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〈あけしのの会〉
泡を食べる?
琉球の茶道“ぶくぶく茶”を体験!

おでかけコロカル|那覇編

posted:2016.4.27  from:沖縄県浦添市  genre:旅行

〈 おでかけコロカルとは… 〉  一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。

editors

沖縄CLIP

沖縄クリップは、沖縄の隠れた魅力や新しい情報を、沖縄在住のフォトライターが中心となって美しい写真とともに世界に発信し、沖縄の観光産業に貢献するという目的のプロジェクトです。沖縄が大好きな皆さまとさまざまなかたちでコラボレーションし、ともにつくりあげる新しいかたちの観光情報メディアを目指しています。
編集長 セソコマサユキ
http://okinawaclip.com/

writer profile

Nobuya Fukuda

福田展也

2001年に沖縄に移住。趣味はサーフィンと琉球空手。雑貨のバイヤー、地産地消商品やエコプロダクツの商品企画・商品開発の仕事を東京周辺で経験したのち、沖縄で手仕事にチャレンジ。紆余曲折を経てマーケティングやブランディング、事業企画立案などの仕事の傍ら、編集やライティングの仕事をしている。
http://okinawaclip.com/ja/detail/812

琉球独自の文化に親しむ

沖縄のお茶といえば、ほとんどの方が思い浮かべるのが“さんぴん茶”ですよね。
ジャスミンの香りが豊かな花茶の一種。
アイスレモンティーと並んで、沖縄の家庭や食堂でポピュラーな飲み物です。

中国茶も紅茶も海外から持ち込まれた飲み物ですが、
海を越えて沖縄に伝えられ、定着したお茶がもうひとつあります。

それは明治から戦前にかけて那覇近辺で親しまれた“ぶくぶく茶”。
調べてみると、茶道のように体系化されていることが判明。
しかも、マンツーマンで体験ができるのだそうです!
ということで、どんなお茶かさっそく体験してきました。

由緒がありそうな門を叩いて引き戸を開けると、
「いらっしゃいませ」という奥ゆかしい声が。
声の主はNPO〈琉球の茶道ぶくぶく茶あけしのの会〉の代表、田中千恵子さん。
小学校で長年教壇に立っていたという田中さんの導きを受け、
さっそくぶくぶく茶体験が始まりました。

まずはじめにやることは、紅型模様の着物を羽織ること。
羽織るのは、着ているものの上からで大丈夫です。
鮮やかな着物を羽織ることで、沖縄の過去にタイムスリップできそう。

BGMの琉球民謡に耳を傾けて、ゆったりした時の流れに身をゆだねたら、準備完了。

居住まいを正して、次はお茶をいただく作法の手ほどきを受けます。

お茶が膝の先に置かれたら、まずは
「ちょうだいいたします」と声に出します。

次に、茶碗を右手でそっと抱えながら左手を添え、両手で持ち上げます。

胸の前に持ち上げたら、茶碗を左まわりに4分の1回転ほどまわしましょう。
正面を避けて飲むのがポイント。
どれくらいまわせばいいかというのは厳密にはないそうです。

泡を眺めて、その美しさを愛でたら、
泡を吸い込むようにして、“食べる”のだそうです。

泡を食べる前にお茶を飲み干すと茶碗に泡が残ってしまいますので、
お茶を飲み干す前に泡をいただくのがポイントのようです。
このとき、変な音を立てないように気をつけたほうがいいでしょう。

ほのかな甘みとかすかな香ばしさを味わったら、お椀を置いて、
「けっこうでございます」と感謝の言葉を述べておしまいです。

田中さんによれば、ぶくぶく茶は振り茶と呼ばれる泡立て茶の一種で、
16世紀以降に薩摩経由で当時の琉球に伝わり、
中国からの冊封使のおもてなしの席に点てられてきたそうです。
材料は、煎った玄米を粉末にしたもの。
玄米を煎じたお茶をお茶碗に注ぎ、
大きな茶筅で素早く泡立てたあぶくをトッピングして、できあがり。

言葉にすると簡単そうにですが、泡立てたり、
泡を美しくすくい取るには熟練が必要です。

真夏の入道雲のようなこのふわふわした泡を見てください。
琉球石灰岩を通って湧き出した、ミネラルをたっぷり含む
沖縄の水を使うからこそ、このような盛り感のある泡ができるのだそうです。

「旅立ちの日に ぶくぶくのお茶や 旅の嘉例なむん 立ててめぐらせば むとの泊」
という琉歌があるそうです。意訳すると、
「旅立ちの日にはぶくぶく茶が縁起を運びます。
このお茶を飲ませて見送れば何事もなくもとの港に帰ってくるでしょう」
このお茶は、誰かが旅に出るときに再会を誓って飲む
縁起のいいお茶であるようです。

ぶくぶく茶の体系化に尽力してこられた田中千恵子さんは、
「和敬清寂(わけいせいじゃく)」という茶道の心をヒントに、
「和敬清寛(わけいせいかん)」をぶくぶく茶の心としました。

寛とは、ゆったりのんびりているという意味のほか、
他者に対して態度がゆるやかである状態を指す言葉です。
田中さんたちは、思想や信条、国籍を超えて、人々がつながれるように
との願いとともにぶくぶく茶の再興に尽力されてきたそうです。

体験にあたっては、このように歴史や背景について
時間さえあればいろいろなお話を聞くことができるそうです。
沖縄旅行の思い出に、ぜひぶくぶく茶を味わってみてください。

information

map

琉球の茶道ぶくぶく茶 
あけしのの会

住所:沖縄県浦添市安波茶3-8-6

TEL:098-879-2847 090-9788-1136

営業時間:9:00~18:00

定休日:不定休(要相談)

講習料:体験 1,000円 講習+体験 2,000円

*先生のご都合もあるため、事前に予約・相談が必要です。

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