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奄美大島お試し移住、
憧れだけで来ちゃったけど
実際どうなの

ローカルの暮らしと移住
vol.023

posted:2018.8.2   from:鹿児島県  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  ローカルで暮らすことや移住することを選択し、独自のライフスタイルを切り開いている人がいます。
地域で暮らすことで見えてくる、日本のローカルのおもしろさと上質な生活について。

writer profile

Toru Watanabe

渡邊徹

わたなべ・とおる●川崎在住。恵比寿にあるデザイン会社、コンセントに勤めている。会社での肩書きはクリエイティブディレクター。会社員でありつつも、実写VR映像クリエイター 渡邊課の課長として映像作家として活動している。造本デザイナーの妻と、8月で2歳になる娘と3人で暮らしている。奄美大島への移住を検討している。

憧れはあるけれどなかなか実行に移せない「移住」。
その地の暮らしに馴染めるのか? 子育ての環境としてはどうなのか? 仕事は?

たくさんの疑問と不安を解消すべく、1か月のお試し移住を決めたVR映像作家の渡邊家。
鹿児島・奄美大島から渡邊家がリポートします。

はじめまして。

どうも渡邊家の家長の渡邊徹です。
実写のVRの映像家〈渡邊課〉として活動しています。

テレビ大阪の特番のVRのアドバイザーをした時のロケ時の写真です。熱海城。※クリックで360度カメラ再生

そんな僕が今回奄美大島へ1か月のお試し移住をすることになりました。
移住というのは、なかなか壮大なお話で、漠然とした憧れのようなものはあったものの、
現実味がなくリアリティを持って考えたことはありませんでした

2017年に娘が生まれてから訪れた際の一枚。

2017年に娘が生まれてから訪れた際の一枚。

ワイルドでロハスな人が、島に移住するのはイメージがつくとは思うのですが。
ずーっと東京近郊で生まれ育ちなんなら都会暮らし肯定派の僕が
急に島での暮らしに馴染めるのかとか。子育ての環境としてはどうなのか? とか。
仕事は休まず持ち込む予定なので、
普段使っているIT系のリモートワークのツール類は機能するのか? などなど。

移住している先輩方にもたくさん話を聞いて
いろいろと思うことを率直な意見として書いていこうと思います。

僕の紹介をさせてもらいます。
35歳で恵比寿にあるデザイン会社でエディトリアルデザイナーとVR映像作家の
二足のわらじでやっております。仕事の比率は2:8くらいで、映像つくっています。
仕事は、まぁ、いわゆる不規則で終電で帰ることが常態化しています。

ただ、仕事に対するストレスはなくモノをつくるのが楽しいタイプなので
つい働き過ぎてしまうというのが実状です。

在宅で造本デザイナーをしている34歳の妻の麻由美と、
もうすぐ2歳になる娘のあさ葉の3人家族です。

出発の日。※クリックで360度カメラ再生

娘は保育園には一時保育という制度を使って、週3通っています。
僕の父と母も近くに住んでいることもあり週末やたまに平日預かってもらうことも。

子どもができる前は、土日も仕事に明け暮れていましたが、
休日は娘と過ごすようになりました。成長を日々感じ、
それを目の当たりにするのが最近とても楽しく、おもしろいなーと感じていて、
もっともっと見ていたいなーと最近よく感じています。

現在は川崎市の南武線のとある駅に住んでいます。
東京までは30分くらいで出られる便利なエリアで、
そこはもともと、僕の祖母の家で30年来僕自身も通っていたところです。
僕の出身は東京都町田市というところで、よく神奈川でしょ? と言われますが。
一応東京です。

〈コンセント〉(元アレフゼロ)というデザインの会社に勤めており、12年目になります。
最初はエディトリアルデザイナーとしてキャリアをスタートして、
雑誌や広報誌のデザインを中心にやっていました。会社が合併するタイミングで、
ウェブデザイナーに社内転職をして、最近はラボ的に立ち上げたVRの映像制作も、
事業として軌道に乗り始めてきました。

紙とVR映像の作家として会社に属しながらも、
フリーランスのように自由に働かせてもらっています。
なので、今回のお試し移住は会社員として休み半分、リモート仕事半分という状態で行きます。

奄美大島へは妻の妊娠中に初めて訪れました。
島の自然と、そこで活動している作家さんに出会いました。

2016年に妻も妊娠7か月というタイミングで、奄美大島へ。藍染めが体験できる金井工芸さんで、生まれてくる娘とお揃いの染物ティシャツをつくったり。

2016年に妻も妊娠7か月というタイミングで、奄美大島へ。藍染めが体験できる金井工芸さんで、生まれてくる娘とお揃いの染物Tシャツをつくったり。

そして子どもが生まれて10か月くらいになった時に、2回目。
以前訪れた場所にまた滞在して、より深く島の人と話す機会も生まれて、島の人たちは、
一過性になりがちな観光産業は求めていないことがわかりました。
本当の意味で奄美大島が求めていることってなんだろう? 
っていう考えが、コンテンツを作る人として出て来ました。

娘が10か月くらいになって2回目の奄美大島。

娘が10か月くらいになって2回目の奄美大島。

今回の奄美のお試し移住をすることになったきっかけは、
〈amu〉というイベントスペースで行ったイベントです。

公開家族会議:渡邊家の場合――「奄美大島に移住しようと思う」

イベントでも一緒に登壇をした、寶園(ホウゾノ)さんといろいろ話をすることで
より奄美大島に興味が出てきて、公開家族会議でのみんなの意見も参考にして、
今回のお試し移住が決まりました。

寶園さんは大阪から奄美大島に移住し、木工作家 KOSHIRAERU としてご活躍されています。
出会いは2年前に初めて奄美大島に来た時に、
金井工芸さんのところで染物体験をしていた時に出会いました。
素材にこだわり奄美大島で取れる木材を使ってひとつひとつ手仕事でつくられる作品は、
独特のフォルムと手触りがあり長く使っていたくなるものになっています。
うちも、あさ葉用のスプーンと、時計を使っています。
お店の紹介はまた今度詳しく。

去年あさ葉用のスプーンを選んだ時。

去年あさ葉用のスプーンを選んだ時。

次のページ
1か月のお試し移住に決定!

