連載
posted:2020.8.31 from:長野県松本市 genre:暮らしと移住 / アート・デザイン・建築
sponsored by BESS
〈 この連載・企画は… 〉
ライフスタイルの基本は、やはり「家」。
ログハウスなど木の家を得意とする住宅ブランド〈BESS〉とともに、
わが家に好きなものをつめこんで、
最大限に暮らしをおもしろがっている人たちをご紹介します。
writer profile
Takuryu Yamada
山田卓立
やまだ・たくりゅう●エディター/ライター。1986年生まれ、神奈川県鎌倉市出身。海よりも山派。旅雑誌、ネイチャーグラフ誌、メンズライフスタイルメディアを経て、フリーランスに。現在はキャンプ、登山、落語、塊根植物に夢中。
photographer profile
Ryosuke Kikuchi
菊池良助
きくち・りょうすけ●栃木県出身。写真ひとつぼ展入選後、雑誌『STUDIO VOICE』編集部との縁で、INFASパブリケーションズ社内カメラマンを経てフリーランス。雑誌広告を中心に、ジャンル問わず広範囲で撮影中。鎌倉には20代極貧期に友人の家に転がり込んだのが始まり。フリーランス初期には都内に住んだものの鎌倉シックに陥って出戻り。都内との往来生活も通算10年目に。鎌倉の表現者のコレクティブ「全然禅」のメンバー。
http://d.hatena.ne.jp/rufuto2007/
日本有数の名山が連なる北アルプスの稜線を一望できる長野県松本市。
この景観に惚れ込み、5年前に東京から移住してきたのが、
的場一峰(まとば・かずみね)さん一家だ。
一家が暮らすのは、住宅ブランド〈BESS〉のなかでも
三角屋根が特徴的なログハウス「G-LOG」。
室内から外へゆるやかにつながるウッドデッキがあり、
その先に手入れの行き届いたイングリッシュガーデンが広がっている。
松本駅からほど近い住宅街で、ひと際目立つとんがり屋根のお宅から
的場一峰さん・友恵さんのご夫婦と子どもたち4人の賑やかな声が聞こえてきた。
バラのアーチをくぐり、ウッドデッキから玄関を上がると
広々としたダイニングとキッチンが出迎えてくれる。
お菓子づくりが趣味の友恵さんが、
とくにこだわり抜いたというのがアイランドキッチンだ。
キッチンにはあらゆる調理器具を取りそろえ、それに合わせてキッチンを調整した。
〈ミーレ〉の食洗機やオーブン、〈キッチンエイド〉のミキサー、
〈ロボクープ〉のフードプロセッサーなど、
友恵さんのキッチンにはプロ顔負けのキッチンツールが並んでいる。
というのも、友恵さんは東京でスパイスカレーやクレープなど
手づくりをコンセプトにした喫茶店を経営していたこともあり、
自宅でのお菓子づくりも本格的だ。
松本に来て、東京暮らしのときには
なかなか挑戦しづらかったお菓子にもチャレンジしている。
「東京に住んでいたときは、マンションの手狭なキッチンがとにかく窮屈でした。
このキッチンなら下の女の子3人も広く使うことができるので楽しいし、
ストレスなく料理できるようになりました」(友恵さん)
とくにマカロンは、簡単そうで意外と難易度の高いお菓子。
すぐにひび割れてしまったり、オーブンが変わるだけでも微妙な誤差が生じるので
友恵さんは、マカロンづくりに実験的な楽しさを見出している。
そのなかで、新しいレシピに挑戦することは日々の楽しみ。
松本に来てBESSの家で暮らすことで、自然を身近に感じ、
本格的に家庭菜園を始めたり、地元の特産食材にも注目するようになった。
地元で採れたブルーベリーやルバーブは新鮮でおいしい。
そうした地元の食材を、どうしたらお菓子としてさらにおいしくなるか、
研究しながらお菓子をつくることがとにかく楽しいようだ。
友恵さんの料理への探究心と情熱は、
松本に来てより一層燃え上がっている。
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キッチンと同様に、友恵さんが気に入っているのが庭だ。
ここに住み始めてから約2年、日々庭が進化していき
ガーデンアーチのバラは、ようやく背丈を超えた。
手塩にかけて育てているバラは、友恵さんの長年の夢だった。
これまで都心での生活が長かったため
地植えができる庭でしっかりと植物を育てたくて、大きな庭に憧れていた。
なかでもバラは、すぐ病気になったり虫がつきやすかったり
きれいに花を咲かせるには、手間がかかることも知っていたので特別思い入れも強かった。
そんなバラのガーデンアーチは、ご近所さんにも褒められる力作だ。
でも、まだまだ発展途上。次は、外壁を覆うように「つるバラ」を育てる計画だ。
ほかにもイチゴやハーブと色とりどりの草花が庭を彩り、
家庭菜園で採れる野菜もあるので、スーパーで買わなくなったものも増えたそう。
そして、庭いじりへの情熱は軒先の庭に止まらず、自宅の近くにもうひとつ畑を借りて
子どもたちと手入れをしにいくことが日課になっている。
東京でのマンション暮らしと変わったことは? という問いに、友恵さんは
「東京での子育ては、休日の過ごし方を週の半ばから考えなければいけませんでした。
公園や買い物に行くのでも大所帯なので、その都度きっちりと計画を立てていましたが、
