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posted:2015.10.11 from:静岡県浜松市 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
10月10日(土)~11月3日(火)、
静岡県浜松市の鴨江アートセンターにて、写真家の若木信吾さんによる
「若木信吾写真展XX(ダブルエックス)」が開催されます。
浜松市に生まれ育ち、アメリカのロチェスター工科大学 写真学科を卒業後、
ドキュメンタリー・コマ―シャル・アートの垣根を飛び越え、
めざましい活動を展開してきた若木さん。
2007年には、祖父の琢次さんをモデルにした映画「星影のワルツ」を監督。
以来、映画「白河夜船」(原作 よしもとばなな)なども手がけ、
映画監督としても高い評価を受けています。
今回の展示では、20年間にわたり祖父を撮り続けた「Takuji」、
幼なじみの同級生にフォースをあてた「英ちゃん 弘ちゃん」をはじめとする
17冊の作品集を中心に、若木さんのポートレートの系譜を紐解いていきます。
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若木さんは東京に拠点を移してからも、
たびたび故郷へ足を運び、身近な人たちを撮ってきました。
長い時間をかけて身近な人を撮り続けていくスタイルは、
自分の生き方に合っているという若木さん。
はじまりは、自身の祖父・琢次さんでした。
新聞のコンクールで賞をもらったのも、留学先の大学に提出したのも、
卒業後につくったポートフォリオにたくさん載せたのも、琢次さんの写真。
1999年には、それらを「Takuji」(光琳社出版)という写真集にまとめました。
写真集「英ちゃん 弘ちゃん」(アマナ)のモデルになった“英ちゃん”“弘ちゃん”とは、
生まれた家がとなり同士。年齢もほとんど同じ、幼なじみ。
ただ少し違っていたのは、二人に軽度の精神遅滞(知的障害)があったこと。
大人になるにつれて距離は離れてしまったけれど、
若木さんが帰省すると、二人は変わらず「信吾ちゃん元気?」と話しかけてくれたといいます。
「同じ年齢だからこそ、これからも写真を撮り続けていくことができる」
若木さんはそう思っていたのですが、2013年、
英さんが突然の事故で亡くなってしまいました。
写真集「英ちゃん 弘ちゃん」は、若木さんがその事故を機に決心し、
クラウドファンディングで資金を募って出版した一冊です。
二人を15年にわたり撮り続けてきた若木さんは、
「彼らのもつ“純粋さ”にあこがれを持っていたということだと思います」と語っています。
(クラウドファンディングサイト「IMA FANd!」より)
故郷の人たちを撮るあいだに培われた
撮影のスタイルや被写体との距離感は、
若木さんの普段の仕事にも生かされているそう。
今回の展示会場が浜松であることからも、故郷への思いが伝わってきます。
このたび金沢のSLANTより発刊されるタブロイド「0 若木信吾」にも注目です。
奈良美智さんや石川直樹さんを取り上げてきたタブロイドシリーズが、
今号では若木さんをフィーチャー。
若木さん自身がこれまでに出版された17冊の写真集を再撮影しました。
こちらのタブロイドが、写真展会場に来場された方には、無料で配布されるとのこと。
これは嬉しいですね!
会期中には、現代美術家の鈴木康広さんを迎えたアーティストトーク(10月25日)、
アーティストユニット「L PACK」によるコーヒーのワークショップ(10月18日)、
レコード過剰愛好家の織部徹之進さんを迎えた
「クラシックレコードを聴く会」(10月10日)などのイベントも開催!
最新情報は、Facebookからご覧ください。
若木信吾写真展XX
会期 2015年10月10日(土)~11月3日(火・祝)
時間 9:30~21:00
入場料 無料
会場 鴨江アートセンター
住所 静岡県浜松市中区鴨江町1番地
アクセス 浜松駅から徒歩15分
電話 053-458-5360
浜松市教育文化奨励賞 浜松ゆかりの芸術家 平成26年度受賞 顕彰記念事業
タブロイドシリーズ「0 若木信吾」
仕様 H408×W273mm /タブロイド版新聞サイズ
カラー、24 ページ
アートディレクション 田中貴志
定価 500円+税
発売日 2015年10月10日
出版社 SLANT
・ SLANT
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