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posted:2016.9.3 from:東京都 genre:ものづくり / アート・デザイン・建築
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
茶の湯の大成者である千利休から、400年以上も続く千家の茶道。
千家好みの茶道具を制作する十の職家を〈千家十職〉といい、
土風炉・焼物師、樂焼・茶碗師、釡師、一閑張細工師、袋師、
塗師、竹細工・柄杓師、表具師、指物師、金物師という
多様な匠たちがその伝統を受け継いでいます。
そうして数百年ものあいだ、美意識のDNAを受け継いできた〈千家十職〉を紹介する
展覧会『茶の湯の継承 千家十職の軌跡展』が、ただいま、東京・三越日本橋本店で開催中です。
紹介されているのは、三千家の各お家元に代々伝わる名品、代表作のほか、
千家十職の各職家や美術館所蔵の茶道具たち、なんと約250点!
その一部をご紹介します。
代々、土風炉を主に制作し、茶陶も手掛ける永樂家。
茶碗を中心に水指・花入など茶陶を制作する樂家(樂焼・茶碗師)。
大名の茶や侘び茶に向く釜を作り続ける大西家(釜師)。
棗や香合などの一閑張細工師である飛来家(一閑張細工師)。
代々仕服、服紗を始め裂・糸に関わる茶道具の調製をてがける土田家(袋師)。
棗などの茶器や茶事で使う椀家具などを制作する中村家(塗師)。
柄杓をはじめ竹製の茶道具を制作している黒田家(竹細工・柄杓師)。
家元らの揮毫の軸装や風炉先屏風、釜の敷物の一種である
“紙釜敷”の制作などを行う奥村家(表具師)。
棚や水指など美しい木地を活かした道具を制作している駒澤家(指物師)。
花入や建水など千家家元の好みの道具を制作してきた中川家(金物師)。
いずれも、十三代目や十七代目など、数百年にわたり
日本の美の真髄を受け継いできた、長い伝統を受け継ぐ工芸の匠たち。
そもそもこの〈千家十職〉という名前は、大正12年5月、三越大阪店にて開催された
『千家十職茶器陳列会』にて命名されたものだそう。
9月上旬には書籍『茶の湯の継承 千家十職の軌跡』も刊行予定です。
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お茶といえば、この展覧会のほか、三越日本橋本店では、
2016年9月7日(水)より〈お茶壺道中行列〉を開催。
7日正午より、日本橋の橋上から三越日本橋本店まで約200メートルを、
約20名によるお茶壺道中行列を行うというイベント。
静岡市との協業により行われるのだそう。
〈お茶壺道中行列〉とは、徳川家康公とお茶に由来した故事にならい、
静岡市で行われている〈駿府本山お茶壺道中行列〉を再現するもの。
行列のあとは、“茶詰めの儀”デモンストレーションを披露します。
身近にあるのに知っているようで知らない茶の湯やお茶の世界。
この機会に、お茶を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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