ここならわざわざ準備しなくても、畑に行ったり、大きな公園も近くにあるので、
気負わずに子育てができるのがうれしいですね」
4人の子どもを育てるあわただしい毎日でありながら、
的場さん夫婦は、松本に来てから自分たちの「趣味時間」もより一層充実させている。
共通の趣味である登山にはじまり、
クライミングや雪山の登山、沢登りに加え、
最近は友恵さんがずっと挑戦したかったというギターも購入。
一峰さんは忙しい仕事の合間を縫って、
前にも増してジムや自宅でトレーニングに励んでいるそうだ。
大人が好きなことを思いきり楽しむ姿を見てもらうことが
子どもたちにもいい影響を与えると思って、チャレンジする気持ちを持ち続けたいという。
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一峰さんは、登山やトレッキングをサポートするウェブサービスを運営している。
東京で立ち上げた会社だったが、従業員を雇うタイミングで松本での生活が始まった。
山が近くなったのはもちろんだが、
これまで必要以上に時間を割かれていた電話対応や打ち合わせがなくなり、
帰る時間も早くなった。
現在も東京に行くことがあるが、「あずさ」に乗って約2時間半、
「気分転換で東京に行く」という感覚が気に入っているという。
東京・新宿に構えたオフィスはなにかと便利なところもあったが
松本に帰ってきて、山々の稜線を望むと移住して本当に良かったという気持ちになる。
帰宅して自分の家の前に立つと、思わずウットリしてしまうこともあるそう。
BESSのモデルのなかでも「G-LOG」で気に入っているのは、
シンボルである三角屋根と2階の広々としたベランダ空間「NIDO」。
友人や近所の人を招いてBBQをすることもあれば
子どもたちが寝静まったあとに、夫婦ふたりっきりで晩酌をすることも。
「家の前を通った近所の女性が、『あら、いいわね』って。
この家ならではの過ごし方ができていると実感する瞬間です」(一峰さん)
松本で家を探しているとき、
知人の紹介で駒ヶ根にあるLOGWAY(展示場)を訪れたときの話をしてくれた。
他メーカーの住宅展示場にも足を運んでいたというが、
年季の入ったログハウスのリビングで、ソファに並んでぼーっと座っていたとき
言葉は交わさなかったが、「あぁ、この家に住むんだな」という
直感がふたりのなかにあった。
子どもたちが独り立ちして家を出ることになっても、
いつでも集まれるベースキャンプのような場所にしたいと、友恵さんは言う。
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的場さん一家がこの場所に移住してきたのは、友恵さんが第4子を妊娠中のときだった。
長野県は、東京で暮らしているときから
登山のためにたびたび通っていた、馴染みある土地。
「登山は下山したらすぐに帰ってしまうので、
それまでしっかりと安曇野や松本のまちを見たことがなかったのですが、
安曇野が舞台の朝ドラ『おひさま』を見たときに、
『山が見えるところで暮らしたい!』とすっかり魅せられてしまったんです」と友恵さん。
とはいえ、実際に家族5人(当時)で移住するとなると不安もハードルも多い。
そうしたなか「クラインガルテン」というログハウス付き農園が松本にあることを知り、
週末だけの体験移住から始めてみることに。
以後、週末に東京と長野を往復する生活が始まった。
金曜日に子どもたちの学校が終わったら東京を出発し、
日曜の夜、子どもたちをお風呂に入れて寝る準備をして長野を発つ、
という日々が続いた。
「これなら大丈夫」とようやく確信を持てた3年後に本格的に移住を決意。
その後、移住が決まってからもすぐには家を建てずに
松本で2年ほどの借家生活をしていた。
友恵さんは「狭いし、部屋数は足りないし、本当に窮屈でした」と当時を振り返るが、
その生活があったからこそ、家を買う見通しがついたと一峰さんは言う。
地域のつき合いや学校の仕組み、どんな人が住んでいるかは
ある程度の期間、その土地に住まなければわからない。
移住先でのトラブルや、不快な思いをするのは、その土地のルールを知らないから。
「今ではローカルの人より詳しいですよ!」と胸を張るのは、友恵さん。
第1子を育てている地元の人より、長男、長女を育てた経験があるので
今ではすっかりローカルの人と馴染んでいる。
友恵さんはBESSの暮らしを堪能するかたわら、「コーチャー」を務めている。
「コーチャー」とは、LOGWAYを訪れた人や
BESSに興味のある人にBESSでの暮らしを伝える役割を
無償で買って出ているオーナーのこと。
LOGWAYを訪れた人に対して、いちBESSオーナーとして
ログハウスや薪ストーブの楽しさ、メンテナンスなど、
よいことも手間のかかることも含め、ありのままの暮らしを伝えている。
4人の子どもを育てながら、しっかりと自分たちの趣味を楽しむことも忘れない。
BESSの暮らしを謳歌している的場さん夫婦の夢は、
ひとつずつ、着実にかたちになっているようだ。
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