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「矢堅目(やがため)の駅」
塩工房を見学できる
休憩スポット

おでかけコロカル|長崎編

posted:2014.10.8  from:長崎県新上五島町  genre:旅行

〈 おでかけコロカルとは… 〉  一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。

editor’s profile

Ikuko Hyodo

兵藤育子

ひょうどう・いくこ●山形県酒田市出身、ライター。海外の旅から戻ってくるたびに、日本のよさを実感する今日このごろ。ならばそのよさをもっと突き詰めてみたいと思ったのが、国内に興味を持つようになったきっかけ。年に数回帰郷し、温泉と日本酒にとっぷり浸かって英気を養っています。

credit

撮影:山口徹花
取材協力:長崎県、新上五島町

目の前の豊富な海水が唯一の原材料です!

絶景で知られる矢堅目は、奈摩湾入り口の海から突き出ている円錐形の奇岩。
複雑に入り組んだ海岸線がつくり出す、
上五島の象徴的な風景を堪能できる場所でもあります。
矢堅目という一風変わった地名は、その昔、海からの外敵の侵入を見張るために、
矢を持った兵士で堅めたことに由来しているそう。
その矢堅目を望む位置にある矢堅目の駅は、海水塩の工房になっていて、
塩づくりの様子を見学することができます。
工房の入り口には巨大な窯が並び、もうもうと湯気が立ち上っています。
2トンの容量を持つ窯の数は、全部で5つ。
朝に火を入れて夕方まで燃やし、残った火種で夜間も加熱を続け、
翌朝また火を入れることの繰り返し。
つまり24時間加熱して、じっくりと水分を蒸発させていきます。
こうして当初3%ほどの塩分濃度の海水を、20%以上になるまで煮詰めます。

ひとつの窯で4トンの海水を使って、最終的にできる塩の量は35~40kg。
海水に対して、わずか100分の1の量です。
薪で焚くとミネラル分が損なわれないそうで、1日に2トントラック2台分もの薪を使います。
「夏場は暑くてきついですけど、冬はここで焼き芋をして食べています(笑)」
と面白おかしく話すのは、代表の川口秀太さん。

次に水槽のような形の平釜に移して、弱火で4日ほど焚き上げ、
さらに仕上げ釜でまた4日間焚くことでようやく塩が結晶化します。

早い段階でできあがる結晶は粗く、濃度が上がるにつれ粒子が細かくなるのだとか。
全工程にかかる日数は、約2週間。
添加物や加工助剤などを一切加えず、五島の海水のみでつくった塩は、
豊富なミネラルを含んだまろやかな味わいで、まさに海からの贈り物といえます。
工房の隣は物産館になっていて、ここでつくられた塩を購入することも。
定番の「矢堅目の塩」のほかに、藻塩や昆布塩、お茶塩、いか墨塩など
ちょっと変わったものまで種類も豊富。
そして、ここに来たらぜひ食べてみてほしいのが、
矢堅目の塩とにがりの入った塩ソフトクリーム。
ほのかな塩の風味がバニラの甘さを引き立てて、さっぱりとしてとても上品な味わい。
矢堅目とどことなく形の似ているソフトクリームを、
海を眺めながら食べる気分は格別です。
矢堅目の駅の目の前は海になっていて、
海の日から8月いっぱいは期間限定でここがビアガーデンになるのだそう。
奈摩湾を挟んだ矢堅目の対岸は、上五島指折りの夕景スポットで、
奇岩のシルエット越しに東シナ海へ沈む美しい夕日を見ることができます。

「矢堅目の塩」は100g260円(右)。250g570円のパックも人気。「矢堅目の藻塩」は100g420円(左)

塩作りの工程を説明してくれた代表の川口秀太さん。

塩ソフトクリームは4月~12月の期間限定の発売で250円。

Information


map

矢堅目の駅(矢堅目の塩本舗)

住所:長崎県南松浦郡新上五島町網上郷688-7
TEL:0959-53-1007
営業時間:9:00~17:00
定休日:なし

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