便利な時代だからこそ不便な暮らしを。 自然とつながることで楽しむ、 趣味の延長上の家
伝説のわな猟師の生き様に感動して始めた狩猟
「狩猟をやっていると、自分はほかの動物の命に生かされていることに
気づかされるんです。
自分で命を獲ったものを、自分で解体して食べる。
その“命をいただく”感覚に感動したんです」
茨城県笠間市の郊外で、BESSの「ワンダーデバイス」に暮らす菅谷一成さんは
「狩猟」の醍醐味をこう語る。

菅谷一成さんと妻の恵子さん。
菅谷さんは自動車ディーラーで営業の仕事をするかたわら、
わな猟の狩猟免許を取得している。
笠間市は近年イノシシやハクビシンなどの獣害に悩まされており、
一成さんは地域の捕獲団体に所属して、イノシシなどの獣害対策に当たっている。
家の周辺にはいくつかの箱罠を仕掛けており、これを毎朝チェックするのが日課だ。
「もしイノシシが入っていたら、その後仕事に行かなければならなくても
朝のうちにシメます。
営業と狩猟というなんだか両極端なことをしているものですから、
どうやら会社では『菅谷ってやべえ奴だぞ』と、評判が立っているようですが(笑)」

自宅近くに設置された箱罠。取材に訪れる数週間前には2頭のイノシシが罠にかかっていたという。
狩猟にのめり込んだきっかけは、3年ほど前にたまたま見た、
伝説の罠猟師・片桐邦雄を追ったドキュメンタリー番組だった。
「もともと猟には興味があったのですが、
片桐さんの生き様を見ていたらもう一気に狩猟の世界に惹き込まれてしまいまして。
本格的に狩猟をやってみたいと思い始めました。
そうしたらちょうど住んでいる地区にあるイノシシの駆除隊から、
メンバーに入ってくれないかとお誘いがあったんです」

リビングの本棚には伝説の罠師・片桐邦雄さんの書籍が。
願ってもないタイミングで声がかかり、迷わず駆除隊に入隊することを決めた菅谷さん。
偶然にも笠間市には茨城県の狩猟者研修センターがあり、
狩猟免許を取りやすい環境も整っていた。
そして憧れの片桐さんと同じく、「わな猟師」の免許を取得した菅谷さん。
この日は一成さんのお気に入りの場所だという広いウッドデッキで、
仕留めた猪肉を振る舞ってくれた。