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被災地・石巻の漁村で大学生が聞き書きする「コトバのたびプロジェクト」参加者募集

コロカルニュース

posted:2014.12.24   from:宮城県石巻市  genre:活性化と創生

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
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Akiko Saito

齋藤あきこ

さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。

日本全国の高校生が森や海・川の名手・名人を訪ね、
知恵や技術、人生そのものを「聞き書き」するプロジェクト
聞き書き甲子園」。

その大学生版のイベント「コトバのたび」が開催されます。
これは聞き書きした文章を、話し手やそのご家族ご友人の前で
朗読会を開いて共有するプロジェクト。
このたび、第二回が2015年1月末から3月にかけて
宮城県石巻市で開催されることになり、現在参加者を募集しています。
テーマは「聞き書き・朗読を通じた漁村のコミュニティ再建!」

プロジェクトでは、石巻の漁師さんのお宅で住み込みボランティアを
しながら、夜の空いた時間などを利用して震災前後や当時のことについて
インタビューを行います。
帰京後は、録音したインタビュー内容を文字に書き起こし編集作業。
作品が仕上がったら被災地に戻り、地域の方々を対象に朗読会を行うのです。

新潟県村上市高根集落の遠山可冬さん

こちらは、第一回、新潟県村上市高根集落の遠山可冬さんに
東京の大学生が聞き書きしたお話です。

『高根ってとこはもっと大きな考え方で進まねえといつまでたっても同じじゃねえかなと思う。冬の半年間はなにもできねえ、野菜も作れねえし、窮々として冬に追っかけられている。屋根の雪は三回も落とさねばならねえ。それの辛抱もせねばならん。本当に今日も雪、明日も雪っていうと、ここの人でさえ家ば出てってかねえんだよ。
だすけ、地についた高根に根っこの生えたもんがねえと容易でねえでねかとおれは思っているよ。村に存在するものがあると高根は長続きすると思う。おれがちょっと考えたのは雪の貯蔵庫をこしらえて、例えば日本酒とか米とか野菜とか保管するところを作って、お盆は小さいスキー場を作って人を呼ぶんだ。雪のねえ時に雪を利用するんだ。
どんなもんだね?おめえたち高根来て何があると良い?』
(2013年コトバのたびプロジェクト作品より)

80歳をこえる遠山さんは、出稼ぎ時代や
戦争時代の話からこれからの話までじっくり話してくださいました。
80歳をこえた方が集落の明確な未来へのビジョンを持っていることを
誰が知っているでしょうか。聞き書きを通じて、住民の人生と価値観を学生が受け取り、
朗読によって、コミュニティにお話を返していくプロジェクトです。
応募の詳細に関しては下記Webサイトを。

・「コトバのたびプロジェクト

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