Page 2

そこで、今回のお試し移住の経緯ですが、僕が「奄美に住んでみよう」と家族に
提案してみて、会議をしていたのですが、どうせなら、
それを公開家族会議というかたちで第三者も交えつつ意見交換をして、
最終的に多数決を取って今後をどうするかを決めてみようということにしました。

そこで出た結論は。「お試し移住」

完全移住にはやはり課題が多そうだね。特にネット周りへの不安。
イベント当日ビデオチャットで寶園さんにつないでいたのですが途中落ちたりが多かったので。
とりあえず行ってみては? という意見にまとまったのです。

そして今回が3回目の訪島になります。
滞在期間は1か月! 7月2日から7月31日まで、まるっとひと月。

やろうとしてること

・グラビア撮影

・ダイビングの免許を取る

・妻の中村麻由美による、製本ワークショップ

・加計呂麻に行く

・親と弟家族を招く

・ローカルのクリエイターと情報交換

・映像作品をひとつ作る

後々の連載で寶園さんにもご登場いただき、
島のリアルな話を根掘り葉掘り聞いていこうと思っています。
同じくらいの齢のお子さんを持つパパ友として、
移住の現状についていろいろ話を聞かせてもらおうと思っております。

パッキング

1か月滞在の荷物を事前に送っておくことになりました。

奄美大島は、東京から行く場合は、成田空港からLCCのバニラエアで1本です。
7月の初旬は8,000円くらいで行けますが、
夏のハイシーズンではその4倍の28,000円くらいになります。

持っていける荷物量に制限があるので
事前にトランク2台とダンボール2箱分の荷物を送ることにしました。
プチ引っ越しという感じで、10,000円でお釣りがくるくらいでした。

送った荷物としては。

・3人分の衣類が1週間分ずつ。

・娘の普段使っているおもちゃ(ぬいぐるみ、絵本、お砂遊び)

・海道具(ライフジャケット、アクアシューズ、足ヒレ、浮き輪など)

・カフェインレスコーヒー(僕がカフェインNGのため)

・本(手荷物だと重すぎるので今回は3冊。どこかで紹介します。w)

・おむつ、おしりふき

7月2日(月)

本当ならば奄美大島に降り立っているはずが、
台風7号の影響でVanillaが飛ばず。関東に足止め。
さらに振替も出遅れて5日になってしまい。出鼻をくじかれてしまう。

急に暇になったので荷造りを入念にすることに。
妻の製本道具などを段ボールに詰めて滞在先に送る。
大だいたい中2日くらいで東京からは送れます。

7月3日(火)

5日まで家にいるのが気持ち的に萎えてきたので、成田近くにホテルを取ることにして、
前日入りして朝はゆっくり空港に行くことに。
あさ葉も保育園を休みにしてしまったので、武蔵小杉に買い出し行きつつ、
会社に行き撮影道具の最終チェックをすることに。

そんな中、滞在期間中に台風が来そうとの予報が……。
しかもグラビアVR撮影の日程中に果たしてどうなることやら。

7月4日(水)

朝から成田近くのホテルに移動。
ベビーカーは持っていかないことにしたので、娘は基本抱っこで移動。
最近は歩いてくれるようになってきたので、時間はかかるが歩かせて移動も。
飛行機の時間を気にしていたらなかなか大変だったろうなーと想像する。
空港でベビーカーを借り、キッズスペースでゴロゴロ遊んだり、飛行機を見たりして、
娘を遊ばせてからホテルへ。

グラビアVR撮影をやめることに。日程を後ろにズラすことも検討してみたのだが、
一人頭の交通費が最初に予約した時と4万ほど跳ね上がってしまいリスケすることに。
跳ね上がったとしてもLCCだと安いんだよなー。
機材も送っちゃったので、渡邊課のスタッフにはそのまま来てもらって、
地元の映像チームと一緒に映像をつくろうと画策しているところ。

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普段、子どもの成長の記録をVRで残しています。
VRは撮影の対象だけでなく、撮影者とその周辺を一瞬で記録できる方法です。

今回の奄美でのお試し移住の様子もVR写真を通じてみなさんにも体感してもらいつつ。
移住検討のきっかけになったらうれしいです。

毎回最後に、移住したい度というのを、つけておきたいと思います。

[移住したい度]

徹 ★★★☆☆

台風に阻まれつつ、ちょっとビビってる。8号も近づいてる……。

麻由美 ★★★☆☆

楽しみと不安、五分五分。

あさ葉 ★★★☆☆(親が採点)

飛行機での移動は楽しんでる模様。

次回は滞在先の紹介と、奄美大島の移住者支援の団体のネリヤカナヤさんの紹介です。

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