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おいしさも見た目も、まさに格別。
パティシエたちを
魅了するイチゴ〈紅い雫〉

愛媛県 × colocal
えひめスイーツコレクション
vol.009

posted:2016.1.14   from:愛媛県西予市  genre:食・グルメ / 活性化と創生

sponsored by 愛媛県

〈 この連載・企画は… 〉  愛媛のフルーツ、おいしいのは柑橘だけではないんです!  
イチゴ、柿、栗、キウイなども実は愛媛の銘産です。
愛媛県産フルーツの生産者さんたちを訪ね、愛情をたっぷり注がれて育つフルーツを見てきました。
さらに、秋から冬にかけてぐっとおいしくなる愛媛県産フルーツを使った、
松山市と東京のスイーツ店もご紹介します。

writer's profile

Miki Hayashi

林 みき

はやし・みき●フリーランスのライター/エディター。東京都生まれ、幼年期をアメリカで過ごす。女性向けファッション・カルチャー誌の編集を創刊から7年間手掛けた後、フリーランスに。生粋の食いしん坊のせいか、飲料メーカーや食に関連した仕事を受けることが多い。『コロカル商店』では主に甘いものを担当。

credit

撮影:小川 聡
supported by 愛媛県

甘さもかたちの美しさも一級品。優秀イチゴの育て方

寒い季節に、その鮮やかな色合いで食卓に華を添えてくれる果物イチゴ。
柑橘類の印象が強い愛媛県ですが、実はイチゴの栽培も盛ん。
〈あまおとめ〉、〈紅ほっぺ〉、〈さがほのか〉、〈さちのか〉といった
さまざまな県オリジナルの品種のイチゴが生産されています。

その中でもここ数年、話題となっているのが
〈えひめスイーツコレクション2015〉にも登場した〈紅い雫(あかいしずく)〉。
愛媛県の農林水産研究所が10年の歳月をかけて開発し、
2014年にデビューしたばかりの新品種のイチゴです。

甘酸っぱい味わいの〈紅ほっぺ〉と、
甘さに定評のある〈あまおとめ〉がかけあわされて誕生した〈紅い雫〉。
約1万株の中から選別に成功したという優良品種なのだそう。
そんな〈紅い雫〉の特徴のひとつは、〈あまおとめ〉よりもさらに高い糖度。
しかもただ甘いだけでなくほど良い酸味もあり、
これまでのイチゴになかった深い味わいを備えていて、
そのおいしさに惚れ込むパティシエさんも多いのだとか。

〈えひめスイーツコレクション2015〉で提供されたタルト。お尻から先端まで、美しい紅色に色づくのも〈紅い雫〉の特徴。

〈紅い雫〉のもうひとつの特徴が、その美しい見た目。
厳冬期は色づきがやや悪く、どうしても白い部分が残りがちな〈あまおとめ〉に対し、
実の全体がまんべんなく赤く色づく〈紅い雫〉。
そしてその名の通り、まるで雫のような美しいかたちに実るのだそう。

味よし、見た目よしで人気の〈紅い雫〉ですが、
生産者にとってもうれしい特徴も兼ね備えているのだそう。
その特徴を知りに、西予市宇和町で〈紅い雫〉を生産されている
酒井敏幸さんの園地を訪ねました。

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甘いイチゴの秘訣とは!?

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おいしいだけでなく、育てやすい。まさに優良品種な〈紅い雫〉

愛媛県の南西部に位置し、高知県境の山々とも接する高冷地の西予市。
その宇和町にある酒井さんの園地を訪れたのは、10月下旬とイチゴの旬にはかなり早い時期。
しかしハウスの中を見せていただくと、青々とした葉の中に赤くなった実が既にいくつか。
貴重なひと粒を味見をさせてもらい驚いたのは、その濃厚な風味。
まだ成熟していないというのにしっかりと甘く、口いっぱいに香りが広がる味わいに、
〈紅い雫〉がお菓子づくりのプロたちを虜にする理由を実感できました。

JAひがしうわのいちご部会長を務めている酒井さん。〈紅い雫〉の生産を始めて5年目になるのだそう。

まだ成熟途中なのに、この赤さと大きさ。ひとつの実は25〜30gと、けっこう大粒に育つのだそう。

「〈紅い雫〉の一番の魅力は、早く収穫が始まることですね。
普通のイチゴは早く収穫できるように夜冷(夜冷短日処理)の施設に入れるんですが、
それでも出荷できるのは11月の終わりくらい。
夜冷の処理は労力がものすごくかかるので、何もしなくても早く育つ〈紅い雫〉は
私らみたいに年齢をとった生産者にはありがたいんですよ」と酒井さん。

その分、旬が終わってしまうのも早いのでは……と思いきや
「九州みたいに夜温が高いと旬が早く終了するんだけど、
ここは高冷地で夜の最低温度が低いので大丈夫。
6月下旬くらいまでは手をかけてあげれば、花が次々とあがってくるんですよ。
あと他の品種のイチゴは苗を植えてみても、
花があがらない株がいくつか出てくるものなのですが、
〈紅い雫〉は100%近く花があがるんですよ。これは研究と開発の賜物なんでしょうね」

旬に向けて咲き始めていたイチゴの花。花の中心にある〈花托(かたく)〉が成長し、私たちが食べる赤い実になるのです。

生産をする側にとってもメリットが多い〈紅い雫〉ですが、
さらにおいしく育てる工夫も酒井さんは怠っていません。
「冬の果物に糖度をのせるのと、きれいに着色させるには日照が大切なんですが、
場所によってはどうしても陽が当たらないところが出てきてしまうので、
そこには反射シートを敷いて、陽がまんべんなく当たるようにしています」

ずらりと並んだ〈紅い雫〉の苗たち。

もともと品種として優れているのに加え、酒井さんの手によって大切に育てられる〈紅い雫〉。
かけてあげた手間はしっかりと味に現れます。
「酸味が少なくて食べやすいからか、1歳4か月の孫も大好きなんですよ。
ほかの品種のものと一緒に食べさせたら、やっぱり〈紅い雫〉を選びましたね」

苗を増やすのに時間がかかることもあり、まだまだ収穫量が少ないという〈紅い雫〉。
しかし一度味わったら忘れられない格別な味わいと育てやすさに、
消費者だけでなく生産者からのニーズもどんどん高まっていく予感がします。
高齢化に悩む生産者たちの救世主にもなりそうな〈紅い雫〉、
今後ぜひとも注目いただきたい愛媛県産フルーツのひとつです。

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JAひがしうわ

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