの売買はリスクが高すぎるので
賃貸で考えます。

賃貸物件の賃料としては、東京から車で3時間、
電車でのアクセスもよいエリアの相場を調べると
6万円前後にはなりそうです(家族で住める広さの戸建ての場合)。

とりあえず、一般的な賃貸物件からスタートして
その土地に馴染めるようであれば、地域に入り込んで
地元住民にしか出回らない空き家情報などから、
より理想に近い物件がでてくるかもしれません。
美杉の仮住まいの物件も地元の人の空き家情報から見つけました。
それもあって格安でした。

最初から多くの条件を満たす物件を見つけようと思っても
なかなか難しい話なのでしょう。

といっても賃料6万円だとしても都市部の相場から比べるとかなり安いです。
地方ではこの金額で駐車場つきの家が借りることができるのです。

……少し余談を。

日本人の住宅購入代の平均が3700万円、利子を含めると
総支払額5000万円以上にもなるそうです(利子すごい……)。

そして日本人の平均世帯年収は550万円。

住宅のために、金利のために何年間働くのでしょうか……? 
バランスがおかしいように感じます。

さらには空き家が増えて住宅が余っているという状況を考えても、
新築を建て続ける、売り続ける、買い続けるこの状況には違和感を感じます。

総務省統計局 平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約より http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/10_1.htm

例えば高い住宅を買わずに収入や労働時間を減らして、
できた時間で余っている空き家をDIYでリノベーションする、
そんなわくわくする選択肢がもっと一般的になってもよい気がします。
もちろん業者に頼むより手間と時間はかかりますが、
楽しくやりがいもあります(資本主義経済的にはお金が動かないので
よろしくないのかもしれませんが……)。

美杉でお世話になっている沓沢家のご主人(vol.4参照)も
営むレストランの冬の長い休みを利用して自宅の浴室をつくっていました。
料理のクオリティを維持するためでもあるのでしょうが、
営業は週4日の予約制ランチのみ、冬は1か月以上の休みをとっています。
ワークライフバランスについて考えさせられます。
大事なのは、そんなことができる状況に
自分をもっていくということなのでしょう。

ご主人が奥さまに「300万の工事だよ、これ」と冗談で言っていたのですが、東京のリノベーション会社にいた僕からするとそれは冗談でなく300万かかる工事なのです。

……閑話休題。

では具体的にどこを旅するか? 
条件に合いそうな自治体に移住お試し住宅があれば
そこを拠点に物件探しができるのでは、と情報収集します。

結果、伊豆半島の東南部エリアが気になってきました。
伊豆半島南端が南伊豆町、その東側の下田市、
下田市の北側の河津町、その北側の東伊豆町。

実は妻の祖母の別荘が下田にあり、その別荘には何度も行っていました。
馴染みのある土地で、多少土地勘もあります。
東側の国道を南下していくとだんだんと海がきれいになっていくのが
強く印象に残っています。

またもグーグルマップとにらめっこ。沼津から南下せず静岡方面に進むという選択肢もあるのですが、寒がりの自分たちは暖かい伊豆に惹かれてしまいます。伊豆に住んだら民宿やゲストハウスやってみたいという妄想がさらに膨らんでしまいそうです。

そんな伊豆半島の東側には下田を終点とする伊豆急行があり、
東京からの電車でのアクセスは問題ありません。
車でも下田駅までは東京の家からちょうど3時間。
そして、東伊豆町、南伊豆町、河津町はお試し住宅を持っていて、
移住者受け入れに対しても積極的に取り組んでいるようなのです。