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posted:2015.11.26 from:広島県東広島市 genre:食・グルメ
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
本格的に寒くなってくると、
あったかい鍋が恋しくなります。
本日ご紹介するのは、東広島市西条町に伝わる〈美酒鍋(びしゅなべ)〉です。
その名の通り、美酒を使った鍋。
灘、伏見と並ぶ酒どころと知られている西条町で、
その昔、杜氏のもとで酒造りに取り組む蔵人達が、
仕事の合間に、まかないとしてささっと作って食べていた鍋料理。
繊細な舌が必要とされる蔵人さんたちの
きき酒に影響が出ないように、
味付けには砂糖・醤油を使いません。
あっさりとした風味が特徴の、シンプルな鍋料理です。
それだけに、良い酒、良い素材が勝負どころ。
今回は、西条にあるレストラン〈佛蘭西屋(フランス屋)〉におじゃま。
こちらは西条の老舗の蔵元〈賀茂鶴〉直営のレストラン。
〈賀茂鶴〉のお酒はもちろん、日本酒の仕込み水を使った料理が楽しめます
それではさっそく、美酒鍋をいただいてみましょう。
こちらが材料。
野菜は、白菜、玉ねぎ、長ねぎ、ピーマンのほか、
こんにゃく、シイタケも。
そしてお肉は、豚肉、鶏肉、砂ずりが基本。
そこに日本酒、にんにく、塩、コショウの調味料を加えていきます。
まず、鍋を温め、油をひいたら、
にんにくのスライスを入れます。
香りが出たら豚バラ肉を入れて炒め、
清酒を投入。
続いて鶏肉を入れ、砂ずりを入れ、
野菜、こんにゃく、シイタケなどを入れます。
美酒鍋において、具材の入れすぎは厳禁。
鍋底が見えなくなるくらいでやめておきましょう。
塩、コショウを適量入れて味付けをし、さらに炒めます。
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具材に火が通ったら、清酒をたっぷり入れてください。
試食して味が薄かったら塩、コショウを、濃ければ清酒を加えてみましょう。
野菜がしんなりしたら完成です。煮込んではいけません。
もしもっと食べたくなったら、
中身を全部食べた後に、もう一度最初から作るのが〈美酒鍋〉のルール。
ちなみにもともとこの鍋は、〈びしょ鍋〉と呼ばれていました。
作業服がビショビショになることが多いことから、
かつて蔵人さんたちのことを〈びしょ〉と呼んでいて、
その蔵人さんが食べることから〈びしょ鍋〉と呼ばれるようになったのがその語源。
それが転じて、現在では〈美酒(びしゅ)〉と語呂の良い呼び名になっているんだそうです。
ぜひご家庭でも試してみてください。
■佛蘭西屋
住所:広島県東広島市西条本町9-11
TEL 082-422-8008
写真:津留崎徹花
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