集落を見守ってきた小学校が宿に
新潟県津南町と長野県栄村にまたがる秘境、秋山郷。
昔ながらの農村風景や美しい自然が残るこのエリアの
結東(けっとう)という小さな集落に、その宿はあります。
ここは廃校になった校舎を改築した〈かたくりの宿〉。
地域の人たちの思いがつまった建物です。


どこか懐かしい雰囲気に包まれています。
中に入ってみると、学校だった頃の面影がそこかしこに感じられ、
ノスタルジックな気分に。
つくりもユニークで、教室はくつろげるシンプルな和室の客室に、
そしてなんと校長室はお風呂になっているんです。


元校長室に温泉が。結東温泉は「芒硝泉(ぼうしょうせん)」(硫酸塩泉の一種)という希少な泉質のお湯。日帰り入浴もできます(不定休のため電話にて要問い合わせ)。
この学校の歴史は古く、開校は明治17(1884)年。
僻地のため、義務教育免除地に指定されたこともありましたが、
昭和61(1986)年に休校になるまで、多くの子どもたちがここで学び、
巣立っていきました。
地域の人たちにとって大切な場所であり、
ずっと地域の子どもたちを見守ってきたこの学校を、
なんとか生かせないかと考えた集落の人たちは、町とも協議し、宿泊施設にすることに。
1992年に閉校となり、翌1993年にふるさと資源活用事業として、
かたくりの宿へと生まれ変わります。

部屋にはベランダも。
ところが、秘境の山里の宿は経営が難しく、事業者は何度か交代。
4度目に経営に身を乗り出したのが、〈NPO法人越後妻有里山協働機構〉でした。
越後妻有里山協働機構は〈大地の芸術祭〉を運営するNPOで、
2009年の芸術祭開催を機にかたくりの宿を再スタートさせ、
現在も運営を担っています。
