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posted:2024.12.31 from:岐阜県恵那市 genre:旅行
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writer profile
Naomi Kuroda
黒田 直美
くろだ・なおみ●愛知県生まれ。東京で長年、編集ライターの仕事をしていたが、親の介護を機に愛知県へUターン。現在は東海圏を中心とした伝統工芸や食文化など、地方ならではの取り組みを取材している。食べること、つくることが好きで、現在は陶芸にもはまっている。
名古屋から70キロメートルほど東に位置する岐阜県恵那市。
木曽川の清流と市の約80パーセントが山林という豊かな自然に恵まれた場所です。
2024年12月の大井ダムの完成100周年を記念し、
恵那市ではさまざまなイベントを開催しています。
大井ダムは、電力王と呼ばれた福澤桃介(ふくざわももすけ)が、
1924(大正13)年に国内初の重力式コンクリートで完成させた本格的な発電所。
発電した電力は関西方面に送電され、高度経済成長期を支えました。
2007年度には、経済産業省によって「近代化産業遺産」に認定されています。
恵那市は、書店〈丸善〉の創業者で、ハヤシライスの発案者といわれる
早矢仕有的(はやしゆうてき)ゆかりの地。
彼が江戸時代に岩村藩(現在の恵那市岩村町)の藩医だったことから、
ハヤシライスで恵那を盛り上げようと、市内飲食店店主らで
〈えなハヤシの会〉を立ち上げ、「恵那市特産の寒天」と
「恵那山麓寒天育ちの三浦豚」を使ったご当地グルメ「えなハヤシ」を開発しました。
そして、今回、大井ダム完成100周年の記念事業として
新たに「大井ダムえなハヤシ」を考案。
ご飯をダムのかたちに見立て、各店舗がそれぞれ独自のトッピングで
ダム周辺の景観を表現するというユニークな一皿が誕生したのです。
大井ダムにちなんだハヤシライスをつくろうと決めたものの、
メンバーは、ダムの形状に苦心したそうです。
「大井ダムは約53メートルもの高さがあり、
その高さとゆるやかなカーブを再現するのが難しく、
市販の型ではうまくいきませんでした。
それで恵那市の補助金を得て、特注で型をつくったんです」
と語ってくれたのは〈えなハヤシの会〉会長の
安藤良一(あんどうよしかず)さん。
さらに、どのように大井ダムと恵那峡を表現するか、各店舗も試作に追われる日々。
最終的に仕上がったのは、なんと記者発表の直前だったそうです。
しかし、苦労した分、評判は上々。
「大井ダムえなハヤシ」を目当てに来るお客さんも増えているのだとか。
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安藤さんの店〈お食事処金よし〉では、ダムの放流をエビフライに見立て、
奇岩〈品の字岩〉を地元の恵那鶏の唐揚げで表現。
恵那峡大橋は赤のパブリカで、東雲橋は黄色のパプリカをイメージし、
恵那峡らしさを追及したそうです。
訪れたお客さんからは、大きなエビフライと
ボリュームのあるトッピングに歓声があがることも。
「ルウは、細かく刻んだ玉ねぎと大きくスライスした玉ねぎの
2種類をたっぷり使用し、じっくり煮込んだ昔ながらの味を目指しています」と安藤さん。
懐かしさあふれる古民家風の店内で自慢のハヤシライス(1485円)を限定5食で。
ぜひ、味わってみてください。
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ふわふわ台湾パンケーキをはじめ、
おしゃれなスイーツが人気の〈cafeRob〉 恵那店。
玉ねぎの甘味と肉のうま味が溶け出した絶妙なハーモニーのルウから
生み出されるハヤシライス(1480円)。
地元・恵那産の三浦豚のうま味がギュッと詰まった、
とろけるようなお肉のやわらかさがウリ。
カリッとジューシーな恵那鶏の唐揚げ、プリプリのエビフライの相性抜群です。
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cafeRob 恵那店(大井町)
旬の食材をリーズナブルに味わえる〈金寿司〉。
寿司屋でハヤシライスが食べられるのは、全国でもここだけでは?
それだけ恵那愛が強いのです。
飛騨牛をベースにしたルウに、恵那産の黒米でダムをかたちどり、
三浦豚のカツはダムの放流をイメージ。
サラダ・汁物・フルーツつきのお特なランチは限定5食。
寿司屋のハヤシライス(1540円)を堪能してみてください。
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女城主の城として知られる〈岩村城〉で有名な岩村町にある〈道恵亭〉。
この店自慢の和風だしのルウは、江戸時代から続く岩村醸造の酒に、
こぶだし、かつおだしで、さっぱりとした味わいのハヤシライス(1480円)に。
トッピングには、かぼちゃやなすなど、地域の野菜をふんだんに使用し、
3つの唐揚げで〈品の字岩〉を表現。
会席から定食や丼ものまで、幅広いメニューで地元からも親しまれている
〈道恵亭〉では、通常メニューのハヤシライス(750円)も人気です。
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夫婦で営むおしゃれな洋食屋〈エスポワール〉では、恵那産の三浦豚をはじめ、
地元の野菜をたっぷり使った料理が楽しめます。
「大井ダムえなハヤシ」は、洋食屋さんならではのロコモコ風(1300円)。
自家製デミグラスソースをブレンドした深みのあるルウと、ハンバーグと卵、
パプリカで恵那峡の優美な姿を表現したこだわりのおいしさが楽しめます。
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明智光秀でゆかりの地といわれる明智町で、
昔ながらの雰囲気を楽しめる〈食事処 庵〉。
創業以来、地元の人に愛されている定番の大正カツ丼は、
デミグラソースで仕上げた一品。この自慢のデミグラソースを使ったルウに、
黒米で模したダム、サラダとコロッケ、そして恵那鶏のチキンカツを添えた、
ボリュームたっぷりの老舗のハヤシライス(1200円)です。
information
食事処 庵
住所:岐阜県恵那市明智町480-4
電話:0573-54-2276
営業時間:10:00~15:00(15:00以降は予約のみ)、平日のみランチタイム11:30~14:00、17:00~22:00(夜席は予約のみ)
定休日:木曜
駐車場:あり(3台、大正村駐車場利用可)
〈えなハヤシの会〉では、イベント用のトッピングも作成し、
4月の『2025全国さくらシンポジウムin恵那』(2025年4月4日~5日)まで続く
大井ダム完成 100 周年記念事業のほか、さまざまなイベントでも販売していく予定だとか。
まだまだ続く大井ダム完成100周年記念事業の詳細はこちらから。
大井ダムを眺めながら、市民の愛がこもった「大井ダムえなハヤシ」を
ぜひ、味わってみてください。 レトルトのルウも販売中です。
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