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世界遺産のあるまちで、
“アートの秋”を楽しむ。
「宗像みあれ芸術祭」10月から開催

コロカルニュース

posted:2024.9.28   from:福岡県宗像市  genre:活性化と創生

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
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Haruko Sato

佐藤 はるこ

さとう・はるこ●福岡生まれ、福岡育ち。成人してから引っ越した回数は10回以上。日本各地を移動しながら、2010年からフリーランスのライターとして活動。建築、都市、まちづくりに興味あり、音楽やアートの話が好き。人から話を聞くのがとても好き。

篠田ゆき「雲プロジェクト ‒ 宗像大社に雲を浮かせる」

世界遺産のあるまちとして有名な宗像市で、芸術祭が開催されます。
メイン会場は、まさにその世界遺産の一部である宗像大社辺津宮。
宗像で生まれ育った新進気鋭のアーティストから、
脳科学者として活躍している中野信子さん(招待作家)まで、
個性豊かなアーティストによる作品が展示されます。

「神宿る島」として世界遺産に登録

世界遺産のあるまちとして有名な宗像市

古代の国際交流の拠点であり、大陸から伝わる
最先端の技術・文化が交差する地域であった宗像。
宗像大社は日本最古の神社のひとつとして知られており、
国の安寧を祈願する宗像三女神の信仰については
「古事記」や「日本書紀」にも記されています。

そんな宗像の歴史を背景にはじまったのが「宗像みあれ芸術祭」です。
「宗像の魅力、再発見」「子どもたちに開かれた美術体験」をテーマに、
地域の未来につながる祭典を目指し、作品の展示をはじめ、
さまざまなワークショップやイベントを開催。
アートを通して、宗像の新しい文化を紡いでいきます。

「みあれ祭」とは?

「みあれ祭」

宗像みあれ芸術祭は、宗像大社の「みあれ祭」と同時期に開催されます。
みあれ祭は、秋季大祭の最初に行われる大切な祭事。
沖ノ島にある「沖津宮」と大島にある「中津宮」の御神璽(みしるし)を、
本土にある「辺津宮(へつぐう)」にお迎えする神事で、
10月1日には約100隻の漁船が集まり、海上神幸を行います。
船に掲げられた大漁旗が海上にはためく様子は、華やかで壮観!

10月1日に行われる海上神幸

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宗像みあれ芸術祭の展示作品をご紹介

宗像みあれ芸術祭では、例年5月から6月にかけて、
宗像の自然・歴史・文化・風土・景観などを活かした
アート作品を公募で募集しています。

今年度の公募で大賞を受賞したのは、わらアートJAPAN。
その土地のわらや茅を使ったアートを、国内外で制作しています。

わらアートJAPAN「宗像の海『わらくじら』」

わらアートJAPAN「宗像の海『わらくじら』」

宗像でつくられる巨大な「わらくじら」は、
地元農家の協力によって集められた宗像産のわらを使用。
9月に開催された市民参加型のワークショップを通して
制作され、宗像大社の境内に設置されます。
その制作風景は、芸術祭のInstagramでも見ることができます。

2024年9月に開催された「わらくじら」の制作ワークショップ。

2024年9月に開催された「わらくじら」の制作ワークショップ。

参加作家の中には、宗像で生まれ育った若き新人アーティストも。
海洋ごみの問題に着想を得た作家の河谷來明さんは、
ペットボトルごみを素材とする作品を発表。
宗像市の花である「カノコユリ」をデザインしました。

河谷來明「そこに映るあなたは ~先人より受け継がれたいのち~」

河谷來明「そこに映るあなたは ~先人より受け継がれたいのち~」

境内を彩る300個のカノコユリは、地元の商業施設で
ワークショップを開催し、地域住民とともに制作。
宗像の豊かな自然の中に、人々とともにつくりあげた
上品で美しい花々が咲き誇ります。

2024年8月に開催された「カノコユリワークショップ」。

2024年8月に開催された「カノコユリワークショップ」。

招待作家として参加する脳科学者の中野信子さんは、
宗像三女神の降臨の地とされる古代祭場である「高宮祭場」横、
高宮斎舎を作品の一部として、インスタレーション作品を制作。

中野信子「《That Thou Art》」

中野信子「《That Thou Art》」

鬱蒼と生い茂る木々に囲まれた神秘的な空間に展示されるのは、
「生まれ直し」がテーマのインスタレーションです。
高宮祭場階段では、展示作品へといざなうサウンドアーティスト・
橋本次郎さんによるサウンドインスタレーションも。

メインプログラムの参加アーティストは8名。
宗像大社休憩所や祈願殿、宗像ユリックスなどでは、
写真展やワークショップなどの関連プログラムも開催されます。

8万点の国宝が揃う神宝館

「神宝館」展示・収蔵品

宗像みあれ芸術祭で楽しめるのは、現代アートだけではありません。
宗像大社内にある神宝館(しんぽうかん)には、
約8万点の国宝〈沖ノ島神宝〉を中心に、
数多くの重要文化財が展示・収蔵されています。
沖ノ島の古代祭祀に使われたとみられる出土品は
千年超の歴史を持つ貴重なアートといえるのではないでしょうか。

神宿る島の「今」と「昔」を知る芸術祭に、
ぜひ足を運んでみてくださいね。

information

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神宝館(宗像大社内)

場所:福岡県宗像市田島2331

開館時間:9:00~16:30(最終入館 16:00)

料金:施設維持協力金として一般800円 高・大学生500円 小・中学生400 円

休館日:年中無休

Web:宗像大社 公式サイト

information

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宗像みあれ芸術祭

場所:宗像大社辺津宮(境内、祈願殿、休憩所など)・宗像ユリックス

期間:2024年10月1日(火)〜2024年10月20日(日)

料金:入場無料

Web:宗像みあれ芸術祭 公式サイト

Instagram:@munakata.miare.art

*価格はすべて税込です。

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