colocal コロカル マガジンハウス Local Network Magazine

連載の一覧 記事の検索・都道府県ごとの一覧
記事のカテゴリー

連載

「ヌー銅セクシー・コンテスト」
結果発表第5弾

みうらじゅんのニッポン民俗学研究所
vol.020

posted:2013.9.20   from:全国  genre:エンタメ・お楽しみ

〈 この連載・企画は… 〉  独自の視点で日本各地のユニークな文化を研究してきたみうらじゅんが、
読者にフィールドワークを課しながら集成していく新たなプロジェクト。

profile

Jun Miura

みうらじゅん

みうら・じゅん●1958年、京都府生まれ。イラストレーターなど。代表作に『アイデン&ティティ』など。“マイブーム”の生みの親であり、「とんまつり」や安斎肇とのユニット「勝手に観光協会」など、日本各地の知られざる魅力を独自の視点で広める活動も多い。『マイ仏教』(新潮新書)、リリー・フランキーとの対談本『どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか』(扶桑社)、いとうせいこうとの共著『見仏記 ぶらり旅篇』(角川書店)、『キャラ立ち民俗学』(角川書店)など著書多数。

涼しくなってきましたが、裸です。

今回は、久しぶりにヌー銅の登場です。
すっかり秋らしくなってきましたが、この人たちはいつだって裸。
みなさんも、薄着をしてうっかり風邪をひかないようにお気をつけください。
それでは、みうら所長の講評をどうぞ。

すげまほさんの投稿
人文字でLOVE
撮影場所:所沢市役所前

みうら:着てる人もいればヌー銅もいる。ハッキリしたいところだね。

Gummoさんの投稿
ヌー銅3姉妹。末っ子は恥ずかしがり屋。
ではなくて、かくれんぼしているだけのようです。
撮影場所:香川県丸亀市 丸亀市民ひろば

みうら:スッポンポン、しかも大股開きで君は何を思う?

masakoさんの投稿
はだかんぼうの子どもたちは堂々としています。
誰かが手にタンポポを持たせたのかな。
撮影場所:名古屋市 久屋公園

みうら:楽しそうに鳥と戯れるのはいいが、
いずれ通報されるぞ、そこのファミリー。

khao-changさんの投稿
発見! はだかサックス黒川さん@丸の内
撮影場所:東京丸の内

みうら:“黒川さん”と覚えておいてほしい。作家名だから。

かの さんの投稿
渋谷のど真ん中で、黒川さん? を発見しました。
撮影場所:東京都渋谷区

みうら:いるよね、いつもこのヌー銅。
ほとんどの人が気づいてないけどね。

yotecoさんの投稿
「セで始まってスで終わるものな~んだ?」
「セ…セ…セブン&アイホールディングス!」
撮影場所:福岡県北九州市

みうら:ここも行ったなぁ。
待ち合わせするなら、まず、服を着てからだ。目立つけど。

masakoさんの投稿
エアーチェロでしょうか? 音は自分の声ですかね。
撮影場所:愛知県豊田市

みうら:立川談笑二人会にゲストってことじゃないよね?

つつみ さんの投稿
高校の正門にあるので、年頃の子たちを刺激しすぎないように
一応パンツを履いています。
撮影場所:千葉県市川市

みうら:“いいケツしてんなぁ”って、思うけど、それでいいの?
パンツはいてんの? あなた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みうら所長より
“みやげもの”の中には本気でいらない“いやげもの”があること。
英語で言うと、ノーサンキュー・スーベニールだ。
これだけを言及した著書『いやげ物』(ちくま文庫)を出版して久しい。
その頃には必ずといっていい、
いや、みやげもの屋の3分の2はいやげものという状態であったが、
再訪した土地にはいま、ほとんどそれらは絶滅していた。
ハッキリ、売れないことに店主も気づいたのだ。
しかし、それらが実は日本文化を後世に伝えるものであり、
いずれ外国のエライ先生が「コレガニホンデショ!」と、価値を見出すに違いない。

今回、みなさんに送っていただいた写真は、銅像。
私がかねてより“ヌー銅”と呼んでいたものである。
大概は高度経済成長期の調子こいた頃に量産され、
“アート”という体のいい言葉で誘われ、日本各地に置かれたものであろう。
ヌードでいる意味は? と、問われたときに、
たとえ銅像作家であろうが正しい答えは即答できないものだ。
しかも、ヌー銅の多くは駅前や公園、市役所といった、人が集う場所に建てられている。
「あのおねえちゃん、スッ裸だ!」
子どもが指をさすのも当然で、それがもし銅色でなく
肌色だったらと想像すると、まちの治安は危うい。
女性銅像の中には大股開きのものもある。
また近づいた者は本能ゆえであろうか、
男のそれが目線の先にブラ下がっているのが運のツキ、
何人もの人に触られまくり、黒光りしているのが常だ。
台座にはそれを見越してか、“そういう目的で作ったんじゃない”と、
『希望』とか『愛』なんて、どーでもいいタイトルが加えられている。

写真を見ると、オレも随分と旅をしたもんだと思う。
かなり知ってるヌー銅が多かった。
まだまだいるからぜひ、ヌー銅捜索の旅をみなさんも続けてほしい。
報告もよろしくです。

編集部より
さすが所長、すでにチェック済みですね。
みうら所長が思わずうなるようなヌー銅を探して、どしどしお送りください。
秋の行楽では、ぜひ「いやげ物」も探してみてくださいね。

募集は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。

Feature  特集記事&おすすめ記事

Tags  この記事のタグ