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posted:2015.2.10 from:東京都荒川区 genre:アート・デザイン・建築 / エンタメ・お楽しみ
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
「のらもじ発見プロジェクト」(以下のらもじ)をご存知ですか?
これは、まちでみかける、味わい深い個人商店の看板に注目し、
そこで使われているフォントに息吹を吹き込むプロジェクト。
まちあるきで発見した「のらもじ」をフォントのデータにして、
Webサイト上のテキストボックスに好きな文字を合成したり、
フォントデータをダウンロードできるようにしました。
サイト上では店舗の方のインタビューを掲載したり、
販売したデータの売上代金をそのまま渡しています。
そうすることで地方の店舗を応援し、
地方都市の景観を伝承する運動にもなっているんです。
タイポグラフィにおける「民藝運動」とも言えるこのプロジェクト。
造り手は同年代のクリエイター三人。
東京在住のアートディレクター下浜臨太郎さん
(電通 コミュニケーション・デザイン・センター)と、
デザインスタジオ「tha」のデザイナー西村斉輝さん、
現在山梨県在住のグラフィックデザイナー、若岡伸也さん。
もともとレトロな看板のデザインを収集していたのは若岡さん。
プロジェクトの始まりは、若岡さんの友人である下浜さんが、
日本に残る素朴なデザインを啓蒙するための仕組みを作りたいと思ったこと。
まちに残るレトロなフォントを「のらもじ」と名付け、
西村さんのプログラムによって、
Web上で遊べる仕組みを作り上げました。
最初は下浜さんらによる自主プロジェクトから始まり、
地道にまち歩きをしては店舗に交渉していく日々。
2013年にオープンしたWebサイトが話題になり、
昨年の春には、Yahoo! JAPANとコラボレーション。
東北の石巻を応援する「のらもじ in 東北」プロジェクトに発展しました。
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Yahoo!とのコラボレーションにおいては、「のらもじ」のコンセプトを崩さず、
震災復興に貢献するプロジェクトということで制作が進められました。
下浜さんが石巻を訪れ、松村さんと一緒に飛び込みで店舗の方に撮影、インタビューを交渉。
Yahoo!の内田伸哉さんが撮影を行い、短期間で石巻のまちの取材・撮影を行ったそう。
掲載されているインタビューの原稿も、
下浜さんがインタビューして書いています。
「店舗に声をかけていくので難しいのは、
インタビューと写真を承諾してくれる方が少ないということ。
看板業者と間違われるから大変なんです(笑)」(下浜さん)
デザイン担当の若岡さんが、
書体のクオリティを上げていきます。
出来上がったフォントを使ったグッズなども販売し、
地元の復興に貢献しようとしているんです。
■文化庁メディア芸術祭で体験!
さてこの「のらもじ」が、
平成26年度[第18回]文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門で
優秀賞を受賞しました!
2015年2月15日(日)まで、東京・六本木の国立新美術館で行われている
「平成26年度[第18回]文化庁メディア芸術祭受賞作品展」にて
のらもじのインスタレーションを体験することができます。
会場では大画面で「のらもじ」を体験できるほか、
サイトに登場した、東京・町屋の「つるや陶器店」さんの
実物カンバンを展示しています。
展示期間中のために、つるや陶器店さんの
看板がもとあった位置に「出」「展」「中」の
看板を臨時で設置しているんだそう。
ぜひご近所を通りがかったら、チェックしてみてくださいね。
・のらもじ発見プロジェクト
・つるや陶器店:東京都荒川区町屋3丁目8-19
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